弓削彼方
兵法書「三略」の解説記事をまとめたマガジンです。
近代の軍事学に関する記事をまとめています。
弓削流軍学に関する記事のまとめ。
私自身の紹介や、兵法講座・軍事学に属さない関連の小話などの記事をまとめています。
動画投稿と連動している、兵法講座の解説記事となります。
皆さまこんばんは、軍師の弓削彼方です。 中略編の講釈を進めていきたいと思います。 今回の話は、前回の続きを考えると理解しやすいと思います。 本文現代語訳 「三王の…
皆さまこんばんは、軍師の弓削彼方です。 ここからは中略編の講釈を進めて参ります。 中略は上略と少し毛色が違いますが、まずは読み進めてみてください。 本文現代語訳 …
皆さまこんばんは、軍師の弓削彼方です。 今回が上略編の最後となります。 本文現代語訳 「軍讖には、『腹黒い者達がお互いに褒め合って、主君の目をくらまそうとする。…
皆さまこんばんは、軍師の弓削彼方です。 三略の解説を進めていきます。 本文現代語訳 「軍讖には、『口だけは上手い無能な家臣が高い地位に居れば、全軍が不満を訴える…
皆さまこんばんは、軍師の弓削彼方です。 上略編の解説も間もなく終わりますので、もうひと踏ん張りお願いします。 本文現代語訳 「軍讖には、『世の中には悪事を企んで…
皆さまこんばんは、軍師の弓削彼方です。 ここからは、君主の下で働く家臣や役人についての話になります。 本文現代語訳 「軍讖の中に、『上の者が暴虐であれば、下の者…
皆さまこんばんは、軍師の弓削彼方です。 少し飽きてくる頃かもしれませんが、頑張って学んでいきましょう。 本文現代語訳 「軍讖には、『軍を動かすときには、まずは必…
皆さまこんばんは、軍師の弓削彼方です。 今回も軍讖からの引用の話です。 本文現代語訳 「軍讖には、『軍に資金がなければ、人材は集まらない。軍に褒賞が無ければ、人…
皆さまこんばんは、軍師の弓削彼方です。 今回は少し長めの内容ですが、早速講釈を進めていきましょう。 本文現代語訳 「軍讖には、『将軍の戦争計画は機密事項として、…
皆さまこんばんは、軍師の弓削彼方です。 続きの講釈を進めてまいりましょう。 本文現代語訳 「そこで、『賢者の智謀、聖人の思慮、民衆の言葉、政治的な意向と、歴史的…
皆さまこんばんは、軍師の弓削彼方です。 今回も三略を学んでいきましょう。 本文現代語訳 「軍讖の中には、『将軍は清廉潔白で何事にも冷静であり、公平であって私心を…
皆さまこんばんは、軍師の弓削彼方です。 三略の講釈を進めていきます。 本文現代語訳 「軍讖には、『賢者が進む所に、その行く手を遮る敵は居ない』と書かれている。そ…
皆さまこんばんは、軍師の弓削彼方です。 まだまだ先は長いので、どんどん講釈を進めていきます。 本文現代語訳 「軍讖には、『名将が一軍を統率する時は、まずは自分が…
皆さまこんばんは、軍師の弓削彼方です。 今回は少し長めの話になります。 本文現代語訳 「一軍を統率してその勢いを保つのが将軍の役目であり、敵を打ち破り勝利を得る…
皆さまこんばんは、軍師の弓削彼方です。 今回は先の三略講釈【上略-12】でお話しした、「一度出した命令は変更してはいけないのか?」と言う疑問に対して、少し考えてみ…
皆さまこんばんは、軍師の弓削彼方です。 今回も進めてまいりましょう。 本文現代語訳 「軍讖には、『将軍が威厳を保つことができるのは、号令が的確だからである。戦い…
皆さまこんばんは、軍師の弓削彼方です。 中略編の講釈を進めていきたいと思います。 今回の話は、前回の続きを考えると理解しやすいと思います。 本文現代語訳 「三王の時代には、民衆を統制するために道徳を柱にした。それで人心を得て、人々の志をまとめ、法律を作って乱世に備えた。天下の諸侯が集まって、王の役目を尊重し従うと誓った。だから軍事の備えは万全にしてあったが、実際に戦争が起こる心配はなかった。君主は臣下を信頼しており、臣下も君主のことを信頼していた。国は安定していて君主に心
皆さまこんばんは、軍師の弓削彼方です。 ここからは中略編の講釈を進めて参ります。 中略は上略と少し毛色が違いますが、まずは読み進めてみてください。 本文現代語訳 「三皇が治めていた時代には、わざわざ命令を出したり法令を作らなくても、彼らの人徳は天下に広まった。だから人々は、それが誰の功績であるかを知る者は居なかった。 次の五帝の時代には、天や地の自然の道理に則り、命令を出したり法令を整えたので、天下は治まっていた。君主と臣下はお互いに功績を譲り合い、その徳は天下に広まっ
皆さまこんばんは、軍師の弓削彼方です。 今回が上略編の最後となります。 本文現代語訳 「軍讖には、『腹黒い者達がお互いに褒め合って、主君の目をくらまそうとする。また、必要以上に他人を貶めたり褒めたたえたりして、主君の耳を塞ごうとする。自分に都合のいいことだけを報告して気に入られ、心から忠誠を誓う者を主君から遠ざけようとする。そこで君主が、彼らの意見がおかしいと言うことに気付けば、腹黒い者達の企みを暴くことができる。そして清廉潔癖な賢者を登用すれば、腹黒い者達は自然と居なく
皆さまこんばんは、軍師の弓削彼方です。 三略の解説を進めていきます。 本文現代語訳 「軍讖には、『口だけは上手い無能な家臣が高い地位に居れば、全軍が不満を訴えるようになる。そのような者は、君主の威光を借りて勝手な振る舞いをするくせに、実際には兵士と一緒に行動をしない。戦場でも進むわけでも退くわけでもなく、一時しのぎの策でごまかそうとする。そのくせに自己評価だけは高く、小さな手柄を一つ立てれば大手柄を立てたかのように誇る。立派な人物を誹謗中傷し、凡庸な人物を引き立てる。善悪
皆さまこんばんは、軍師の弓削彼方です。 上略編の解説も間もなく終わりますので、もうひと踏ん張りお願いします。 本文現代語訳 「軍讖には、『世の中には悪事を企んで、県の役人を押しのけて権力を奪う者が居る。そして何かをするたびに賄賂を要求し、法律を自分の都合がいいように解釈して好き勝手をする。このような者は君主の身に危険を及ぼす。これを国賊と言うのである』と書かれている。 軍讖の中には『役人が多いわりに民衆が少なく、尊い者と卑しい者の区別がはっきりしない。強者と弱者がお互い
皆さまこんばんは、軍師の弓削彼方です。 ここからは、君主の下で働く家臣や役人についての話になります。 本文現代語訳 「軍讖の中に、『上の者が暴虐であれば、下の者は疲弊してしまう。税金が重く、しかも何度も取り立てられ、刑罰が厳し過ぎるほど適用されれば、民衆は道理を失い互いに奪い合うようになる。このような状態を亡国と言うのである』と書かれている。 軍讖には、『貪欲と言える醜さを内に秘めながら外からは清廉潔白に見え、ありもしない名誉を作り上げて名声を得る者が居る。公費での仕事
皆さまこんばんは、軍師の弓削彼方です。 少し飽きてくる頃かもしれませんが、頑張って学んでいきましょう。 本文現代語訳 「軍讖には、『軍を動かすときには、まずは必ず敵の内情を調べ、特に倉庫をよく確認せよ。倉庫の食料の備蓄具合を調べて、敵が強いか弱いかを判断せよ。敵地の天候や地形を調べて、相手の隙がある場所を狙え』と書かれている。 もし敵国が戦争中でもないのに、食料を運び込んでいるようなら、その国は食料不足なのである。民衆の顔色が悪いのなら、これもまた食料不足の証拠である。
皆さまこんばんは、軍師の弓削彼方です。 今回も軍讖からの引用の話です。 本文現代語訳 「軍讖には、『軍に資金がなければ、人材は集まらない。軍に褒賞が無ければ、人材はやって来ない』と書かれている。また軍讖には、『美味い餌の所には、必ず魚が集まって来る。十分な恩賞のある所には、必ず勇敢な兵士が集まる』と書かれている。そこで礼を尽くせば優秀な人材が集まり、十分な恩賞があれば命を懸けて働く人材が集まる。だから礼を尽くして招いて、十分な恩賞を約束すれば、求めている人材が集まるのであ
皆さまこんばんは、軍師の弓削彼方です。 今回は少し長めの内容ですが、早速講釈を進めていきましょう。 本文現代語訳 「軍讖には、『将軍の戦争計画は機密事項として、外部に漏れないようにしなければならない。将兵の心は一つにまとまるようにしなければならない。敵を攻めるときには、疾風のように素早く行動しなければならない』と書かれている。 将軍の計画が外部に漏れなければ、その情報を手土産にして敵に寝返ろうとする者は居なくなる。将兵の心が一つにまとまっていれば、全軍の団結力はより強く
皆さまこんばんは、軍師の弓削彼方です。 続きの講釈を進めてまいりましょう。 本文現代語訳 「そこで、『賢者の智謀、聖人の思慮、民衆の言葉、政治的な意向と、歴史的な国の興亡の原理については、将軍はよくよく耳を傾けなければいけない。将軍が兵士のことを、喉が渇いた者が水を切望するように必死に思ってやれば、兵士も将軍の策に従うであろう』と言われるのである。 将軍が諫言を拒むようであれば、英雄と呼ばれるほどの人材も逃げて行ってしまう。せっかく良い策を考えてもそれが取り入れられなけ
皆さまこんばんは、軍師の弓削彼方です。 今回も三略を学んでいきましょう。 本文現代語訳 「軍讖の中には、『将軍は清廉潔白で何事にも冷静であり、公平であって私心を持ってはならない。人からの注意を素直に受け入れ、部下からの提案には耳を傾けなければならない。優秀な人材の登用に力を入れ、彼らの意見を取り入れなければならない。その国の風俗を理解し、山や川などの地形を把握しなければならない。そして地の利を活用し、軍権をしっかりと握るのである』と書かれている」 解説 将軍たる者の心
皆さまこんばんは、軍師の弓削彼方です。 三略の講釈を進めていきます。 本文現代語訳 「軍讖には、『賢者が進む所に、その行く手を遮る敵は居ない』と書かれている。それ故に、君主であっても将軍に任じた賢者に対しては、驕ることなく謙虚に接しなければならない。将軍が仕事に専念できるようにして、不安な気持ちにさせてはならない。将軍が立てた作戦は慎重に検討はするが、その成功を疑ってはいけない。 もし君主が将軍に驕った態度で接すれば、部下達も将軍に従わなくなる。そんな状態で将軍が不安な
皆さまこんばんは、軍師の弓削彼方です。 まだまだ先は長いので、どんどん講釈を進めていきます。 本文現代語訳 「軍讖には、『名将が一軍を統率する時は、まずは自分が思いやりを持って人と接する』と書かれている。思いやりをもって兵士に恩恵を与えてやれば、兵士の士気は日に日に高まっていく。その状態で戦えば、疾風のように動き、敵を攻めるときは決壊した河の水のような勢いで襲い掛かる。だから敵はあえて戦おうとせず、実際に戦闘になることもないだろう。敵は降伏するしかなく、勝とうとすら思わな
皆さまこんばんは、軍師の弓削彼方です。 今回は少し長めの話になります。 本文現代語訳 「一軍を統率してその勢いを保つのが将軍の役目であり、敵を打ち破り勝利を得るのは兵士の役目である。だからこそ、乱暴な者を将軍にして一軍を任せてはいけないし、統率の取れていない兵士を敵と戦わせてはいけないのである。城を攻めたのに落とすことができず、村を包囲しても奪い取ることができない。どちらでも結果が出なければ、兵士は疲れるだけで士気が低下してしまう。兵士が疲れて士気が下がれば将軍は孤立して
皆さまこんばんは、軍師の弓削彼方です。 今回は先の三略講釈【上略-12】でお話しした、「一度出した命令は変更してはいけないのか?」と言う疑問に対して、少し考えてみたいと思います。 三略講釈【上略-12】 皆さまは軍事の専門家ではないので、話を単純にして考えていきましょう。 「明日はあそこに見える敵と決戦である。敵の数は我が軍の半数ほどであるから、左翼と中央は前進して正面から敵を攻撃し、右翼は敵の背後に回るように移動してから攻撃せよ」と言う命令が出されたとします。 左翼と
皆さまこんばんは、軍師の弓削彼方です。 今回も進めてまいりましょう。 本文現代語訳 「軍讖には、『将軍が威厳を保つことができるのは、号令が的確だからである。戦いに毎回勝利するのは、軍隊の組織管理が適切だからである。兵士が戦いを恐れないのは、命令が正しいと信じるからである』とある。だからこそ将軍は、簡単に命令を取り消すようなことはせず、賞罰の取り決めは必ず天と地の巡りのように公正に行い、誰もがその結果を信頼できるようにしてから将兵を扱うのである。 そうすることで兵士達に命