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北フランスの週末、ひとりもんじゃで優勝

DNAに逆らって、絶対無理な車の運転。
それ以外、大抵のことは人並みにこなせてきた我が人生。

器用貧乏とは自覚しているけれど、寝ながらピアノを弾けたり、スーツケースを持ち上げて23kg以上以下がわかるなど、一風変わった特技をいくつかもっている。

なかでも、最近これはよかったなあと感じること。
私、ひとり遊びがとても得意なのである。

ひとりでレストランに行けるとかそういうことではなく(むしろこれは苦手)、家でひとりでなんか全力で愉しむ、という類のものだ。「おもしろきこともなき世をおもしろく」スピリッツの申し子と言ってもらっても構わない。

いや本当、知り合いがひとりもいない外国の田舎でかろうじて病まずにいられるのは、これのおかげだと思う。


先々週、パリ深酒友Aちゃんの家で、3人でちびちび飲みながら深夜3時までもんじゃナイトをしていたのだけど、それが本当に楽しくて。これ、北フランスのひとりごはんでもできないかなあ?と。

最終日、昼過ぎの北駅TGVまでに、炎天下のパリを左岸〜オペラ〜レ・アールとキャリーケース(+俺)をひきながら駆けずり回り、生き延びる用の食材たちを仕入れてきた。

ベビースターラーメン(大量)にキムチに紅生姜に天かす。ほら、もんじゃ意識してるでしょ?

納豆はもちろん冷凍であります


Otto氏がバカンスからフランスに戻ってくるけど諸事情で迎えにはいけない先週末、ひとりの週末はそうは言ってもどことなく寂しい。

パリの楽しい夜を想いながら、ひとりもんじゃを決行することにした。


1-0 ひとりもんじゃ準備

まずは生地の準備をしよう。日本の柔らかキャベツがないけど先月買ったとんがりキャベツがまだ残っていたので、ぶんぶんチョッパーでぶんぶんぶん。

分量は特に計らず

無心にぶんぶんすること3回転くらい。一年前くらいに買っていつか使おうと思いながら忘れていたえのきを冷凍庫で発見したので、それもブンブンして加えた。天才餃子's餃子にえのき入ってたもんね!


絶品もんじゃシェフAちゃんの作る生地をビール飲みながら眺めていた記憶によれば、生地はこんな感じかな?

水と薄力粉、天かす、切りイカ、茅乃舎のだし、ウスターソース

桜エビがなかったなあ、残念!
なお、茅乃舎のだしは私のジャパン本名が刻まれている頂きものなので隠してある(笑)

生地を全部混ぜたら、具材を準備。3回転くらいはできるかな。

ベビースター、紅生姜、チーズ、生エビ、イカ、キムチ、天かす

いやーこれだけの具材、北フランスで揃えるの無理めだわ・・・と思いながら、セッティング。焼きに使用するのは、私の大親友、日々の料理は全部これでやってる卓上IHヒーターに、釜浅商店の南部浅鍋(大サイズ)。

これにお好み焼き用のヘラだのワイングラス&ボトル(飲む用)だのが後ほど登場する

キッチンの巨大テーブルの中央に電源があるのが本当、ひとりもんじゃやれよと言われている運命としか思えない。


1-1 ベビースターもんじゃ

勝手に盛り上がってきたところで、まずは前菜。シンプルにベビースター(焼きそば味)もんじゃといこう。油を多めにひいて、いざスタート。

キャベツと紅生姜を炒めて土手作ったらだしをいれてベビースターと天かすON
水分がとんできたら、ヘラで混ぜる

パリにいったとき、レアールのMUJIでシリコンスプーンをみつけたその横でアイスクリームスプーンサイズのものを見つけた。お、これもんじゃ用ヘラに使えるんじゃないの?

おこげをこそぎながらいただく

予想的中、めっちゃ使えた。日本に戻った時にこれあと3つくらい買ってきたい。

追い紅生姜でフィニッシュ

ああこれ、1品目にしてまごうことなく優勝である。
ひとりもんじゃ、楽しいぃ!


1-2 シーフードチーズもんじゃ

この日のメインといこう。魚介好きとしてはやっぱりメインはシーフードなのである。

朝、魚市場で生エビとイカを仕入れてきたのはこのためだ。タコもあればよかったけど、見つからず。

イカとエビを最初に炒める
その後キャベツを炒めてうんたらでチーズと天かすON
青のりをぱらぱらして、完成

いやー、美味しくないはずがない、これは。

もんじゃって永遠に飲めるよねーなんて3人で話していたパリの夜を思い出す。ひとりでも永遠に飲めるわ、これ。

この画だけでも飲める(笑)


1-3 イカキムチねぎチーズもんじゃ

そろそろお腹が膨れてきたからラストかな。
最後はキムチを使ってピリッと〆たいね!

イカとキャベツ炒めてうんたらしてチーズと天かす、キムチON

キムチのおかげで色も華やかに!

仕上げにネギのせてフィニッシュ!


プリ・シャキ・辛のイカキムチワルツが、たまらないよこれは。
最高以外の言葉が見当たらない。

翌朝、「キムチってもんじゃのために生まれてきたんじゃね?」と謎のひとりごちがiphoneメモに残されていた。アルコールのおかげもあって、楽しさの限界を突破していた模様。

キムチが素晴らしすぎる本当

これにコメぶち込んだら絶品チャーハンになるかなあ・・・なんて思いながら、お腹はち切れ寸前。

生エビのお頭と殻でダシをとった味噌汁で、〆。

できあがるまでの待ち時間はベビースターをそのままつまみにしていた

なお、キャベツの量などまったく計っていなかったので、半分ちかく生地が余ってしまった。2連チャンもんじゃ開催決定だな。オラ、わくわくすっぞ!


2-0 2日目準備

1日目からちょっと変えてみて、肉系もんじゃもつくりたい。

前日から追加したものは、豚ひき、めんたいこふりかけ、昔母が送ってくれていた餅。

前日同様セッティング。ヘラ置き設置、箸休めならぬヘラ休め用の葉っぱ(ただクレソンをちぎっただけ)など、前日の反省が存分に活かされている。

生地には若干水分をウスターソースと粉を足した

ひとりもんじゃの理想スタイルを完成させたと言っても過言ではない。


2-1 シーフードチーズもんじゃ

前日のメインにもってきたシーフードチーズ、今日は前菜でリピートである。

昨日の完コピ

なお、前日の前菜で使ったベビースターは、本日ただのつまみとして活用。


2-2 明太イカ餅チーズもんじゃ


明太子そのものはないけど、ふりかけがあるじゃあないの。

お餅。昔はお正月のきなこ餅が好物だったけど、年を重ねるにつれて遠のいて、今となっては正月でさえ食べないレベルになってしまった。本能的に察しているのか…って何を?老いを。

でも、もんじゃといえば明太餅チーズってイメージがなぜか強い。もんじゃに入れてみるのはアリかも?

今の餅って切り込み入ってるのね!?これもんじゃのための配慮・・・?

賞味期限は見なかったことにしてほしい
イカもちょい余らせたので、投入
天かすと青のり加えてフィニッシュ

まあこれは鉄板なんでしょうねって感じの出来栄え。

明太子はやっぱり本物を使いたいのが本望。


2-3 豚キムチチーズもんじゃ

ラストオブラストはコッテリで〆ることとしよう。豚バラとかがいいのかもだけど、豚ひきで。昨日MVPだったキムチと合わせる。

豚ひきとキャベツを炒めたらうんたらしてキムチON
最後に胡麻ふって完成

しめくくりにふさわしい美味。有終の美。

・・・それにしてもキムチ、なんでこれしか買ってこなかったんだよ私は。



3 ごはんのおかずに

最後の豚キムチチーズがなかなかのボリュームだったので、翌日に持ち越すことに。

関西ではお好み焼きがおかずになるとよく聞くが、もんじゃっておかずにならないかしらね?ってことで、米炊いてエビ出汁味噌汁とともにいただきます。

ちなみにエビだし味噌汁の具は玉ねぎとクレソンで、仕上げにもクレソンのせてます


最後の最後までもんじゃを愉しむことができて、実に幸せな3日間であった。


これからの季節、鬱になること間違いなしな北フランス生活。

今回また新たなひとり遊びを開発できたので、これでなんとか乗り越えようと思う次第。あっ・・・キムチもうない!?


住みなすものは心なりけり、だね

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