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三略講釈【上略-20】

皆さまこんばんは、軍師の弓削彼方です。
少し飽きてくる頃かもしれませんが、頑張って学んでいきましょう。

本文現代語訳

「軍讖には、『軍を動かすときには、まずは必ず敵の内情を調べ、特に倉庫をよく確認せよ。倉庫の食料の備蓄具合を調べて、敵が強いか弱いかを判断せよ。敵地の天候や地形を調べて、相手の隙がある場所を狙え』と書かれている。
 もし敵国が戦争中でもないのに、食料を運び込んでいるようなら、その国は食料不足なのである。民衆の顔色が悪いのなら、これもまた食料不足の証拠である。もし戦争となって遠く千里の先まで食料を運んでいるなら、兵士も飢えに苦しんでいる。その都度薪を集めて米を炊くようであれば、その軍は十分に腹を満たせていない。食料を千里も離れた場所まで運んでいるなら、その国では一年分の食料が不足する。これが二千里であれば二年分不足し、三千里であれば三年分不足するのである。このような状態を国が虚しいとして国虚と呼ぶ。
 国虚であれば、民衆は貧しくなる。民衆が貧しくなれば、上下の信頼はすぐに失われてしまう。そうなると、この弱みを狙って国外からは敵が攻めて来て、国内では民衆が盗みを行うようになる。この状態を国が必ず潰れるとして、必潰と言うのである」


解説

最初に敵国の地形や気候と、国民の状態や軍隊の内情など多面的な情報収集が重要だと言うことが述べられています。
その中でも物資の備蓄、特に食料の備蓄状態は国そのものの状態を知るのに大いに役立ちます。
戦争中でもないのに他国から食料を運びこんでいるなら、その国の生産力が足りずに常に食料が不足している証拠です。
食料が足りなければ国民は誰もが食事に困り、顔色が良くないことからも察することが出来ます。
また戦争中であって遠征している軍隊に食料を輸送している場合、その距離に応じてどれだけ国内で食料が不足するか知ることができます。
そして三千里も離れた遠征軍に食料を運ぶようでは三年分の食料が不足し、その様な状態であれば国内には何も残っていないのと同じであると述べられています。
そのような状態を国虚と呼び、国虚であれば国民は困しみ、信頼関係は崩れ、国民が自国で盗みを働くような状態になってしまいます。
このように国内が乱れて隙だらけであれば、その隙を突いて敵国が攻めて来るのは間違いなく、攻められればまず勝つことはないでしょう。
この状態を必潰と呼び、そうならないように気を付けなければなりません。

食料の備蓄状態によって敵のことをよく知ることができると同時に、遠征によって発生する食料不足と、食料が不足することによって生じる弊害の大きさをこの節で学ぶことができます。


今回の講釈はここまでとなります。
それではまた、次回お会い致しましょう。

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