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<ラグビー>女子RWC決勝及び三位決定戦、イングランド対日本、ウェールズ対アルゼンチン、フランス対南アフリカ、イタリア対オーストラリア、スコットランド対オールブラックス、バーバリアンズ対オールブラックスXV、2023年RWC敗者復活戦第二週、花園東京都予選決勝などの結果から

(どうでもよい「話の枕」です。関心ない方は飛ばしてお読みください。)

(今週も盛沢山です。短くしたいのですが、あれもこれもと入れると、長くなってしまいます。)

 朝ドラの主人公の友人である久留実ちゃんのお父さんは、元ラグビーマンで、ドーベルマンのようにしつこくタックルする良いFLだったそうだ。しかし、引退後は定職につかず、先日も務めていた警備員の仕事を、階段で足を挫いてからすぐに辞めてしまった。暗いアパートの部屋で、お父さんは、昔の革製のラグビーボールを触っていたが、触り方が経験者のものだったのに驚いた。本人もしくは誰かが教えたのだろう。

 ちなみに、経験者は縦にボールを持つが、未経験者はだいたい横にボールを持ってしまう。あと、錯覚かも知れないが、ボールを少しほおり上げるときに、(今は流行遅れとなっているが)ストレートパスの手首の使い方をしていた。・・・もっとも、その後に枕代わりにボールを使ったのは、どうなのかな?少なくとも私は、枕代わりにしたことは一度もないけど。


 それから、久留実ちゃんがアルバイトする「ラグビーカフェ」のテーブルには、たぶん水差しだと思うが、小さなアルマイトのヤカンが置いてある。今はそんなことしないが、昔のラグビーの試合では、かならず大きな水を入れたヤカンがあって、これで水分補給したり、「魔法の水」と称して、倒れた選手にかけてプレーに復帰させていた。昔のファンには、うれしい小道具だと思う。


1.女子RWC決勝及び三位決定戦

(1)三位決定戦 カナダ0-36(5T4C1P)フランス

 強豪イングランドに対して準決勝で良く抵抗したが、実力差で押し切られたカナダと、準決勝の最後のPGを入れていれば、NZブラックファーンズに勝てたフランスとの対戦。総合力から見て、フランスが有利。

 前半は、0-22でフランスが圧倒。後半もフランスにシンビンが出たものの、カナダに得点させずに攻撃を継続して、最後は圧勝した。MOMは、SHポーリン・ボールドン。たぶん、フランスで一番可愛い選手として、メディア画像に多く登場する選手。

 カナダはまったくフランスに敵わなかった。また、準決勝のイングランド戦で力を出し切ったのかも知れない。

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(2)決勝戦 イングランド31(5T3C)-34(6T2C)NZブラックファーンズ


 準決勝でカナダを力ずくで一蹴したイングランドは、これで30連勝を達成。一方のブラックファーンズは、準決勝の最後のPGをフランスが外してくれたおかげで、この日の決勝戦に進めた。イングランドは実力を如何なく発揮し、ブラックファーンズは、幸運を持つことを証明した。そして苦しんだフランス戦の経験から、同タイプのイングランド対策を智将ウェイン・スミスは研究している。一方のイングランドは、フランス、カナダと強敵を一蹴した実力を決勝でも発揮したい。

 イングランドのサイモン・ミドルトン監督は、「ブラックファーンズは、地元からの大きなプレッシャーが負担になる」と試合前からけん制している。試合の23人のメンバーでは、FBヘレナ・ローランドの怪我により、エリー・キルドンヌに交代した他、12番CTBホリー・アッチソン、13番CTBリディア・トンプソン、22番BKクラウディア・マクドナルド、23番BKタティアナ・ヒアードをそれぞれメンバーに加えた。

 ブラックファーンズのウェイン・スミス(ディレクターオブラグビー)、アシスタントコートのウェズレイ・クラーク、同じくホワイトニー・ハンセン(前オールブラックス監督スティーヴ・ハンセンの娘)は、試合の23人のメンバーのうち、怪我で欠場するNO.8リアナ・ミカエレウツウをベテランのチャーマイン・マクメニマンに代えた以外は、不動のメンバーとしている。また、女子ラグビー史上最高のSHケンドラ・コックセッジは、引退の花道を優勝で飾りたい。

  2021年末のヨーロッパ遠征の不振により前監督のグレン・ムーアが辞任した後に、ブラックファーンズのメンター(助言者、導師)として参加している、2011年RWC優勝監督であるサー・グラハム・ヘンリーは、この試合限りでラグビー界から引退することを発表した。理由は、76歳という高齢のため。

 ヘンリーは、ブラックファーンズのスクラム強化のためにマイク・クロンに指導させた他、世界最高のコーチといえるウェイン・スミスを招聘した最大の功労者だ。またヘンリーは、1971年にカンタベリー代表でコーチを始めて以来、オークランド代表、ブルーズ(スーパーラグビー)、ウェールズ代表、ブリティッシュ&アイリッシュ・ライオンズのヘッドコーチ、そしてアルゼンチン代表のアシスタントコーチを歴任し、NZのみならず、英国やアルゼンチンに至るまで、コーチとしての大きな実績を残している。このヘンリーのためにも、ブラックファーンズは優勝を捧げたい。

 ブラックファーンズとイングランドの通算対戦成績は、30戦、ブラックファーンズ18勝、イングランド10勝、1引き分け。WCでは、前回2017年のアイルランド大会決勝で対戦し、41-32でブラックファーンズが優勝した。また2019年の女子ラグビースーパーシリーズにおいて、ブラックファーンズが28-13とイングランドに勝利している。またこの試合は、現在30連勝しているイングランドが最後に負けた試合となっている。しかし直近の対戦では、昨年末ヨーロッパ遠征したブラックファーンズが、イングランドに43-12,56-15と完敗している。

 前半は、26-19とイングランドがリード。イングランドは、開始直後にゴール前に攻め込んだポイントからラインアタックして、FBエリー・キルドンヌがトライし、13番CTBエミリー・スカラットがコンバージョンを決め、7-0とリードする。その後も、優勢なラインアウトからのモールで、この日ハットトリックを達成したHOアミイ・コケインがトライを重ねる。

 しかし17分、ブラックファーンズのトライゲッター14番WTBポーシャ・ウッドマンが左タッチライン際を独走した際、バッキングアップにきたイングランド14番WTBリディア・トンプソンが、ウッドマンの顔面に自らの頭部を当てる危険なタックルをして、TMOの結果レッドカード(退場)となる。この後イングランドは、一人足りない数的不利の中で戦うこととなった。また、ウッドマンも脳震盪で退場し、23番WTBアイシャ・レティリガと交代する。ブラックファーンズとしては、切り札ウッドマンの退場は痛かったが、その大きな代償としてイングランドが一人減ったことになった。

 PKを得たブラックファーンズは、すぐにラインアウトからのモールでHOジョージア・ポンソンビーがトライ(FBレニー・ホームズがコンバージョン成功)を返して、7-14と反撃する。その後は、イングランドとブラックファーンズがトライを交換し、39分にブラックファーンズがラインアウトのモールから3番PRアミイ・ルールがトライ(ホームズのコンバージョン失敗)して、ブラックファーンズ19-26イングランドの7点差で折り返す。

 前半のブラックファーンズは、SHケンドラ・コックセッジとSOルアヘイ・デマントの二人が、自陣からでもキックを封印して、徹底的にラインに回すアタックを繰り返した。そして、ウッドマンを失ったものの、14番WTBルビー・ツイ、12番CTBテレーサ・フィッツパトリック、13番CTBステイシー・フルーラー、FBレニー・ホームズの、そのままセブンズで通用する黄金のBKが、ボールを持てば確実にゲインしていた。

 後半に入ってすぐの40分、ふたたび自陣から左サイドに回したブラックファーンズは、13番CTBフルーラーが大きくゲインした後、FBホームズを経由して再びフルーラーがパスをもらい、トライを返す。ホームズのコンバージョンは失敗したため、同点にはならずに24-26の2点差とする。続く48分、17番PRクリスタル・マレーがトライ(ホームズのコンバージョン失敗)で、ブラックファーンズは29-26とついに逆転する。

 ここまでブラックファーンズは、前半とは対象的にキックを多用してイングランド選手を背走させる戦術を取り、数的不利からくるフィットネスの消耗を早めていった。これが功を奏して、前半苦しめられたイングランドのモールの威力が弱まっていた。

 しかし53分に、HOコケインにハットトリックとなるモールからのトライ(スカラットのコンバージョン失敗)を返され、29-31とイングランドに再逆転される。さらに64分には、ブラックファーンズ20番FLケネディ・サイモンがイングランド11番WTBアビイ・ドウにタックルした際、肩から頭にズレ上がったため、TMOでシンビンとなってしまい、この後の10分間は、14人対14人の戦いとなった。

 ところが、走力で優るブラックファーンズは、71分にゴール前のゴロパントをタイミング良く取った13番CTBフルーラーがゴールラインに迫り、そこへサポートした23番WTBレティリガに神業ともいえるオフロードパスを通して、左中間にトライ(ホームズのコンバージョン失敗)で、34-31と再々逆転に成功する。

フルーラーからレティリガへのパス

 75分、ブラックファーンズが自陣35mラックでPKを得て、そのままタッチキックから時間をつぶしに行くかと思われたところ、なんとSOデマントがキックダミーからパスしてアタックを選択する。ところが、イングランドにブレイクダウンでPKを取られてしまい、79分には、左ゴール前5mでイングランドボールのラインアウトという絶対絶命のピンチを招いてしまう。

 しかし80分、神様はブラックファーンズに味方した。ブラックファーンズがイングランドのボールキャッチでノッコンを誘い、そのままノーサイド。ラグビー史に残る激闘をついに制した。

 イングランドの連勝は、連勝前と同様にブラックファーンズに阻止され、そしてブラックファーンズは、前回大会同様に後半に逆転して、素晴らしい連続優勝を勝ち取った。

 公式MOMは、SOルアヘイ・デマントだが、個人的には退場してしまったポーシャ・ウッドマンに代わる大活躍をしたステイシー・フルーラーにあげたい。彼女は、いつも笑顔でプレーしており、とても好感の持てる選手だ。FWでは、ラインアウトやモールで大健闘した5番LOチェルシー・ブレンナーを称えたい。もちろん、これが素晴らしい引退の花道となったSHケンドラ・コックセッジのリードも素晴らしかった。ブラックファーンズ、万歳!

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2.イングランド52-13日本


 Bチームとはいえオールブラックス相手に惜敗し、世界的に高く評価された日本代表のジェイミー・ジョセフ監督(そして、実質戦術を担っているアシスタントコーチのトニー・ブラウン)は、善戦したことの証明として、アルゼンチンに敗れ、手負い状態になっているイングランドに歴史的な勝利を得たい。また、そのチャンスがあると思う。

 アルゼンチンにまさかの敗戦を喫したイングランドのエディー・ジョーンズ監督は、日本戦に備えた準備よりも、喧しいイングランドのラグビーメディアや熱狂的ファンからの「声」への対応が、より疲弊するものになっている。そもそも、オーストラリア人であるジョーンズを、イングランド代表監督にすることに対しては、イングランド人は否定的なのだ。

 アルゼンチン戦の負けに対して、イングランドの2003年RWC優勝時監督のクライブ・ウッドワードは、「イトジェとファレルの起用するポジションが違う。選手と監督がコミュニケーションを取れておらず、セレクションが良くない。全体にスローテンポなプレーで、ウェールズに勝利したオールブラックスに代表されるような、現代ラグビーの速いテンポができていない。ジョーンズ監督は、マスコミなどを相手に対話するよりも、身内ともっと対話するようにすべきだ」と批判している。

 日本のジェイミー・ジョセフ監督は、オールブラックス戦から先発は一人だけの交代に止めた。11番WTBにゲラード・ファンデンヒーファーを入れ、シオサイタ・フィフィタを23番に下げた。リザーブでは、16番HO堀越康介、18番PR木津悠輔、19番LOヴィンピー・ファンデルヴァルト、20番FLピーター・ラブスカフニが、それぞれ入った。

 イングランドのエディー・ジョーンズ監督は、惜敗したアルゼンチン戦から部分的なローテーションをした他、ベストメンバーを揃えた。SHはベン・ヤングスが21番のリザーブンに下がり、ジャック・ファンプールトヴィレット(TVでは、ポールフィートと発音)が9番で先発する。WTBジョー・ゾカナシガの怪我により、11番WTBには怪我から復帰のジョニー・メイが入った(注:試合直前にゾカナシガが戻った)。13番CTBは軽度の怪我があったマヌー・ツイランギが23番に下がり、ガイ・ポーターが先発する。

 NO.8はサム・シモンズが先発し、ビリー・ヴニポラが20番に下がった。4番LOデイヴィット・リバンズは初キャップとなる。16番HOにジェイミー・ジョージが怪我から復帰した。ジョーンズ監督は、「日本は興味深い良いチームだ。ユニークなラグビーを、継続性と団結を基盤にプレーしている。我々は、土曜のトウィッケナムでベストを尽くさねばならない」と警戒している。

 試合直前に、イングランド14番WTBがジャック・ノウウェルからジョー・ゾカナシガに交代した。また、第一次及び第二次世界大戦の戦死者を追悼するリメンバーズデーのセレモニーが行われた。考えてみれば、第一次大戦では日本と英国は同盟国だった。そして、イングランド代表の左袖には、追悼を意味するポピーが付けられている。

 試合は、4分にイングランド12番CTBオウウェン・ファレルのPGで先行する。一方、日本の13番CTBディラン・ライリー、NO.8テヴィタ・タタフらが良いアタックを見せた他、ラインアウトからのモール・ディフェンスが良い。

 しかし、スクラムで反則を連続して取られた他、11分には、14番WTB松島幸太朗のノミネートミスもあって、イングランドFBフレディー・スチュアートにトライされ、10-0と引き離される。続く23分には、キックカウンターからSOマーカス・スミスがトライして、17-0。日本は31分にSO山沢拓也がPGを返し、その後のアタックで、イングランド11番WTBジョニー・メイが、日本のトライを防ごうとして自陣ゴール前のオフサイドでシンビンになる。

 この後のPKは、ゴール前のトライチャンスだったが、日本は固くPGを狙い、17-6とした。続く36分、日本はPKを得てゴール前のラインアウトを狙うが、山沢がキックミスをしてしまう。これで日本はゲームの流れを失い、39分にはターンオーバーからイングランドにつながれ、13番CTBガイ・ポーターにトライ(この日好調の12番CTBファレルのコンバージョン成功)で、前半を24(3T3C1P)-6(2P)で終える。

 後半は、日本が42分にPGチャンスを得るが、交代SO22番李承信が外してしまった後の47分、イングランドが攻め込んで1番PRエリス・ジェンジがトライ。続く49分には、イングランド13番CTBポーターが、インゴールへのゴロキックを押さえて二つ目のトライを挙げて、31-6と大きくリードする。

 後半、日本はスクラムを修正したものの、トライチャンスを得られない状況が続く。しかし58分、4番LOワーナー・ディアンズが、ゴール前のラックのこぼれ球を拾って突進、サポートした21番SH齊藤直人につないで、ようやくトライを返した。ところが69分に、イングランドはゴール前のモールを押し込み、日本の23番WTBシオサイア・フィフィタが故意の反則をしてシンビンになり、イングランドはペナルティートライを得て、45-13とさらに大きく引き離した。イングランドは73分にも、22番CTBヘンリー・スレードのゴール前へのゴロキックをつないで、SOスミスがトライ。ファレルのコンバージョン決まって、52(7T7C1P)-13(1T1C2P)と大量得点を挙げて、日本に圧勝した。

 公式MOMは、イングランドのFBフレディー・スチュアートだが、ゲームを見た感じでは、セットプレーとディフェンスで日本を圧倒したFW8人だと思う。

 このゲームは、来年のRWCでの対戦を踏まえて、両チームともサインプレーなどを使わずに、練習試合のようなプレーをしていたように思う。中には、ジョーンズ監督が日本のプレーに対する対応として、ハイボールとラッシュアップディフェンスを使ったのが勝因と言う人もいるが、それは違うと思う。イングランドは、ハイボールとディフェンスに特化したプレーで、特別なことはしなかっただけだ。また日本も、トライを狙えるところをPGにするなどして、サインプレーなどを使わずに、ジョーンズ監督でなくともわかるような単純なプレーに終始していた。

 こうしたプレーをするだけなら、実力に優るイングランドが圧勝するのは当然で、ジェイミー・ジョセフ監督もさばさばしたインタビューの受け答えだった。つまり、日本は、この試合を千載一遇のチャンスとして本気で勝ちに行っていない。勝ちに行くのは来年のRWCということだ。イングランドも、対日本というだけでなく、RWCで対戦するチームから分析されることを想定して、シンプルにプレーして勝っただけだ。だから、連敗を止めた以外に喜ぶべきポイントはなかったと思う。

 そういうわけで、この試合については、勝った負けた以外、あまり参考にならないし、ゲームとしても楽しいものではなかったように思う。


3.ウェールズ20-13アルゼンチン


 アルゼンチンのオーストラリア人監督のマイケル・チェイカは、前週のイングランド戦勝利によって、コーチとしての評価をかなり高めることとなった。続くこのウェールズ戦でも勝利を得れば、世界の名コーチとして認識されることだろう。また、現在のアルゼンチンは、北半球勢に十分勝てるだけの人材と経験値を備えている。

 試合の先発15人は、前週のイングランドを撃破したものから交代はない。リザーブでは、21番SHに入ったエリセオ・モラレスが、初キャップとなる。しかし、イングランド戦で胸を怪我したHOフリアン・モントーヤの回復が間に合わず、先発をベテランのアガスティン・クレビイに譲り、キャプテンもNO.8パブロ・マテーラが代行する。なお、16番のリザーブに変更はない。

 前週にオールブラックスに粉砕されてしまったウェールズのNZ人監督ウェイン・ピヴァクは、このアルゼンチン戦はマストウィンの戦いとなる。ここで負ければ、チェイカに名を成さしめるだけでなく、自身の評価にも影響するだろう。そして、唯一の世界レベルのSOであるダン・ビガーは、今週もプレーできない危機的状況となっている。

 先発メンバーでは、リー・ハーフペニーが怪我で離脱したため、本来WTBのルイス・リーザミットをFBに抜擢した。その結果14番WTBにアレックス・カスバートを入れた。3番PRにウィル・ローランドが入り、6番FLはトミー・ラフェリの怪我でダン・リディエイトが先発する。リザーブでは、17番PRロードリ・ジョーンズ、18番PRサム・ウェインライトが入り、19番LOは、現在最多キャップ保持者であるアルンウィン・ジョーンズが外れ、ベン・カーターが入っている。年齢からもジョーンズの引退が心配されるが、現時点では未定のようだ。

 試合は、前週にイングランドに辛勝したアルゼンチンが、やはりラテン気質というか、継続して力を発揮できずに終わった。前半は、アルゼンチンが、11番WTBエミリアーノ・ボッフェリのPGで、0-6と先にリードするが、32分にウェールズNO.8タウルペ・ファレタウがトライ、37分にもSOガレス・アンスコムがPGを加えて、ウェールズ10(1T1C1P)-6(2P)アルゼンチンと、ウェールズが4点リードして終わる。

 後半は、ウェールズがゲームを支配し、47分にSHトモス・ウィリアムスがトライ、63分には、22番SOリーズ・プリーストランドがPGを加えて、20-6と14点差に引き離す。アルゼンチンも、69分に17番PRナフエルテタズ・シャパーロがトライして、7点差にまで迫ったが、結局ウェールズ20(2T2C2P)―13(1T1C2P)アルゼンチンと、ウェールズが厳しいゲームに勝利した。


4.フランス30-26南アフリカ


 南アフリカ監督ジャック・ニーナバーは、前週のアイルランド戦に惜敗したことを踏まえ、このフランス戦では、益々FWのフィジカル勝負に徹したプレーを中心に据えてくるだろう。そして、それこそ南アフリカラグビーの伝統であり精髄でもある。南アフリカは、オールブラックスのようなラグビーをしてはいけないのだ。

 南アフリカは、いつものように火曜日に試合の23人を発表した。アイルランド戦でFBを務めたチェスリン・コルベを従来の14番WTBにし、14番だったカートリー・アレンゼが11番に移動した。FBにはベテランのウィリー・ルルーが入り、23番にはマカゾレ・マピンピが入った。また、SHジェイデン・ヘンドリクスがメンバー外となり、先発はファフ・デクラーク、21番リザーブにはコブス・ライナッハが入っている。22番BKマニー・リボックは、この試合がテストマッチのデビューとなる。

 FWは、LOルード・デヤーガーが怪我で欠場し、リザーブからフランコ・モスタートが5番LOに上がった。代わりのリザーブ19番にはマーヴィン・オリーが入った。1番PRはオックス・ノッチェが先発し、スティーヴン・キッショフは17番のリザーブに下がり、2番HOもボンギ・ムボナンビが先発、マルコム・マルクスが16番のリザーブに下がった。

 オーストラリアに最後のトライで辛勝したフランスのファビアン・ガルティエ監督は、それでも余裕があるように見える。ガルティエとしては、今秋のゲームはあくまでも来年のRWCに向けての準備と割り切っている感はある。そして、1点差でもオーストラリアに勝利したことは、大きな成果と言える。

 今週は、オーストラリアよりもフィジカルに強い南アフリカが相手となる。フランスは、「シャンパンラグビー」と一部の日本人が称しているようなBK主体のチームであるよりも、イングランドのようなFW主体のチームが伝統になっている。そのため、同じタイプの南アフリカとは、スキルよりもフィジカルの力比べが中心になるだろう。

 フランスの先発15人は、前週のオーストラリアに辛勝したゲームから変更はない。リザーブの23番BKに、正確なゴールキッカーのマシュウ・ジャリベールが戻っている。

 この試合に先立ち、10日にアイルランドのマンスター対南アフリカAのゲームが行われ、マンスターが28-14で勝利した。両チームとも数人の元・現代表クラスの選手が入っており、前週にアイルランドに南アフリカが惜敗したゲームから、南アフリカとしては名誉挽回の機会だったが、マンスターに名を成さしめた。Bチームを含めて、アイルランドが充実している一方、南アフリカはスコッドの厚みがないことを証明する結果となった。

 試合前、南アフリカNO.8ジャスパー・ウィーゼがメンバーから外れ、20番クワッガ・スミスがNO.8に上がり、20番にはディオンアンドレ・フーリーが入った。

 ヘビー級同士のチームらしく、試合は激しいものとなり、勝ったフランスは、48分にSHアントワーヌ・デュポンが、キックキャッチの相手選手に空中タックルして、レッドカード(退場)、負けた南アフリカは、12分に7番FLピータースティフ・デュトイが、ラックで相手選手の排除に危険なプレーをして、レッドカード。さらに70分には、20番FLディオンアンドレ・フーリーが、モールをつぶす反則の繰り返しでシンビンとなった。まさに乱戦を象徴する重い反則の多さだった。

 フランスの中心選手であるデュポンは、このレッドカードのため来週の日本戦ではプレーできないこととなった。また、ピータースティフ・デュトイも、来週のイングランド戦は欠場となる。

 ゲームは、フランスがFBトマス・ラモスのPGで先行し、21分には1番RPシリル・バイユがトライして、13-0とする。南アフリカも、この試合もゴールキッカーを務めた14番WTBチェスリン・コルベのPGと、6番FLシヤ・コリシのトライで追いすがるが、41分にラモスにPGを加えられて、前半を、フランス16(1T1C3P)-南アフリカ10(1T1C1P)で終える。

 後半は、コルベとラモスがPGを応酬した後、フランスSHデュポンにレッドカードが出て、14人対14人に戻した南アフリカが、51分に11番WTBカートリー・アレンゼのトライとSHファフ・デクラークのコンバージョン成功で、19-20と逆転する。その後は、デクラークとラモスがPGを応酬し、64分に南アフリカSOダミアン・ウィルムゼがPGを入れて、南アフリカが22-26と4点差にして、勝利に近づいた。

 しかし、70分の20番FLフーリーのシンビンで再び数的不利となってしまい、74分のフランス18番PRシプリ・ファラテアのトライと、79分のラモスのPGで、フランスが30(2T1C6P)-26(2T2C4P)南アフリカと再逆転して、激戦に勝利した。これでフランスは12連勝となったが、辛勝の連続であることに留意する必要があると思う。また、この試合の両チームのトライ数は同数なので、FBラモスが6PGを決めたことが勝因となった。


5.イタリア28-27オーストラリア


 衛星放送で中継があったので、視聴した。ワラビーズのデイヴ・レニー監督は、決して軽視しているわけではないと言いながら、初キャップとなるWTBマーク・ナワカニタワゼを11番で先発させ、またリザーブながら、22番SOベン・ドナルドソンも初キャップとなる。両名とも、オーストラリアAメンバーとして日本と対戦している。キャプテンのPRジェイムズ・スリッパ―が外れたため、3番PRアラン・アラアラトアが85人目のキャプテンに指名された。

 イタリア監督のキアラン・クラウリー(元オールブラックスFB)は、前週サモアに49-17と圧勝しており、イタリアはシックスネーションズ最下位チームとは言えない、決して侮れない実力を備えてきている。サモア戦のスコアの比較からすれば、オーストラリアAより確実に強いと見られる。

 結果は、今週一番のアップセットとなった。前半、お互いにPGを入れ合った後、15分にオーストラリアSHジェイク・ゴードンが、ノーバインドタックルしてシンビンとなったのが勝敗に大きく影響した。その後の数的有利な時間帯にイタリアが連続トライし、オーストラリアもトライを返すが、前半を、イタリア17(2T2C1P)-8(1T1P)オーストラリアと、大きくイタリアがリードして折り返す。

 後半は、オーストラリアの反撃が予想されたが、イタリアの良いアタックが継続し、ブレイクダウンでも対抗した。オーストラリアは、5番LOウィル・スケルトン以外は、アタックで有効なプレーができずに停滞が続く。

 しかし、43分にオーストラリアがトライを返して、17-15と2点差に迫るが、その後イタリアにPGとトライで25-15と再び引き離され、67分にオーストラリアがトライを返して、25-22と3点差に迫ったが、またもイタリアに74分にPGを決められて、28-22と6点差にされ、イタリアの初勝利が近づいた。

 必至に攻めるオーストラリアは、80分にどうにかトライを返して、28(3T2C3P)-27(4T2C1P)の1点差とする。最後のコンバージョンが決まれば28-29と逆転できたが、22番SOベン・ドナルドソンが初キャップの緊張感からコンバージョンを外してしまい、イタリアが19戦目にして、初めてオーストラリアに勝利した。

 公式MOMはイタリアのHOジァンマルコ・ルケッシになっているが、個人的には良い走りをしていたFBアンジェ・カプノッツォだと思う。

 オーストラリアのデイヴ・レニー監督は、イタリア戦の敗戦に際して、Bチームを当てたことを強く批判されている。オーストラリアを含め、相手がたとえティア2チームであっても、軽くBチームで勝てるような実力差ではなくなったようだ。


6.スコットランド23-31オールブラックス


 オールブラックスのイアン・フォスター監督は、不調だったチームが、ジョー・シュミットのコーチングを加味することによって持ち直したことを実感しているだろう。そして、今のチームはフォスターのチームではなく、シュミットのチームになってきている。また、ウェールズ戦の圧勝を踏まえて、来週のイングランド戦に備えたローテーションをしてきた。

 SHブラッド・ウェバーをオールブラックスXVに戻す一方、TJ・ペレナラをオールブラックスに戻し、アーロン・スミス、フィンレイ・クリスティーと3人で、先発の座を競わせる。WTBレスター・ファインガアヌクは、家庭の事情でスコッド入りが遅れたため、オールブラックスには加えず、オールブラックスXVで試合経験をつませる。

 CTBのロジャー・ツイヴァサシェックとブライドン・エンノーの二人は、アイルランドA戦の活躍により、オールブラックスのスコッドに戻した。ツイヴァサシェックは、12番の座を、ジョルディ・バレット、デイヴィット・ハヴィリ、アントン・リエナートブラウンらと争うことになり、エンノーは、13番の座をリエコ・イオアネ、リエナートブラウンと争うことになる。

 試合の23人は、前週のウェールズ戦から8人と大幅に交代させた。いわゆるBチーム構成ともいえるが、今年初めまでのメンバー構成でもあり、RWCに向けて各選手に経験値を積ませる目的と思われる。

 SHをスコットランド出身のフィンレイ・クリスティーが先発し、21番のリザーブにはオールブラックスXVからTJ・ペレナラを招集した。SOは、ボーデン・バレットの先発、22番のリザーブにはスティーヴン・ペロフェタを入れた。12番CTBはデイヴィット・ハヴィリ、13番CTBはアントン・リエナートブラウンが先発し、ロジャー・ツイヴァサシェックとブライドン・エンノーはメンバー外となった一方、ジョルディ・バレットがFBに戻った。リエコ・イオアネは、23番のリザーブとしてCTB及びWTBの両方を兼ねる。14番WTBマーク・テレアは、これがオールブラックスのデビューとなるが、「次」があるのかは不明だ。

 スコットランドのグレガー・タウンゼント監督は、前週のフィジー戦は勝利したことだけが成果となった。また、SOアダム・ヘイスティングスを脳震盪で失ったことの影響は大きい。SOを再びブレアー・キングホーンに任せることになるが、オールブラックス相手では荷が重いだろう。そのため、タウンゼント監督との確執によりスコッドから外されていたフィン・ラッセルを、再びスコッドに招集した。

 そのラッセルを、試合の23人に入れるとともに、SOで先発させ、ブレア―・キングホーンが22番のリザーブになった。また、ジョージ・ターナーの怪我により、2番HOはフレイザー・ブラウン、16番はイーワン・アシュトンとなっている。リザーブ18番PRの南アフリカ人WP・ネルは、これが50キャップ目となる。

 11月11日は、リメンバーデー(追憶の日)と称して、第一次大戦及び第二次大戦の戦死者を弔うセレモニーが行われ、毎年この時期のオールブラックスのゲームは、追悼の意味を込めてプレーされる。伝説のオールブラックスであるデイヴ・ギャラハーが、第一次大戦で戦死したことを筆頭に、オールブラックスから戦死者が出ていることもその背景にある。そして、オールブラックスのメンバーは、追悼行事の一環を経て、さらにオールブラックスの伝統を深く継承していく。

 スコットランドは左袖に、オールブラックスは右袖に、それぞれリメンバーズデーのポピーをつけている。そして、ホームのスコットランドは、薄紫のセカンドジャージーを着ている。これが逆の立場だと、オールブラックスがセカンドジャージー(たぶん白)を着る。

試合経過。

3分、オールブラックスが、右ゴール前5mラインアウトからモール。そして右中間ゴール前ラックから左を攻めて、HOサミソニ・タウケイアホがパワーで押し切って右中間にトライ。FBジョルディ・バレットのコンバージョン成功で、0-7。

7分、オールブラックスが、左サイドのSOボーデン・バレットのキックからつないだ、左中間15mラックから、FBジョルディ・バレットが右へキックパス。これを取った14番WTBマーク・テレアが、初キャップのゲームで右スミに初トライ。ジョルディ・バレットのコンバージョン成功で、0-14。

12分、スコットランドが、オールブラックス陣の中央インゴールへボールを蹴りこみ、これをタッチダウンしようとしたFBスチュアート・ホッグに対して、オールブラックス13番CTBアントン・リエナートブラウンがノーボールタックルして、シンビン。また、スコットランドにはペナルティートライが与えられる。7-14。

14分、スコットランドが、左中間50m付近でオールブラックス12番CTBデイヴィット・ハヴィリからSOボーデン・バレットへのパスを、14番WTBダーシー・グラハムがインターセプトして走り切り、右中間にトライ。SOフィン・ラッセルのコンバージョン成功で、14-14。

28分、スコットランドの14番WTBグラハムが、インゴール右スミにダイブするが、TMOでタッチに出ているのが確認されて、ノートライ。

31分、スコットランドSOラッセルがPG、17-14。

前半、スコットランド17(2T2C1P)-オールブラックス14(2T2C)。

オールブラックスは、シンビンから流れを失う。また、スコットランドFBホッグが良いキックを継続している他、FWがスクラムで優勢に立ち、またブレイクダウンでもオールブラックスに勝っている。このまま対オールブラックス戦初勝利に向かうのか?

43分、ラッセルがPG、20-14。

54分、ラッセルがPG、23-14。9点差を付けられて、オールブラックスがどうやって反撃するか。時間との戦いとなる。

63分、ジョルディ・バレットがPG、23-17。トライ&コンバージョンの7点で逆転可能な6点差に戻す。

66分、スコットランド20番FLジャック・デンプシーが、自陣中央ゴール前でオールブラックス20番FLシャノン・フリッゼルのパスを、故意にパスカット&ノッコン。ペナルティートライにはならなかったが、TMOの結果シンビン。オールブラックスには大きなアドバンテージが出来た。

67分、オールブラックスが、右中間ゴール前ラックを重ねて、最後に5番LOスコット・バレットがパスダミーを交えて、右中間にトライ。ジョルディ・バレットのコンバージョン成功で、23-24とついに逆転。

76分、オールブラックスが、右中間10mラックから右展開。23番CTBリエコ・イオアネのオフロードパスをもらった14番WTBテレアが、右スミにこの日二つ目のトライ。ジョルディ・バレットのコンバージョン成功で、23-31。

80分、オールブラックスは、スコットランド陣左中間30mでPKを得るが、PGを狙わすにタッチに蹴りだして、ノーサイド。普通ならトライを狙いに行くのだが、苦しいゲームだった証拠かも知れない。

後半、スコットランド6(2P)-オールブラックス17(2T2C1P)。
合計、スコットランド23(2T2C3P)-オールブラックス31(4T4C1P)。

 ゲームは、前半及び後半ともにお互いのシンビンを契機として動き出したが、オールブラックスとしては、キックオフ早々に簡単に2トライを取れたことから、やや油断があったと思われる。また、スコットランドの予想されたラッシュアップディフェンスに対しては、適度にキックを混ぜて対応したが、やはり12番CTBハヴィリではゲインライン突破が難しく、ジョルディ・バレットが適任であることを確認できたと思う。

 SHは、日本戦で不振だったフィンレイ・クリスティーが、この試合で信頼を取り戻すことができなかった一方、オールブラックスXVから復帰したTJ・ペレナラが、後半の逆転劇に大きく寄与してベテランの味を発揮した。次のイングランド戦は、アーロン・スミス先発、ペレナラのリザーブになるかも知れない。

 初キャップのWTBテレアは2トライと気を吐いたが、セヴ・リースを越えるまでは難しいかも知れない。また、リザーブから入ったCTBリエコ・イオアネは良いプレーをしているので、13番CTBもリエナートブラウンからリエコに移りそうだ。また、ブレイクダウンで苦労したが、これを同じことをエディー・ジョーンズのイングランドもやってくるので、FLダルトン・パパリイ及びNO.8アーディ・サヴェアを中心に上手く対応したい。

 スコットランドは、千載一遇のチャンスを逃したが、オールブラックス相手に十分戦ったと言える。ただし、オールブラックスがBチームであったことは、日本同様に留意する必要がある。また、ティア1レベルのチームに対しては、オールブラックスといえどもAチームで対戦しない限りは、常に負ける危険性があるくらい世界の実力差は縮まったようだ。

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7.バーバリアンズ35-31オールブラックスXV


 スコッド及びメンバー交代が激しいオールブラックスXVが、クルセイダーズ監督であるスコット・ロバートソンが指揮するバーバリアンズと対戦する。そもそも華試合なので、勝敗はあまり関係ないが、双方ともに良い試合をしたい。選手自身もそうだが、ロバートソン及びオールブラックスXVのレオン・マクドナルド双方とも、ここで良いコーチングを示すことによって、次期またはその次のオールブラックス監督の座がターゲットに入ってくる。

 バーバリアンズとのゲームは、2011年以来キリックカップとして、毎年勝者にカップが授与される。現在はバーバリアンズが保持しているが、対戦相手が保持するケースも多いので、オールブラックスXVとしては大きなチャンスだろう。そのメンバーを紹介する。

アイダン・ロス、ブロディー・マカリスター、タマイティ・ウィリアムズ、ジョシュ・ディクソン、パトリック・ツイプロツ(キャプテン)、ドミニク・ガーディナー、トム・クリスティー、ルーク・ジェイコブソン、ブラッド・ウェバー、ダミアン・マッケンジー、レスター・ファインガアヌク、アレックス・ナンキヴェル、レヴィ・アウムア、ブライス・ヒーム、ショーン・スティーヴンソン、(リザーブ)アンドリュウ・マカリオ、フィンレイ・ブリュイズ、ポーリ・ラカテストーンズ、ザック・ギャラハー、クリスチャン・リオウィリー、コルテツ・ラティマ、ジョシュ・イオアネ、バイリン・サリヴァン

 9-10番のHBはチーフスのコンビとなる。またSHのウェバーはペレナラと交代して、オールブラックスから移動している。11番WTBファインガアヌクは、遅れて参加したこともあり、オールブラックスに昇格したマーク・テレアと入れ替る形となった。

 バーバリアンズのメンバーは、以下のとおり。( )内は国籍と思われる国名。

ジョー・マーラー(イングランド)、カミーユ・シャト(フランス)、ジョン・ライアン(アイルランド)、レミ・ピクエット(フランス)、レキナ・タギタギヴァル(フィジー)、ウェンセラス・ローレ(フランス)、ルーク・ホワイトロック(NZ、キャプテン)、ザック・マーラー(イングランド)、ウェラ・カーバロー(NZ)、アントワーヌ・アストイ(フランス)、ジョージ・ブリッジ(NZ)、チャーリー・ナタイ(NZ)、ジョー・マーチャント(イングランド)、テディ・トマ(フランス)、ディリン・レイズ(南アフリカ)、(リザーブ)ファクンド・ボッシュ(アルゼンチン)、セダテ・ゴメスサ(アルゼンチン)、ジョルジュ・アンリコロンブ(フランス)、ロメイン・サジ(フランス)、アーロン・ウェインライト(ウェールズ)、リーズ・ウェッブ(ウェールズ)、イハイア・ウェスト(NZ)、レイモンド・ルール(南アフリカ)

 オールブラックスXVのハカに対して、バーバリアンズのNZ選手(元・現オールブラックス、元マオリオールブラックスを含む)が、ハカで応えている。また、オールブラックスXVは右袖に、バーバリアンズは胸に、それぞれリメンバーズデーのポピーをつけている。

https://youtu.be/qLEQWwpTTwQ?t=66

 前半は、バーバリアンズのゲームらしく、双方が3トライずつを交換したが、オールブラックスXVのSOダミアン・マッケンジーが、コンバージョンを二つ外して、バーバリアンズ21(3T3C)-オールブラックスXV17(3T1C)となった。

 また、こうした華試合では珍しく、オールブラックスXVの7番FLトム・クリスティーが、自陣ゴール前のラックのプレーでシンビンになっている。

 後半も、両チームがトライを交換しあい、バーバリアンズ14(2T2C)-オールブラックスXV14(2T2C)と互角だったが、70分にオールブラックスXVのショーン・スティーヴンソンが、バーバリアンズがキックした後のチェイスを邪魔するプレーをして、シンビンになっている。スティーヴンソンは、45分に見事な個人技からのトライを挙げているだけに、惜しまれかつ不要な反則だった。

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8.2023年RWC敗者復活戦第二週


(1)ポルトガル85(13T10C)-0ケニヤ

 前週に香港に勝利したポルトガルが有利。BK展開でトライを重ねる。

 ケニヤの選手がシンビン2枚でレッドカードになった他、ポルトガルがペナルティートライを取るなどして圧勝。アメリカとともに10ポイントで首位にいる。

(2)アメリカ49(7T7C)-7(1T1C)香港

 前週にケニヤを圧倒したアメリカが、香港も圧倒して大きく前進する。

 こちらも、香港を圧倒して、10ポイントで首位に立った。それ以外は、特筆事項なし。


9.花園東京都予選決勝(おまけ)


(1)第一地区 國學院久我山対成城学園

 やはり久我山が強そうだ。成城も決勝戦までよく勝ち進んだが、ここまでか。

 試合は、久我山が先制トライを挙げたが、その後成城に返されて、前半を久我山7(1T1C)-5(1T)成城で終える。しかし、後半は久我山が主導権を握り、モールからのトライを連発して、久我山29(5T2C)-5(1T)成城で完勝した。

(2)第二地区 東京対目黒学院

 ここも目黒が強そうだ。愚息がOBである東京を応援しているが、アップセットは起きるか?

 前半は、目黒がトライを先制すれば、東京もすぐにトライを返す、しかし、東京はコンバージョンが決まらず、東京5(1T)-7(1T1C)目黒で終える。

 後半は、目黒が再び先制して、12-5とリードを拡げたが、後半16分に東京がトライを返し、10-12と2点差に迫る。その後、東京と目黒が攻め合い、お互いに取り切れないうちに、後半29分、東京がPKを得て、ゴール前のラインアウトからのモールで逆転トライを狙うべく、キッカーのFBが蹴るが、これがインゴールを割ってしまい、千載一遇のチャンスをつぶしてしまう。その後も東京にはアタックのチャンスが訪れたが、ミスが出て目黒にボールを奪われ、ノーサイドとなった。

 東京の二年生FBには悔いの残る決勝となったが、これを糧に来年は大きく成長した姿を見せて欲しい。勝った目黒には、トンガ人選手2人を中心にしたアタックに加えて、全員で良いディフェンスをしているので、かつてのように花園で活躍することを期待したい。

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