茶色こそ正義〜プチ・ブールとオサムマドレーヌ
NEWオーブンと仲良くなろう
引越し先のキッチンにはすでに備え付けのオーブンがある。
早いもので引越してきてから1ヶ月が経ったが、冷凍フリット(フライドポテト)を焼くのでさえも最初は使い方がまったくもってちんぷんかんぷんだった。試行錯誤で、今ではなんとなく塩系のものは調理できるようになってきたけれど。
さて、次なるお近づきのステップは・・・?
そう、より神経を使う、「甘いもの」ですな。
派手より素朴派
過去の写真がipadとかで出てくると、「え?これ、私作ってたの??」と小目の目玉がかっぴらくくらい、かつてはあのせっまいパリのアパートでマカロンとかパフェとかビジュアル映えするものをたっくさん作っていた。しかも週3とかで。狂ってる。
ちなみに甘いものたちはこのマガジンにまとめてある↓
こんなに作っておいてアレだけど、私自身ががっつり食べる(=食べられる)のは、ぶっちゃけほぼない。
昔は、製パン店にいけばクリームパンだのカスタードコロネだの好んで選んでいたし、1日でチョコ缶まるっと食べきるくらいの甘党だったのに、今はチョコどころかフルーツさえもそんな食べない。本音をいうと、フルーツはぶどう飲んでるからいっかという認識🍷
でもまあ、朝ごはんに米味噌汁が贅沢な暮らしになってしまう今、つまんでいるのはクッキーとかマドレーヌとか素朴な甘いもの。別称:コーヒーもしくは牛乳に合う、茶色くてシンプルな焼き菓子。
引越しのどさくさで見つけた子
私はいままで一人暮らしの引越ししかしたことがなかったから、今回は初めて2人暮らしからの引越しだった。
キッチンのものだけみても、「え?これ使ったこと一度もないんだけど・・・」ってものがワンサカでてくるのなんなの?
謎の芋切りとか、意味不明に2つある電動柑橘絞りとか、TVショッピングで日焼けしたムッシューが売り捌いてる風な野菜のみじん切り器とか。
案の定もれなくOtto氏のものなのだが、ひときわファンシーなものがこちら。
Petit beurre(プチブール)の型&レシピのキットである。
Petit beurre(プチブール)とは、まあ見た目からしてそのとおり、サブレみたいなものだ。サブレとクッキーとビスケットの違いさえよくわからないのに、まだあるのか似たようなものが・・・。
この記事によれば、プチブールはLUというフランスでどこでも売っている国民的お菓子メーカーが開発したもの。LUは日本でいうところの森永とかグリコとか?
LUのプチブールは、1886年、フランス西部の街ナントで誕生した超ロングランのベストセラー商品なんですと。明治時代から愛されているのか・・・。
手のひらサイズのレシピ本を眺めていたら、明日やろう明日やろうが得意な私が珍しくやる気になってきた。
翌週にはOtto氏がベトナムから帰還だし、せっかくだから我がNEWオーブンと仲良くなるためという口実で粉活してみることにした。
レッツ粉活2種
小麦粉とバターはたくさんあるので、プチブールのほかにも何かいってみよう。似たようなやつでっていうと、定番のマドレーヌですよ。
材料をずらり。
左がプチブール、右がマドレーヌだけど、プチブールには卵が入らないのが意外や意外。(あくまでこのちっちゃい本のレシピによる)
まずはプチブール
バターと砂糖と水を火にかけて溶かして粗熱をとばしたら、粉系を混ぜたボウルの中に加えてまとめて練って、冷蔵庫で3時間以上休ませる。以上。
あとは型でスポンスパンやるだけ。
ひたすら型抜きしてオーブンにかけること5回以上。
レシピ通り作ったら60枚くらいできてしまった。
こう並べてみるとなかなか迫力あっていい。
オーブンのコツも掴めてきたぞ。
ちょっとオサムの話をしようか
オサムとはイラストレーターの原田治さんのこと。敬意を込めてオサムと呼んでいる。
私が幼少期の頃、父がいつも仕事帰りにおみやげで買ってきてくれたミスドことミスタードーナツ。スクラッチカードを削って点数を貯めると、オサムイラスト入りのグッズがもらえたのだが、これが実にかわいくかつ優秀。毎度点数を貯めては交換していたので、今でも実家にはたくさんのミスドグッズがある。
話は遡るのだが、昨年の秋、実家からあふれんばかりの救援物資が届いた際、オサムグッズも海をこえてやってきた。
梅を格納してくれているオサムのお弁当箱は、よく海苔巻きとかお稲荷さんを母が詰めてくれたものだ。懐かしくて涙がでる。調べたら91年のもの。そりゃ人生ともにしてきた感さえあるわ。
そして左にみゆるオサムのシリコン型は、スイーツ天使のみっちゃんことみちさんの投稿で知って、雑誌の付録なのだと教えてもらい、速攻母にお願いして荷物に入れてもらったものだ。こんなものが雑誌の付録って、どーなってんの日本・・・うらやましすぎるんだが。
この型には蒸しパンのレシピがくっついていたので、すぐにレシピ通りに作ってみた。
か、かわええ・・・
自慢げにOtto氏に見せたら、どれどれとメガネ男子をピックアップして味見をし始めた。定番のアレをぬってだね。
オサム蒸しパン・塩キャラメル風味
水平方向にスライスしてソースをぬりたくるという、見た目のかわいさを損なわない手法に拍手である。
別の日は、マドレーヌの生地を流し混んでみた。
オサム・マドレーヌ
ちょっと焦げた。。
カリカリして美味しかったけど。
無謀かなあとおもいつつ、プリンにも挑戦。
オサム・焼きプリン
やっぱり無謀だったか、顔つぶれちゃったよ(涙)
猫の耳は崩れるしカラメルはあふれるしでなかなか難儀。
でも美味しいことには美味しかった。
マドレーヌ・リベンジ
今回は、マドレーヌの型だけじゃつまらないなと、オサムマドレーヌも作ってみることにした。
ごくごくオーソドックスなフランス家庭のマドレーヌレシピにて。
生地は一晩休ませるところを3時間休みでお願いした。
焼き上がりがこちら。生地いれすぎた説。
型に溶かしバターをがっつりぬって粉をはたいたのだけれども、若干粉が残ってる?のかな。まあそこそこの出来。
そしてこちらが、今回の粉活の成果。THE・茶色。
どれも素朴な美味しさ。そして意外に軽い。
マドレーヌは1週間でなくなって、プチブールは半分くらいなくなったかな?家のことで体を動かすようになったので、小腹が空いたらつまんだり。日持ちするし、なかなかに便利。
一度半日くらいがっつり付き合うと、NEWオーブンともかなり近づけた気がするな。
そのうち茶色じゃなく、調色師の血が騒ぐ派手なものにも手を出してみようか🍰
近所の人気のない坂道(大抵家の周りはそう)を歩いていたら、突如として現れた映えスポットにて。束の間の秋・イン・フランス。
そういえば今週は獣医さんにもいった。血を採られる前の魂抜けてる俺。
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