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夜のって枕をつけて背伸びしたデートを君と

「夜の」という言葉はどんなに大人になっても私を魅了する。

夜の動物園
夜の美術館
夜の水族館
夜の散歩
夜のおやつ
夜の逃避行

幼い頃はサンタクロースを一目盗み見ようと夜更かしを試みたけれど、何度やってもいつの間にか眠ってしまっていた。
朝起きると、サンタさんとトナカイさんに用意したお菓子が減っていて、お手紙がなくなって代わりに両親の筆跡とは異なる返事が残っていた。サンタクロースの実存の片鱗に触れられた気がして、嬉しく、でも自分の目で確かめられなかったことに悔しい思いを抱いたあの時の気持ちを今でもなぞることが出来る、と思う。

大晦日に日付が変わるまで起きていることを初めて許されたのは幾つの頃だっただろうか。カウントダウンを家族みんなで数え、新年の挨拶をしてからお布団へ潜った。夜更かしが特別に感じられたのは何歳までだっただろう。

いつの間にか一夜漬けの試験勉強で零時を過ぎるのも何ともなくなって、友達との電話で空が白むまで喋りあかしたり。終電で家に帰ったり、帰らなかったり。

「夜の」が昔ほど特別なことじゃなくなっても、相変わらずそれは魔法のように私をわくわくさせてくれる。


今年の夏はさ、いっぱい「夜の」をしたい。君と。

SOWAのソフトクリームを片手に東京タワーを眺めながら夜の散歩をしたい。
葛西臨海公園のナイトオブワンダーで夜の水族館をこそこそ話をしながら歩きたい。
ミッドナイトドライブと称してレインボーブリッジ渡って、真夜中の羽田で飛行機をぼんやり眺めたい。
夜パフェをしたいがために飲めないお酒を飲んで陽気になって、握った手をぶんぶん振って君を少し困らせたい。


「夜の」ちょっとだけオトナで、ちょっとだけ期待しちゃうデートに。
君を誘いたいんだよ。

サポート…!本当にありがとうございます! うれしいです。心から。