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汗水垂らして稼いだお金は綺麗?汚い?

金融教育が組み込まれていない日本では、意識しないと投資や利子に付いての知識が身につかない為、『お金は汗水垂らして稼ぐもの』信仰が未だに根強い。


その為、お金を右から左に流することで儲ける利財は、汚い・ずるい・怪しいの3拍子のイメージが付き回り、未だにクレジットカードは魔法のカードで、危険なものと認識する人も多い。(と言うか、G7の国でお金の授業がないのは日本だけ、なんとかしてほしい!切実に。涙 )


世界一お金がものを言う、超資本主義国家のアメリカでは、一代で成り上がる起業家や実力者を尊ぶ。

もちろん投資の授業も行われており知識がある為、使えるものは人脈でもお金でもなんでも使うのが基本だ。昨日までの過去や下積みは隅に置き、

・今何ができるのか
・どんな価値を生み出せるのか
・人より早くアイディアを形にしてどれだけの利益を産めるか

これらに重きを置くアメリカのビジネス感覚は、インターネットやSNSを通して日本にもしっかり伝染している。

これだけが、世界の常識だろうか?

お金に対して、この真逆の価値観を持つ国がある。
フランスは世界で初めて、資産運用などの利財だけで生活するランティエ(金利生活者)が誕生した国だ。

18、19世紀当時では、イギリスでは産業ブルジョワジーが、イタリアでは商業ブルジョワジーが中心となっていた。だがフランスで力を持っていたのは、外国債や債券に投資しながら財を成す、銀行家や徴税請負人出身の金融ブルジョワジーである。彼らは、晢学者や芸術家のパトロンでもあった為、高い地位を得ていたのだ。

フランスでは、汗水垂らして得たお金は、文字通り汗水が付いているので汚く、それを、子や孫に受け継ぐ時には、綺麗な手で渡せるので、綺麗なお金になるのだと言う。

相続がお金を浄化すると言うことは、1代で財を成す成金は、フランスで嫌われる。汗水垂らし、あの手この手を使って成り上がる野心家より、親から引き継がれたお金で優雅に暮らすブルジョワジーの方が上品だと言われれば、その感性にも納得がいく。

おもしろいことに、相続税が安いフランスでは、右から左にお金を流すことで大きくなったお金や相続金は、汗水垂らして得たお金より尊敬される。
もちろん、日本人のように、超過勤務など、自分の時間を必要以上に打ってお金にするフランス人はほとんどいない。

お金の稼ぎ方に対する捉え方そのものは、国の性格を形作っているようにも思える。

汗水垂らして稼いだお金は綺麗?汚い?
あなたは、どう思うだろうか。

国々のバックグラウンドや価値観が生み出す違いだろうが、知識のない私は、キャッシュレス化で現金が消えている国のお金の授業を受けてみたい。

*ブルジョワジー=資本家階級。17-19世紀ヨーロッパでは、貴族でも農民でもない市民階級のことを指す。

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