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<ラグビー>アメリカ対オールブラックス、日本対ワラビーズ、プレビュー


アメリカン・イーグルス対オールブラックス

日時:2021年10月23日(土)15:30キックオフ
場所:フェデックス・フィールド、ワシントンDC、アメリカ
レフェリー:アンガス・ガードナー(オーストラリア)
アシスタントレフェリー1: モー・チャンドリー(カナダ)
アシスタントレフェリー2:スコット・グリーン(アメリカ)
TMO:ブレット・クローナン(オーストラリア)

オールブラックス:( )内はキャップ数
イーサン・デグルート(2)、アサフォ・アウムア(4)、アンガス・タアアヴォ(19)、サムエル・ホワイトロック(127、キャプテン代行)、ツポウ・ヴァアイ(7),ルーク・ジェイコブソン(10)、ダルトン・パパリイ(9)、ホスキンス・ソツツ(8)、フィンレイ・クリスティー(3)、リッチー・モウンガ(27)、ジョージ・ブリッジ(16),クイン・ツパエア(4)、ブライドン・エンノー(2)、ウィル・ジョーダン(9)、ダミアン・マッケンジー(37)
(リザーブ)
ダン・コールズ(3)、ジョージ・ボウワー(8)、タイレル・ローマックス(10)、ジョシュ・ロード(初)、サム・ケーン(74)、TJ・ペレナラ(75)、ボーデン・バレット(98)、アントン・リエナートブラウン(53)

アメリカン・イーグルス:
マット・ハーモン、ディラン・ファウシット、ポール・ミューラン、ネイト・ブレイケリイ、ニック・シヴェッタ、ベンジャミン・ボナッソ、ハンコ・ジャーミシュイス、カム・ドラン、ネイト・アウガスパーガー、ルーク・カーティ、ライアン・メイティアス、ブライス・キャンベル(キャプテン)、タヴィテ・ロペティ、ライアン・ジェイムズ、ウィル・フーレイ
(リザーブ)
チャド・ゴッホ、ファタオシ・ピエフェレティ、ディノ・ウォルドレン、シアオシ・マホニ、モニ・トンガウイハ、アンドリュウ・グエッラ、マイケル・バスカ、マイク・デイブラス

プレビュー:
オールブラックスのイアン・フォスター監督は,LOのパトリック・ツイプロツとスコット・バレットの2人が、それぞれの事情で遠征スコッドから外れたため、20歳のジョシュ・ロードを追加招集したが、そのロードがこのアメリカ戦のリザーブ19番LOに入った。将来性が大きい若者の活躍を期待したい。また、家庭の事情で欠場していたLOサムエル・ホワイトロックが4番に入り、5番LOにはツポウ・ヴァアイが先発する。ホワイトロックは、20番のリザーブに入ったFLのサム・ケーンに代わってキャプテンとなる。

HOダン・コールズも、この試合から復帰し、16番に入っている。1番PRイーサン・デグルートは初先発、2番HOアサフォ・アウムアは、2試合目の先発となる。7番FLダルトン・パパリイも怪我からの復帰だ。

BKでは、9番SHフィンレイ・クリスティーと13番CTBブライドン・エンノーが初先発し、12番CTBにはクイン・ツパエアが入る。リザーブには、21番SHのTJ・ペレナラ、22番SOボーデン・バレット、23番CTBアントン・リエナートブラウンとベテランを揃えた。

フォスター監督は、相手がティア2国かつ2023年RWC出場予選で弱小とみられているウルグアイに負けたアメリカということもあり、決して軽視しているわけではないが、次のウェールズ戦に備えて、11人のメンバーを既に英国に向けて出発させている。

そのメンバーは、LOブロディー・レタリック、WTB/CTBリエコ・イオアネ、CTBデイヴィット・ハヴィリ、PRネポ・ラウララ、HOコーディ・テイラー、PRジョー・ムーディ、FLシャノン・フリッゼル、FLイーサン・ブラカッダー、PRオファ・トゥンガファシ、FLアキラ・イオアネ、FBジョルディ・バレット。長期欠場明けとなるフリッゼルを除いて、これらのメンバーがウェールズ戦にメンバー入りする可能性が高くなった。

また、23人のメンバーに何かあった際の控えとして、FLアーディ・サヴェア、HOサミソニ・タウケイアホ、PRカール・ツイヌクアフェ、SHブラッド・ウェバー、WTBセヴ・リースが、それぞれアメリカに残っている。

フォスター監督は、この試合を通じて、ザ・ラグビーチャンピオンシップを終えて、一旦ギアをダウンしたチームを、再び疾走させたいと述べている。

アメリカン・イーグルス監督のギャリー・ゴールド(元神戸製鋼監督、南アフリカ人)は、2023年RWC予選のウルグアイ戦で、まさかの敗退を喫したメンバーを大幅に入れ替えている。

FW1列は全員交代したが、LOは同じメンバーとなり、3列は、57キャップのベテランであるカム・ドランがNO.8に残った以外は入れ替えた。BKでは、キャプテンのCTBブライス・キャンベルが12番から13番に移動し、13番だったタヴィテ・ロペティが12番に移動している他は、全交代している。リザーブも大半がウルグアイ戦に出ていなかったメンバーとなっている。また、FW6人+BK2人の構成となっている。

この試合は、アメリカで初めてラグビーがプレーされた1874年を記念して「1874年カップ」と命名された。また、会場は、NFLのワシントン・フットボールチーム(旧レッドスキンズ。名称が差別的として使用禁止になり、現在は暫定の名称。来年に正式名称に変更する予定)で、5万人が入る大きなスタジアムとなっている。

勝敗については、オールブラックスがBチーム構成であっても、実力差が非常に大きいので、勝敗を云々する対象ではなく、オールブラックスとしては経験値の浅い選手や怪我から復帰した選手の調子を確認するゲームになる。

また、アメリカン・イーグルスとしても、RWC予選に負けたものの、敗者復活戦を勝ち抜くための踏み台とする一方、正式に招聘立候補を決めた次期RWC開催地となるべく、アメリカでのラグビー人気拡大という使命を担っている。


日本対オーストラリア・ワラビーズ

日時:2021年10月23日(土)13:45キックオフ
場所:昭和電工ドーム大分、大分県、日本
レフェリー:ポール・ウィリアムス(NZ)
アシスタントレフェリー1:滑川剛人(日本)
アシスタントレフェリー2:久保修平(日本)
TMO:ブレンドン・ピッケリル(NZ)

オーストラリア・ワラビーズ:( )内はキャップ数。
ジェイムズ・スリッパー(110)、フォラウ・ファインガア(21)、タニエラ・ツポウ(35)、アイザック・ロッダ(30)、マット・フィリップス(19)、ロブ・レオタ(2)、マイケル・フーパー(115,キャプテン)、ロブ・ヴァレティニ(14)、ニック・ホワイト(43)、クエード・クーパー(74)、アンドリュウ・ケラウェイ(9)、ハンター・パイサミ(11)、レン・イキタウ(9)、トム・ライト(6)、リース・ホッジ(53)
(リザーブ)
コンナル・マキナーナーニー(初)、アンガス・ベル(12)、アラン・アラアラトア(50)、ダーシー・スワイン(9)、ピート・サム(15)、テイト・マクダーモット(11)、ジェイムズ・オコナー(57)、ジョーダン・ペタイア(14)

日本:( )内はキャップ数。
稲垣啓太(36)、坂手淳史(23)、具智元(15)、ジャック・コーネルセン(2)、ジェイムズ・ムーア(10)、ベン・ガンター(初)、ピーター・ラブスカフニ(10,キャプテン)、姫野和樹(18)、流大(24)、松田力也(25)、シオサイア・フィフィタ(2)、中村亮土(26)、ティモシー・ラファエレ(25)、ロマノラヴァ・レメキ(15)、セミシ・マシレワ(1)
(リザーブ)
庭井祐輔(8)、クレイグ・ミラー(2)、アサエリ愛・ヴァル(16)、徳永祥尭(12)、テビタ・タタフ(5)、齋藤直人(2)、田村優(65)、ディラン・ライリー(初)

プレビュー:
ワラビーズのデイブ・レニー監督は、日本相手に本気の一本目メンバーを用意してきた。足首の怪我で欠場するCTBサム・ケレヴィに代えて、12番CTBには、子供の出産で欠場していたハンター・パイサミを入れた。また、5番LOにマット・フィリップ、6番FLにロブ・レオタ、14番WTBにトム・ライトが、それぞれ復帰した。リザーブの16番HOコンナル・マキナーニーは、これがワラビーズのデビューとなる。また、18番PRアラン・アラアラトアは、子供の出産による欠場から戻っている。

レニー監督は、「(日本代表)ブレイブブロッサムには、非常に警戒している。彼らは今や世界で最も強いチームになっている」と用心している。

日本代表のジェイミー・ジョセフ監督は、6番FLベン・ガンター、23番BKディラン・ライリーの、初キャップとなるオーストラリア人を入れてきた。2023年RWCに向けて、経験値を積ませる目的と思われる。

また、SOの先発には松田力也を入れ、常連の田村優を22番のリザーブにしている。さらに、キャプテンだったマイケル・リーチが19番のリザーブに下がったが、前日に怪我が発生してメンバー外となり、代わりに徳永祥尭が入った。また、新キャプテンのピーター・ラブスカフニが7番FLで先発する。これらの起用も、2023年RWCを見据えての世代交代と思われる。

一時は不調だったワラビーズは、クエード・クーパーのSO復帰とともに、大きく持ち直し、南アフリカ・スプリングボクスに連勝するなど、調子を上げている。一方の日本代表は、2019年RWCでベスト8入りした勢いが落ちることも心配されたが、負けたとはいえ、春のヨーロッパ遠征では、ブリティッシュアンドアイリッシュ・ライオンズ等を相手に惜敗するなど、安定した実力を得ていると世界から高く評価されている。

最近の調子ということから言えば、既に多くの試合をこなしているワラビーズにアドバンテージがあるものの、日本代表も大きく期待されるメンバーを入れており、2023年RWCに向けて、順調に世代交代を進めているように思えるので、この試合でも良い内容の楽しいラグビーを期待したい。

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