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超熟ポワールの最適解〜洋梨のチョコタルト🍐

Pas de dessert ?パ・ド・デセール?

こちら、我が家の食後の決まり文句である。つまりは、「デザートないの?

私が冷たく「Non(デザートないよ)」と答えれば、しゅんとしながらゴソゴソと冷蔵庫をあさり、以前自身がまとめ買いしていたちょっと良さげな板チョコなんかをかじり始める我がOtto氏。今、夜だよね?大抵22時とか22時半とかそんくらい。

「でもそんなの関係ねえ!おりゃー甘いものがないと食事が終わらない人間なんじゃーー!」(甘党・中年・フランス人による内なる声)ってとこでしょうね。



毎週のようにマ活と称してマカロン鬼焼きしたり、ルバーブでアートを究めたり。はたまたガトー・ダミエなる複雑骨折級に骨が折れるケーキを意気揚々と焼いていた時代はいつのこと?


最近の粉いじりといえば、もっぱらクレープだのワッフルだのパンケーキだの。あとは、パン。塩系にも甘系にも振れるからねえ・・・。食パンにべーコンエピにリュスティックなんかも作ったけど、どれも焼きたてってこんな美味しいのか?と。辛党の私もパクパクいけるのがいい(だから最近太ったのか?)。


でもまあ、毎度食後にノンノン返してると何だかかわいそうな気にもなるし、何億光年ぶりかでちょっと手間かけて甘いもんでも作ってみるかー、という気になったホワイトデーの朝。



先日、毎度りんごを3kg買うお店で、たまには趣向を変えてみようってことで洋梨3kgを仕入れていた。

フランス語で洋梨はポワール(poire)。似てるものでポワロー(poireau)、これはネギ(リーキ)ね。ここテストに出るから要注意。

役に立つかわからないユイじょり的フランス語講座


(私としては、梨は俄然、まんまるでみずみずしい幸水の方が好きだけど、フランスで梨といえばひょうたん型のいわゆる洋梨ばかりなのでね。アジア系のエピスリーでたまにNashiと書かれた丸いのも見るけどあれ美味しいのかな・・・)。


さて、毎度のことながら、りんごにしてもバナナにしても、あらお得!と思って大量買いしては腐らせる…否、限界まで熟れさせる天才、それがわたくし。さわるなキケン状態のポワールたちがキッチンのカゴで今かいまかと出番を待っている。この超熟洋梨たちを使ってタルトでも焼いてみるか。

ただのタルトじゃつまらない。フランスのスーパーで売られている、板チョコ。やっぱりチョコ好き文化すごいなーと、その種類の多さには目を見張るけど、ナッツやプラリネにとどまらずよくフルーツとかスパイス合わせをしている。そしてOtto氏が、好んで洋梨入りのチョコを食べているのを私は知っている。決めた、洋梨はチョコ合わせ!



今回はこちらのレシピを参考に作ることにした。タルト生地を作って休ませている間に中身(クレーム・アマンド・ショコラ)の準備などなど。覚書程度に日本語で、材料と作り方は以下。

タルト生地の材料
・バター(ポマード状):120g
・粉砂糖:90g
・アーモンドプードル:40g
・卵:1個
・薄力粉:220g
・カカオパウダー(無糖):30g
・塩(フルール・ド・セル):ひとつまみ

上記サイトより
アーモンドプードルが足りなかったので、その分薄力粉の量を増やしてごまかす


バターに粉糖を合わせてクリーム状になるまで練り、アーモンドプードル、卵を加えて混ぜる。その後、あらかじめ合わせてふるっておいた小麦粉とカカオ、塩を加えて混ぜ合わせる。あんまりこねすぎないのがポイント(←ラッキー)。冷蔵庫で1時間休ませる。

パンと違って捏ねすぎないってのが楽ちん


クレーム・ダマンド・ショコラの材料
・ダークチョコレート:100g
・(室温に戻した)バター:100g
・卵:2個
・砂糖(カソナード):100g
・アーモンドプードル:100g
・よく熟れた洋梨:3つ

上記サイトより
洋梨、まだ5つくらいあるんですけどね・・・


チョコレートとバターを液状になるまでゆせんで溶かす。ボウルに卵を入れて混ぜ、カソナードとアーモンドプードルを加えて軽く合わせたら、チョコバター液を加えて混ぜる。

カロリーの塊

タルト型にバター+小麦粉を仕込んだら、タルト生地をセット。そこに絞り出し袋に詰めたクレーム・ダマンドをまんべんなく敷き詰める。

タルト型はたぶん22cm

上にのせる洋梨は、半分に切って種などを取り除き、底まで切らずに薄く切れ目を入れる。

生地を休ませている間にアーモンドスライスを買いに近所のビオのお店に行ってみたが、スライス状のが売ってなかったので丸ごとアーモンドを調達。ぶんぶんチョッパーで荒く粉砕してみた。

ぶんぶんチョッパー本当便利。。

梨とアーモンドをのせて、170度のオーブンで45分ほど焼く。

結構な存在感🍐


キッチンに立ち込めるチョコレートのあまーい香りとともに、焼き上がり。

この材料で作ったら、タルト生地が半分くらい余ってしまったので、冷凍庫に眠らせていたプレーンのサブレ生地も引っ張り出してきて、型抜きして一緒に焼いてみた。

真ん中が寂しかったので、一緒に焼いたサブレをのせると、あら不思議。そこはかとないセーラームーンのコンパクト感。

洋梨もいい感じの焼け具合。言われないと洋梨だってわからないかも?

タルト生地も綺麗に仕上がった


この日の夕食は、ワンプレート・骨つき豚のソテー。食後にパドデセール聞かれないように、食卓に同席させたったもんねー。


食べるのがもちろん私より早いOtto氏。食べ終わってそそくさとナイフを取りに行って自らカット。さすがにチョコものにはヌテラ不要の模様で、「Pas mal」(悪くない)とつぶやきながら6分の1カット分を平らげたとさ。

私も翌朝、少しスライスして食べてみたけど、今まで作ってきたチョコものの中で上位に食い込む美味しさ。洋梨のチョコ合わせ、いい!
それに、チョコにフルーツが加わると胸焼け度が軽減される気がするな。たぶん気のせいだけど。


ということで、今後も超熟フルーツクッキングを究めて食後を豊かに彩ることとしよう。

北フランスもちょこちょこ春めいてきたよーん
俺は元気です🐶

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