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 紀香は、六カ月間にわたるシャイニングのインストラクター養成コースの全課程を修了し、無事に卒業した。

 そしてこれからは、吉永先生と同じように、エアロビクスインストラクターをやってみようかな、と考え始めた。

 フィットネスクラブのインストラクターには、大きく分けて、クラブに直接社員もしくはアルバイトで雇用されて、フロントでの接客、ジムでの巡回・指導、館内清掃など、フィットネスクラブの運営全般も行いながら、レッスンを行うタイプと、フリーランスで複数のクラブと掛け持ちして契約し、クラブに出入りしてレッスンをするのに専念するタイプがいる。

 紀香は、前者はクラブの仕組みを学ぶには役立つだろうが、自分には難しい、レッスンに特化する方がやっていけるかもしれないと考え、後者を選ぶ方向で考えた。

 しかしここでは、障害者手帳を取った時の苦渋の判断以上の迷いがあった。

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仕事のつまづきで発達障害に気付き、エアロビクスインストラクターに転身し成長していくヒロイン。周囲の人間関係のダイナミクスにどう向き合っていくか?

現代日本を舞台に発達障害のあるヒロインの成長を描いた小説。ヒロインは学校時代を経て就職後につまづき、発達障害の診断をされて再就職しますが、…

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