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社会人大学院に通い始めた2023年に「私」をつくってくれた本を9冊、紹介します。

2023年もあと1ヶ月足らずで終わりですね。
今年は大学院入学に、起業に、引越しに、色々な変化があった1年でした。
そんな私を色々な方面で支えてくれた、9冊の本を紹介しようと思います。

2023年は、大学院の受験勉強や課題図書もあったので、100冊くらいは読んだのではないかなーと思います。私が本を読む時間は、基本は土日、平日少しの隙間時間。お休みの日に、お気に入りの岩盤浴に行って、1日こもって読むことがお気に入りです。

そして、どの本を紹介しようか、めちゃくちゃ悩みました。
いやー、あの本も読み直したしな、、、あの本も面白かったしな、、あの本も最高だったな、、とひとりで悩みながらも決めた9冊です。

それでは、渾身の9冊をご紹介します。
レッツゴー!


①未来を変えるためにほんとうに必要なこと

こういう人におすすめ:何かに行き詰まっていたり、何かを変えたい、特に人と人の関係性を大きく変えたいと願っている人。

感想:
この本は、何度も何度も読んでいる本です。2023年もことあるごとに読み直しました。この本の中で「力」と「愛」という言葉が出てくるのですが、このバランスを自分はいつも取れているだろうか?と常に問いかけるきっかけになったのは間違いなくこの本の影響です。シンプルかつ奥深い視点から、一人ひとりが実践できる「未来の変え方」について考えさせられます。

②その後の不自由―「嵐」のあとを生きる人たち 

こんな人におすすめ:他者との関係性に悩んでいる、自分の大切な人が苦しんでいる、依恋愛依存、薬物依存など依存症の方のサポートをしている人。他者との「関係性」にとても苦しんだことある人にはきっと響くものがあると思います。

感想:
この本は、初めて読んだ時にかなり衝撃を受けた本です。薬物依存の当事者の方が書き記した当事者研究の最前線なのですが、依存症とともに「生きる」とはどういうことなのか、真正面から胸に突き刺さります。依存症とか病気とか、「自分には関係ない」と一蹴するのではなくて、「なぜ、そうなるんだろう?」「なぜ、依存は起きるのか?」というその人の置かれている環境と背景に気づくことのできる、とてもとても素晴らしい本だと思います。

③愛する言葉

こんな人におすすめ:
人を愛するとは、恋愛とは、愛とは、人を想うとは、夫婦とは、恋人とは何か考えたい人。

感想:
女性として岡本敏子さんを尊敬しています。いつでもどんな時でも、何があっても岡本太郎さんを本当に人として愛しているということがこの本を読むだけで伝わってきます。言葉が、とても美しいんです。
この本の中で一番好きな敏子さんの言葉「みんな自分が大事で、痛いのは嫌。それでは生きている、という実感は掴めない。」
傷つくのを怖がっていちゃ、人を愛するなんてできっこない。

④悲しみの秘儀

こんな人におすすめ:
洗練された言葉が好きな人、人の弱さ、痛さ、苦しさ、悲しさに触れたことがある人。

感想:
若松さんが紡ぐ言葉がとても好きです。少し傷ついた時、悲しい時、切ない時、そっと触れると心の奥に届く言葉がこの本にはあります。この本を読むと、忘れかけていた大切な感覚をいつも取り戻せる感じがします。短編集のような感じなので、読みたい時に、すっと読める本です。
こんなに素敵な言葉が世の中に存在するということに、いつ読んでも感動します。
「誰かを愛しむことは、いつも悲しみを育てることになる。」


⑤省察的実践とは何か

こんな人におすすめ:いわゆる「専門職」の仕事をしている人。看護師、医師、教師、臨床心理士、社会福祉士など…

感想:なかなか読み応えのある本です。難解なので、私は勉強会仲間と3回に分けて読書会の本にして読みました。
熟練した探究者(省察的実践家)といわれる人は、自分の頭の中に問題状況を再現していろいろなことが試せる「仮想世界」をもっていて、そこでいろんな手法をサッと試行錯誤し、現実世界に向けて手立てを差し出していくことができる人、と書いてあります(超ざっくり要約)。省察的実践者になるには何が必要か、どんな要素があるのか、詳細に書いてあります。2回は読まないと私も理解したとは言えなさそう…..

⑥生きるための哲学

こんな人におすすめ:「愛着障害」や「生きづらさ」というキーワードにピンとくる方。

感想:この本を読むと、生きづらさを抱え、さまざまな苦難や理不尽な試練に直面しながらも、なんとか生き抜いていくために、自分の「哲学」を作っていく人の姿を目の当たりにします。読み進めていくと、世の中に偉大な功績を残した偉人たちは様々な生きづらさを抱えていて、だからこそ世の中に爪痕を残したともいえるのだな、と。壮絶な事例も出てきますが、人間として、どうにか意味と勇気を掬い取ろうと苦闘する試行錯誤と、それがたどり着いた究極の叡智を感じることのできる一冊です。
「そして、同じ苦悩を共有する人には、その意味が汲み取れるはずである。」

⑦人材開発・組織開発コンサルティング

こんな人におすすめ:組織開発、人材開発のお仕事をしている方、人事担当者、外部組織コンサルティングなどをされている方。人と組織に向き合っている仕事をしている方。

感想:私の大学院生活(立教大学大学院LDC)を支えてくれた一冊です。現在、自分自身も組織開発を仕事にしていますが、基本的な組織開発のステップと、その過程を丁寧に細やかに、そして意識すべきこと、すると良いことが書かれています。どうしたら良いか迷った時、悩んだ時、何度読み直したか…..きっと2024年もお世話になる本です。中原先生、ありがとうございます。
「よき組織開発は、人材開発とともにある」「よき人材開発は、組織開発とともにある」

⑧困難な成熟

こんな人におすすめ:そもそも論をよく考える人にはおすすめです。

感想:働くとは何か? 貨幣とは何か? 会社とは何か? 原理的な問いに内田さんが真剣に答えていってくれる本です。最初の章は、「責任を取るということは可能でしょうか?」内田さんの答えは「いいえ、不可能です」。
なぜ不可能なのか、とても面白く、深いので気になった方はぜひ読んでみてください。そして、個人的な話になりますが、この本が文庫化されることになった時に内田さんが書いた、あとがきのこの部分が好きです。
「人間にとってたいせつなことのほとんどは「明確な目標設定/効率的な工程管理/費用対効果のよい目標達成」というような枠組みでは語ることができない。現代人はそれをどうも忘れてかけているようです。」

⑨責任の生成-中動態と当事者研究

こんな人におすすめ:「責任」や「中動態」「意志」といった概念を深く考え、問い直したい方。

感想:この本は、『暇と退屈の倫理学』や『中動態の世界』で知られる國分功一郎さんと、脳性麻痺という障害を持ちながら小児科医として活躍し、現在は障害と社会の関係について研究する熊谷晋一郎さんの約10年にわたる共同研究をまとめた本です。もうこの2人のコラボ本、というだけで私はテンション上がります。國分さんは好きすぎて、群馬県で開催されるサイン会まで行きました。
責任(=応答すること)が消失し、「日常」が破壊された時代を生き延びようとするとき、私たちは言葉によって、世界とどう向き合い得るか。
ぜひ読んでみてください。


ここで紹介できなかったですが、他にもたくさんの本と言葉に2023年も支えられました。

今年最後の年末は、下記の本たちをどっぷり読もうと思っています。


皆さんのおすすめもあれば、ぜひ教えてください!

2024年も、たくさん学びを吸収する年にするぞー!

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