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野菜食べてる?

実はこの2月で役者として活動を始めて15年でした。
2007年2月、中野あくとれ。当時23歳。新卒で就職した会社を飛び出し、社会復帰のリハビリのように立ち始めた舞台がいつの間にか生活の中心となり、時に悩みのタネにもなりました。20代。芝居に明け暮れ、金もないのに朝まで飲んでは重い頭で帰宅しそのままバイトへ。劇団の仲間と今思えばどうでもいいことで言い争い、外へ行けば酷い仕打ちを受け、知人の活躍を嫉妬と羨望の眼差しで眺め、いつか自分もと何の根拠もない希望を抱いた。

30代。28歳という自分で決めた期限はとうに過ぎ、それでも諦められずにチャンスを探してさまよい歩いた。未熟を知り、絶望し、それでも昇る朝日に夢を見た。てこれ20代と変わんねぇ。

役者やってなかったら決して手に入らなかったものがたくさんあります。たくさんの人から拍手され、涙を流され、時には見ず知らずの人から感謝までされて。普通に生きてたらなかなかない瞬間ばかりでした。

父が66歳で死んだことを考えると自分ももう人生の後半を過ぎたと言って過言ではありません。残りの人生をもっと好きに生きるべきという声と、これ以上自分のために生きるなんてとんでもないという声の両方が聞こえることがあって、後者は親族、前者は友人など他人からの声。耳をすますべきは自分の声。

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