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検査値に異常がでないのに、いつも頭痛や体調不良を感じている人達へ。

脳神経外科外来と言うと患者さんの多くは、高齢者に限られていることが
多いのですが、最近私の外来に、頭痛やふらつきなど体調不良を訴えて
受診される比較的若い患者さんが多くなってきています。

私は、外来でのスクリーニング検査として
     1)脳MRI,MRA(脳の異常を見つける検査)
     2)血液検査(脳が置かれている環境をみる検査)を
     行っています。
そこで脳の不調を訴えて来院される比較的若い患者さんには、ある共通する
特徴があることに気づきました。それらの不調の多くは、クスリではなく
食事の改善により治癒することが多いのでお知らせしたいと思います。

1)スクリーニング検査の結果

若い人の場合、頭痛やふらつきの原因がMRI,MRA検査で見つかることは
ほとんどありません。また、通常の血液検査でも正常値の範囲を
超えることはまれであり、多くの医者が異常を指摘することは、
無いのが現状だと思います。でも、調子が悪いと感じておられる。

そうなんです。検査値正常で体調不良の人たちが増えてきているんです。
異常が無いのに、あまりしつこく体調不良を訴えると、
ストレスとか心の病気にされていることが多いのではないかと思います。

検査値に異常が出ない体調不良の多くは、栄養失調で起きています。
悲しいことに血液検査値から患者さんの食生活を指摘できる医者は
ほとんどいません。

栄養失調を指摘できる医者がいないのです。
食べ物があふれている先進国には、栄養失調などないと言う前提で
現代医学は、成り立っています。

2)栄養失調とは?

a)タンパク質不足になっている。

タンパク質は体を作る原料であり、しかも酵素 ホルモン 免疫など
体を機能させる原料でもあります。

タンパク質が不足して体調がいいはずがありません。

私がタンパク質欠乏に気づく指標は、BUN(尿素窒素)の数値です。
Cre(クレアチニン値)が正常。つまり腎機能が正常なのに

尿素窒素(BUN)<10mg/dlはタンパク質不足です。

(血液検査のデーターを必ず見てくださいね)

BUNの正常値は、8.0から20.0mg/dlなのですが、
女性の場合、BUN>13mg/dl, 男性の場合BUN>16mg/dlないと
どうも元気でいることは難しいらしく体調不良の事が多いのです。
(教科書的ではありませんが、私の経験から自信を持って言えます) 
(なぜ、男女で差があるかは不明ですが、経験ではそうなっています)

で(は、タンパク質不足の人たちは何を食べているのでしょうか?

3)タンパク質不足の人たちが常食しているものは?

答えは、糖質です。炭水化物なのです。
すべての生物は、タンパク質の動的平衡を保つために食事をしています。
そして、タンパク質不足になるとそれを炭水化物(糖質)で
補おうとするのです。🦗

生物は、タンパク質が足りなくなると糖質過多の食事を始めます。
これは、人間だけでなくすべての生物に言えることなのです。

この人間を含めた生物の習性を知っているのは、医者ではなく
食品会社です。
食品会社は、タンパク質の風味を付けた精製した炭水化物を生産します。
人間は、タンパク質を求めて食べているつもりですが、ほとんどが
精製された炭水化物のため満たされることなく食べ続けます。

たとえは、エビの風味のする炭水化物(かっぱえびせん)やコンソメ味の
着いたポテトチップス(炭水化物)、どれもその名の通りやめられない
止まらない食品です。グルテンを入れれば、もっと効果的に
中毒させることが出来るようになると思います。

このようにして脳は、糖質中毒になっていくのです。

4)タンパク質不足の人たちにみられる特徴

1)まず、間食をしています。それも精製された炭水化物。
  チョコレートやお菓子、餅菓子、パン、ケーキ、など。
  あるいは、糖質の約1割入った清涼飲料水。
  健康にいいと勘違いして、糖質の入ったエナジードリンクや
  スポーツ飲料。(どれも必ず糖質を入れている)
  

2)食後、げっぷをしたり、逆流性食道炎のような症状があります
  (糖質が消化管の動きを遅くするため)

3)すべての人ではありませんが、男女とも肥満傾向があります。
  (糖質過多の食事が、脂肪を沈着させるため。カロリーは関係なく
   肥満の原因はあくまで糖質ですよ)

4)すべての人ではありませんが、腸に不調をかかえています。
   (男性は、下痢。女性は、便秘の事が多いですが.
    もちろん腸が悪くない人もいますよ)

5)また、タンパク質不足のためセロトニンやメラトニンが
  充分作られないためか、幸福感があまりなく
  熟睡出来てきていないことが多いようです。

6)若いのに肩こりや緊張性頭痛、疲れが取れないなどの症状が
  あるのは、過剰な糖質がビタミンB群不足、鉄不足で
  エネルギー代謝できておらず、乳酸が蓄積している可能性が
  あります。

5)じゃあどうしたらいいの?

1)食事におけるタンパク質の量を増やしてください。つまり、
  食事のメインを野菜、果物、そして特にタンパク質
  (肉 魚 卵 豆類)の量を増やす事をお勧めします。
  急に増やすと調子が悪くなることもありますので、自分の体の
  調子に気をつけながら増やしてください。
 
  日本人は、主食(ごはん、パン)を食べるためにおかずがあるように
  思っていますが、栄養素はおかずにあり、主食はエネルギーに
  なるだけで必須栄養素ではなく、食べなくても生きていけるものです。
  それを多量に取る食生活が栄養失調を招いて
  体の不調をきたしています。

2)間食はやめましょう。間食で糖質を取ると血糖値の変動が起こり
  ホルモンも血糖値の変動に応じて変動します。 
  精神的にイライラしたり、食後眠気がしますよ。

3)パン、ピザ、クッキーなど強力粉でできたものは避けてください
  パンは、次の理由で病気を作る可能性の高い食べ物です。
  (強力粉は、グルテン含有率が10%を超えており極めて高いため)

  A)グルテンは、ニコチン同様脳を中毒させ、習慣的に食べるように
    なってしまいます。
  B)腸を傷つける可能性があります。(リーキーガット症候群)
  C)GI(グリセミックインデックス)が高く、食後急激に血糖値の
    上昇を招きます。急激に上昇した血糖値は、インスリンの作用で
    急激に下がります。その際に低血糖症をきたすと精神的に
    不安定になりやすくなったり、間食が始まります。
    (朝、パン食の人たちは、必ず間食しているはずです)
  D)いい焼き色を付けるためにショートニング(トランス脂肪酸)を
    使用しています。トランス脂肪酸は、外国では禁止されています。
  E)脳機能に悪影響を与えている可能性があります。原因不明の
    神経疾患が起きた人にパン食をやめさせると症状が消えることが
    あるからです。
    (原因不明の手の震えなどが実際止まります)
(パンをやめることは、とても困難で多くの人は減らす事しかできません。
 間違いなくグルテンは、脳を中毒させています)

持病が無い人達で体調不良を訴え病院に行っても原因がわからず、
検査値の異常も指摘されず、ストレスにされたり、心の病気にされている
人達で上記に自分が当てはまると思われた方は、
3週間私にだまされて食事を変更してみてください。
40歳までの若い人達なら10人中9人は、改善が期待できます。
もちろん40歳以上でも特別病気がない人達も良くなります。

教科書には書かれていませんが、私が30年以上医者をしてきた経験で
提案しています。バカな私は、教科書の絵空事より自分がやって
患者さんが良くなった経験のほうが、はるかに信じられますし、
実際に患者さんは、良くなって元気になられるのです。
(調子がいいか悪いかは、医者が数値で決めるものでなく、
  患者さん自身が感じるものです。)

BUN<10mG/dlの人がタンパク質を食事で増やすと良くなるのは事実です。

この方法は、食事代が少し高くなりますが、それ以外の欠点は
ほとんどありません。
(尿酸値が少し高くなりますが、低糖質のため痛風にはなりません)

いいですか。3週間だけです。食事を変えて上手く行っている場合は、
体重が減ることがあっても増えることはありません。
そして、その結果をコメントで教えて頂ければ幸せです。
                 ありがとうございました。😁

今回は、タンパク質でしたがそれ以外の栄養失調も多く見られますが、
またの機会に徐々に発信します。でも、基本はタンパク質不足を
改善することが先決なのです。

追加:食事変更による効果はすぐに出ないのが欠点ですが、3週間後には
ほとんど軽快しています。だけど、頭痛やめまい、しびれ、など
我慢できない場合は、応急処置としてクスリを利用してください。
症状が取れたら内服は、中止してくださいね。😶‍🌫️



  



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