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<ラグビー>ザ・ラグビーチャンピオンシップ(オールブラックス対アルゼンチン,スプリングボクス対ワラビーズ)結果

オールブラックス39-0アルゼンチン

オールブラックス13番CTBアントン・リエナートブラウンがハムストリングスを痛めたため,23番リエコ・イオアネが13番に入り,23番にはクイン・ツパエア(キャップ数1)が入った。もしリエナートブラウンの怪我が長期化した場合,オールブラックスのCTBとしては,他にブライドン・エンノーがいるものの,怪我からの回復途次でもあるため,10月2日の最終戦を目標にリッチー・モウンガが戻るまでの間は,ダミアン・マッケンジー,ジョルディ・バレットの2人がCTBを担う可能性も出てきた。

10分,オールブラックス13番CTBリエコ・イオアネが,アルゼンチン14番WTBバウティスタ・デルガイがノッコンしてインゴールに入ったボールを押さえ,TMOの結果トライ。10番SOボーデン・バレットのコンバージョン成功で,7-0。
14分,オールブラックス15番FBジョルディ・バレットがインゴールに入り,TMOの結果,ボールがデッドラインを割っており,ノートライ。
24分,アルゼンチン10番SOニコラス・サンチェスが約50mのPG失敗。
34分,ボーデン・バレットがPG,10-0。
36分,オールブラックスFBジョルディ・バレットが,SOボーデン・バレットのインゴールへのキックを好キャッチするが,デットラインを割っており,ノートライ。
37分,オールブラックス14番WTBセヴ・リースが,右中間ゴール前ラックからアングルランでディフェンス5人の下に潜り込んでトライ。ボーデン・バレットのコンバージョン失敗で,15-0。ボーデンのゴールキックは未だ不調の印象。後半にダミアン・マッケンジーまたはジョルディ・バレットとゴールキッカーを交代する可能性あり?
43分,アルゼンチン6番FLパブロ・マテーラが,チームの反則の繰り返しでシンビン。
43分,オールブラックス7番FLダルトン・パパリイが,左中間ゴール前5mラインアウトからのモールでトライ。ジョルディ・バレットのコンバージョン成功で,22-0。早くもゴールキッカーが,ボーデンから弟のジョルディに交代した。

前半,オールブラックス22(3T2C1P)-アルゼンチン0
13番CTBリエコ・イオアネが縦横無尽の活躍。6番FLアキラ・イオアネとともに旬の選手になったようだ。ただし,アタックを継続しているものの,チーム全体にイージーミスや反則が見られ,そのため得点チャンスを逃しているので,後半に修正したい。NO.8ルーク・ジェイコブソン,1番PRカール・ツイヌクアフェ,2番HOアサフォ・アウムア,5番LOスコット・バレット,SOボーデン・バレットが良いプレー。なお,ジョルディ・バレットが2回のトライを取り損なったことから,このグランドはインゴールが狭すぎる模様。

アルゼンチンは,ブレイクダウンを中心によくディフェンスしているが,アタックのチャンスが少ない。やはり実力差があるようだ。

46分,オールブラックス8番NO.8ルーク・ジェイコブソンが,SOボーデン・バレットが個人技で突破した後の,右の長く・速いバックフリップパスを取ってトライ。ジョルディ・バレットのコンバージョン成功で,29-0。
56分,オールブラックス11番WTBジョージ・ブリッジがインゴールに入るが,TMOの結果,タッチに出ていてノートライ。
59分,オールブラックス14番WTBセヴ・リースがインゴールに入るが,TMOの結果,ノッコンがあってノートライ。
65分,アルゼンチン7番FLマルコス・クレメールがハイタックルをするが,TMOの結果PKのみの判定。
66分,アルゼンチン17番PRカリオス・ミイツィオがスクラム及びチーム反則の繰り返しでシンビン。
69分,オールブラックスNO.8ルーク・ジェイコブソンが,右中間ゴール前5mスクラムから左にサイドアタックして2つ目のトライ。ジョルディ・バレットのコンバージョン成功で,36-0。
78分,ジョルディ・バレットがPG,39-0。

後半,オールブラックス17(2T2C1P)-アルゼンチン0
合計,オールブラックス39(5T4C2P)-アルゼンチン0
アルゼンチンからディフェンスで抵抗されたものの,アタックはゼロに押さえ完勝した。若手及び長期休養開けの選手も多く含みながら,この結果はチームとして成長していると思われる。来週もこのまま良いゲームを続ければ,スプリングボクスとの真の世界王者はどこかという,文字通りの世界一決定戦連戦に自信を持って臨むことができるだろう。

2トライのルーク・ジェイコブソンは,キャプテン代行のアーディ・サヴェア不在を補って余りある活躍をしており,順調にいけば2023年RWCでは,サヴェアに代わって8番を着ている可能性があることを,大きくアピールしたゲームとなった。また,リエコ・イオアネはWTBとしての決定力のみならず,CTBとしてのラインアタックでも重要な選手になっている。

なお,SOボーデン・バレットのゴールキック不調を受けて,途中からFBジョルディ・バレットがゴールキッカーとなったが,良いキックを蹴っていたので,ボーデンがSOの場合は,FBにジョルディを起用してゴールキッカーになるケースが多くなると思う。


ワラビーズ28-26スプリングボクス

両チームのメンバーを紹介する。

スプリグボクス:
スティーヴン・キッショフ,ボンギ・ムボナンビ,フランス・マルアーブ,エベン・エツベス,ルード。デヤーガー,シヤ・コリシ(キャプテン),フランコ・モスタート,デュアン・ファルミューレン,ファフ・デクラーク,ハンドレ・ポラード,マカゾレ・マピンピ,ダミアン・デアレンデ,ルッカンヨ・アーム,スブ・ヌコシ,ウィリー・ルルー
(リザーブ)
マルコム・マルクス,オクス・ノッチェ,ヴィンセント・コッホ,マルコ・ファンスタッデン,クワッガ・スミス,ジャスパー・ウィーゼ,ハースケル・ヤンチース,ダミアン・ウィルムゼ

ワラビーズ:
アンガス・ベル,ファラウ・ファインガア,アラン・アラアラトア,アイザック・ロッダ,マット・フィリップ,ラクラン・スウィントン,マイケル・フーパー(キャプテン),ロブ・ヴァレティニ,テイト・マクダーモット,クエード・クーパー,マリカ・コロイベテ,サム・ケレヴィ,レン・イキタウ,アンドリュウ・ケラウェイ,トム・バンクス
(リザーブ)
フェレティ・カイツウ,ジェイムズ・スリッパ-,タニエラ・ツポウ,ロブ・レオタ,ピート・サム,ニック・ホワイト,リース・ホッジ,ジョーダン・ペタイア

南アフリカ・スプリングボクスのジャック・ニナーバー監督は,アルゼンチン戦から先発7人リザーブ6人と大幅に代えてきた。特にSHファフ・デクラーク,SOハンドレ・ポラードとベストメンバーを揃えた。また,NO.8に2019年RWC決勝以来となる,デュアン・ファルミューレンが先発する。BKでは,トライゲッターのWTBチェスリン・コルベが怪我で欠場するが,代わりにスブ・ヌコシを入れている。

オーストラリア・ワラビーズのデイヴ・レニー監督は,NZ人の若いSOノア・ロレシオに代えて,2017年以来のテストマッチとなる大ベテランのNZ人のクエード・クーパーを先発させる。クーパーの復帰については,ブリティッシュアンドアイリッシュ・ライオンズ戦で,スプリングボクスが起用したモルネ・ステインに似たものとなっているが,果たして同様の成果をあげられるか未知数である(クーパーは,ステインほどではないが優れたゴールキッカーである一方,何よりもNZらしいステップとフレアーに優れたSOだった)。

また,3番PRアラン・アラアラトアと22番BKリース・ホッジは50キャップ目を迎えるとともに,キャプテンの7番FLマイケル・フーパーは,ジョージ・グレーガンと並ぶ59試合目のキャプテンとしてのゲームとなる。リザーブの16番HOフェレティ・カイツウと19番LOロブ・レオタは,これがテストマッチのデビューとなる。

両チームの対戦成績は,88戦,スプリングボクス48勝,ワラビーズ37勝,3引き分け。
スプリングボクスWTBマカゾレ・マピンピは,18試合で16トライのトライ率88.9%を記録している。これは,20キャップ以上の選手では,24試合で19トライの79.2%を記録したCTBダニー・ガーバーを越えるものとなっている。

6分,スプリングボクス10番SOハンドレ・ポラードがPG,0-3
9分,ワラビーズ10番SOクエード・クーパーがPG,3-3。
16分,スプリングボクス6番FLシヤ・コリシが,リフトタックルをしてシンビン。
17分,ワラビーズ14番WTBアンドリュウ・ケラウェイがトライ。クーパーのコンバージョン成功で,13-6。
22分,ポラードがPG失敗。
27分,ワラビーズ5番LOマット・フィリップが,ゴールライン付近の故意の妨害でシンビン。
28分,スプリングボクス2番HOボンギ・ムボナンビがトライ。ポラードのコンバージョン失敗で,13-11。
33分,クーパーがPG,16-11。
41分,クーパーがPG,19-11。

前半,ワラビーズ19(1T1C4P)-スプリングボクス11(1T2P)。
予想外のワラビーズの攻勢。このまま勝って欲しい。

43分,ポラードがPG失敗。
46分,ポラードがPG,19-14。
52分,スプリングボクス15番FBウィリー・ルルーが,トライを防ぐための故意のノッコンをしてシンビン。
53分,クーパーがPG,22-14。
58分,ワラビーズ2番HOフォラウ・ファインガアが,ノーバインドタックルをしてシンビン。
59分,スプリングボクス16番HOマルコム・マルクスがトライ。ポラードのコンバージョン成功で,22-21。
63分,クーパーがPG,25-21。
71分,スプリングボクス16番HOマルコム・マルクスが2つ目のトライ。23番FBダミアン・ウィルムゼのコンバージョン失敗で,25-26。
82分,クーパーが,右中間10m付近からのロングPGを決めて,28-26。劇的なノーサイドになった。

後半,ワラビーズ9(3P)-スプリングボクス13(1T1C2P)
合計,ワラビーズ28(1T1C7P)-スプリングボクス26(2T1C4P)
ワラビーズが,予想外のFW戦の奮闘と,大ベテランSOのクエード・クーパーが,8ゴール24点を入れる活躍で,スプリングボクスに土をつけた。これは,非常に大きな勝利であり,ワラビーズが,ザ・ラグビーチャンピンシップの上位に残るためのものだけでなく,オールブラックスに3連敗したショックを払拭する勝利となった。

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