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泣く子も黙る、バリッバリのベーコンエピ

ここ数日、過去の写真やnoteのマガジン整理をしていてふと思った。

なんか最近、テーブルに遊びが足りない・・・

日本を想うがあまりパリの極小キッチンで日々作りまくっていた、干物やらエイヒレやら明太子やらあん肝やら。はたまた一生かかっても食べきれないだろう量のマカロン(Otto氏完食)や東京ばな奈もどきやなんやら。


なんであんなに毎日創作に夢中になれていたのだろう?

摩訶不思議だけど、思うに、コロナのコンフィヌモンもあったし、不便さが創造を想像するのだなと。え、意味不明?想像にお任せ。
あと、最近日本に帰って一旦望郷の念がリセットされたのも大きいのかな。

一方、悲しいかな、胃の退化により、最近とにかく和食和食和食ばかり。
和食は胃に優しいけど、どうもクリエイティビティが刺激されないというか、守りに入っているというか。サランラップの消費量は激しいのに。

noteを書くのも楽しいほうがいい。せっかくフランスにいるので、知見を広げる意味でも優しすぎる和食から飛び出してみようと思った、そんな3月7日の昼下がり。


そうだ、パン焼こう


そこで突発的にパンに手を出してしまうのが極端なのかもしれない。坂をくだれば本場フランスの美味しいパンが手頃な値段で買えるというのに。


取り出したるは、日本で買ってきたふわふわ食パンを作るためのこの本。
掲載されているパンの種類は多くないけど、説明が詳しいのが気に入った。

こねるのが億劫で食パンは2回作ったきり

obentoに使えるかなと思って、先週の買い出しでベーコンを買ってきていた。ベーコンエピ、作れないかな?日本にいるときドンクとか神戸屋ベーカリーとかで買ってた記憶がある。

今気づいたんだけど難易度最高だった。どおりで途中で心が折れかけたわけだ・・・。

思い立ったが吉日。ちょうど強力粉(フランス的小麦粉T65)も200gちょい残っていたので、17時前に仕込み開始。初のハード系パン製作である。


材料は、強力粉、インスタントイースト(予備発酵不要)、水(38度)、塩のみ。今まで作ったことのあるパンは砂糖とか何かしら乳製品(バターとか牛乳とか)が入っていたけど、ハード系のパンってこれだけでできるのねえ。

イーストは、先日予備発酵不要なインスタントイーストを仕入れてきた。うちの冷蔵庫に常備しているイーストは予備発酵が必要なもので、低温発酵向きというのをどこかで見たのでいつも冷蔵庫で一晩発酵させているけど、その日中に焼きまで仕上げるとなると予備発酵不要なインスタントがよさげだろうと踏んだから(←1ヶ月前の私が読んだらほんと意味不明なこと言ってんな)。

粉&イーストを2回に分けて加えてゴムベラで混ぜる。ある程度まとまったらラップをかけて室内で20分放置。

サイドのようなメインのような煮込み

ベーコンエピだけではさすがにアレだ。週末新鮮な野菜たちをたくさん仕入れてきたので、鶏肉と合わせて煮込みでもつくるか。この時点でなんの煮込みにするのかはノープラン。まあ、気分で。

たまねぎ、じゃがいも、にんじん、カブ、カリフラワー、ブロッコリー
冷凍庫から鶏むねと鶏モモを出して流水解凍

煮込みの材料そろえたり俺のピピ&おやつタイム🐶をお世話していたらあっという間に20分。ラップを外してゴムベラで20回たたきつけるようにこねて、またラップして20分。

このレシピのなにがいいって、ボールの中で完結する(はず)なこと。うまくいくといいな・・・。

まだぼそぼそ

また20分待機なので、その間に煮込みの野菜をカットしておく。

たまねぎ大きめみじん、じゃが芋にんじんラン切り、かぶ適当、カリフラブロッコリー小分け

20分後、またラップを外して今一度同じように叩きつけ20回。

最初のときよりもビヨーン

20回って書いてあるからきっちり20回やって、もう一回ラップしてオーブンを38度セットして1時間くらい放置。50分くらいで倍以上にふくらんだ。

やっぱインスタントイーストはぎゅいーんとふくらむんですね

この後、心が折れかける。

「水分が多いから打ち粉をして台にだして3等分してベンチタイム」という工程があるのだけど、スライムのほうがまだましなんじゃ?と思えるレベルでベットベトベトな生地で台にも手にも生地つきまくりでオーマイガー。
そんなな感じだったので一切写真は撮れず。

「本の写真だと全然べちゃべちゃしてないんですけど!?」と泣きそうになりつつ、手にも麺棒にも台にも打ち粉を多めにして、なんとか伸ばしてベーコンを巻いて棒状のものを作った。よし頑張った、棒はできたぞーと思った次の瞬間、「上新粉をふる」とある。

え・・・団子作るときのやつ・・・?

上新粉なんてもちろんない。米粉も引越しのとき古くなってたから捨てちゃったし。府中で展開するブーランジュリー・ケイチェルの見目麗しいハード系のパンは上になにかけてるのか気になってあわててマガジン辿ったら、ベーコンエピそのものを見つけた。

この完成度、プロだわ本当・・・。毎度のことながら、研究熱心なおいたんの含蓄ある蘊蓄をスルーっと読んで、いざ自分が作ってみるときにガン見するタイプです。。

すごいなあ・・・と思いながら本を読み返してみたら、上新粉なかったら強力粉でもいいって書いてあるから打ち粉そのまま使っちゃえ。

強力粉をまぶしたら、カット。アペロ!カンパイ!とうるさいヒトがいて急いでいたため写真はないけど、これは次回もうちょっとうまくできそうな気がする。府中の師匠がいうように、エピのハイライトはここのように見ゆる。かなり深めにカットしていいんだな。
カット後、再度38度(本だと35度)のオーブンにいれてひとまわり大きくなるまで発酵させる。

その間にアペロしたり煮込み作ったりなんだり。

バターで鶏肉を炒めて
軽く焦げ目をつけて取り出す
この時点でとてつもなくいい香りがするのでこれだけでもいいかもしれないという気にさえなる

鶏肉を取り出した後、玉ねぎを加えて火を通したら鶏を戻して小麦粉をふりかける。ちなみに先程エピに強力粉をふりかけたこのシャカシャカ。今回日本で買ってきたものだけどフライとかムニエルをするときにも便利。

小麦粉をまぶしたら、水とブイヨンで煮込み開始。アクがでるので丁寧に取り除く。やはりフランスの野菜はアクが多いなあ・・・、

とか思ってたらエピの最終発酵完了。右から徐々に形が綺麗になっているのがわかるだろうか?右は最初だったのでひよってハサミを深く入れられなかったからおデブちゃんになってしまった。

このぷっくりエピちゃんたち。仕上げはオーブンを240度に予熱して、25分くらい焼く。

煮込みはその後も野菜たちが投入されて煮込まれていく。

カリフラワー、にんじん
かぶ
最後にブロッコリー

最後にブロッコリーを入れるタイミングで生クリームを入れた。これはなんだろう、フリカッセ?シチュウ?まあハード系のパンに合いそうだからいいや。エピの仕上がりを待ちながらコトコト煮込む。

エピ、焼けたよー


20数分後、エピお目見え。

あら?見た目はそんなに悪くない。

ぽっちゃりめのやつも焼いたら美味しそうな感じに

焼きたてのエピ、はじっこの方をちぎって味見してみたんですけどね。

バッリバリ!!衝撃美味!

私、歯が弱いくせに食感は硬いものが好きでして(バゲットで歯が欠けたことあり😭)。特に日本のせんべいとかバリっとした感じがですね、好きなんですよ旦那・・・と思わずひとりごちりたくなる美味しさ!

歯茎に突き刺さったら軽く凶器。タイトルに泣く子も黙るって買いたけど、泣く子もさらに泣くかも色んな意味で(笑)

上新粉にしたら食感どうなるんだろう
気になるからとりあえず手に入りそうな米粉で次回チャレンジ

それにしても、焼きたてのハードパンってこんな美味しいのかー。普段パンはめったにたくさん食べないのに、危うく1本食べ切りそうになったわい。姉さん事件です!

そうそう、エピに合わせて煮込んだもの、フリカッセだかシチュウだかわかんないけど、とにかくここめちゃくちゃ寒いので(本日みぞれ明日雪予報・・・)、温まりそうな一品ってことで、よくできました。

まるで冬の食卓


べちゃべちゃの先に見えたバリっバリの世界に、ただただ驚きと感動を覚えた夜なのであった。


追伸:食事中のOtto氏との会話を和訳

🇫🇷:このエピ、とても美味しいけど、朝ごはんには食べられないなあ。

🇯🇵:(Obento予定だから食べないでいいよと思いつつ)え?なんで?

🇫🇷:ベーコン入ってるから。

🇯🇵:(塩辛いもの食べないもんね朝とわかりつつ)え?なんで??

🇫🇷:ヌテラをぬれないだろう?

🇯🇵:・・・・・・・🙃🙃🙃

パン好きの俺🐶は、いてもたってもいられない状態でしたけどね!

目がヤバイ🐶

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