140字小説×5(歌に影響されて編)

1.

反論したい気持ちは飲み込んで「そうですね」って言わなくちゃ。目の前の相手をぶん殴りたくても「ごめんなさい」って言わなくちゃ。世界に頭を垂れて、「全然ダメでさ」なんて笑って。
そうやって”平穏”を作り出さなきゃ。

『そんなもん捨てちまえ!』

ギターが僕を突き刺す。

波乱が巻き起こる。


2.

僕が僕のままでいられたならこの恋は実ったのかもしれない。君の前で、着飾らずに素のままの自分でいられたなら。

でもダメだったんだよ。

この世界に冷めやらぬ恋なんてなかった。君を愛してたのは事実だったけど、もう私の中のどこを探してもあの時のきらめきはないの。

さよならだね。


3.

運命とかって言葉を使ったらきっと君に笑われるんだろうな。「私たちはそんな高尚な関係じゃないよ」って。偶然でしかなくて、ちょっとしたトラブルですぐに壊れちゃうような関係だって。
君は現実が見えてるようで見えてないな。
僕は自分でも呆れるくらい君のことしか考えてないよ。


4.

僕は君と一緒にいると足りない所ばかり出てきて情けなくなるよ。君は奇跡が人の形になって現れたみたいな存在だから。隣にいることが信じられない。でも、君のことを運命だと思い込んで離したくない。
だから、せめて僕は”一緒にいる”を懸命にやるよ。
離れないで。離さないから。


5.

形だけ保って色褪せていく日々に、貴方は気づいているのかな。貴方は私に自分を分かって欲しくて、でも私は貴方に私を見ていて欲しくて。
バランスが悪くて、合ってない。
だから…だから。
せめて彩られたまま終わりにしよう。
枯れない花を貴方にあげる。
私の分まで貴方が悔いればいい。




あとがき

 これまでに書いた140字を歌に影響されて書いたものに絞って5つ載せてみました。歌に影響されて書いた二次創作的な作品は他にもあるのですが、今回は『初見では恐らく元になった曲が分からないであろう作品』を集めてみました。主には作品の中にタイトルが入っていないものです。これで分かる方がいらっしゃったらすごい。

 インスピレーションを頂いた曲の一覧(敬称略)です↓

1.「希望の歌」高橋優

2.「勿忘」Awesome City Club

3.「O&O」RADWIMPS

4.「オールドファッション」back number

5.「ドライフラワー」優里

 うーん、なんか私の曲の好みがバレている気がする。
 そんなところで今日はこの辺りで。また140字を何作か集めて投稿するかもしれませんし、しないかもしれません。気まぐれなもので。また機会があればよろしくお願いします。
 それでは、またいつかお会いできることを願って。

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