元人形町、現ドイツ在住

映画が好きだと思い立ってオーストラリアの映画科へ留学。が、その夢はあっさり諦め今は平凡…

元人形町、現ドイツ在住

映画が好きだと思い立ってオーストラリアの映画科へ留学。が、その夢はあっさり諦め今は平凡なサラリー(ウー)マン。ハンガリーに赴任経験あり、夫はドイツ人、でもレトロな日本好き。近所の大正創業の喫茶店に通い、ふと思ったことなどを綴っていたけれど、今はドイツ生活のてんてこ舞いを綴ってます

最近の記事

ドイツの喫茶去

移住して2ヶ月が経った。ドイツには驚かされてばっかり。そんな中で見つけた私の喫茶去。ここは朝8:30からしか開かないので毎朝ぴったりに行く。アメリカーノが絶品。毎日いろいろあって揉まれて戦って落ちこんでくたびれて、夜寝る前に思うのが明日の朝のアメリカーノ。これしか楽しみがないと嘆くより、楽しみがあってよかったと思うように努める。

    • ドイツにはびっくり

      もちろん来たのは初めてではないが、住むことになったのは初めて。住み心地の良い日本を離れてしまったんだと思うせいか、目につくのは例えば… 夏なのに寒い 今年、それも先週今週が特におかしな気候らしいが街で5人に1人はダウンを着てるほど寒い。日中15〜6度。夏が過ごしやすいと聞いてはいたけどそれを通り越している。 タバコが煙い 久しぶりのこの経験。街を歩いてるだけで煙を吸い込むなんて東京ではもはやあり得ない。たまには違反者もいるが、基本喫煙所で吸いましょう。 日曜日は店が休み

      • 喫茶去あらためドイツ

        2022年7月、元の家から10分離れたところへ引っ越すと快生軒からの距離が離れてしまった。最初は自転車で通っていたが1ヶ月もするとだんだんと遠のき、近所にある全く逆と言っていい雰囲気のカフェに行き始めた。ソファでなく丸いスツール。クラシックでなく今風の音楽。見守り系でなく距離を詰める系の接客。でもそれも心地よくなって、朝少しの会話を交わしながらも読書に没頭できる不思議な居心地の良さを発見した。 こちらのカフェに通うようになって一年が経って、兼ねてからチャンスを伺っていたドイツ

        • 喫茶去20220307

          2番目の席に座るようになって久しい。 いつ来ても例のおじさんが1番の席にいて、たまに時間をずらして来ても別のお客さんがいる。それだけ世の中の人が動き始めたということ、お店にとってはいいこと、このお店が100年先もずっと続いてほしいと願う私にとってもいいこと。でもあの静けさと毎日座っていた1番の席が恋しい。でもおじさんは、もしかしたらコロナ前にはずっとあそこの席にいた人なのかも知れない。戻れて、毎朝の幸せを噛み締めているのかもしれない。コロナ禍に私がそうだったように。アメリカン

          喫茶去20220204

          入った瞬間に感じた懐かしさ。毎朝来ている同じ喫茶店なのに今日はほんわり、ほっとしている。でも理由は明確。店内には誰もいなくて私1人だったから。この状況が懐かしいと思っているから。コロナ禍の毎日、こんな状態だった。ほぼ毎回この窓際のお気に入りに座っていた。ところが最近ライバルが現れ、いつも私より前にこの席に座っているおじさまがいる。 その方以外にもお客様が増えて、2番目のお気に入りも3番目も空いていないことさえある。この大好きな喫茶店が100年先も続いてほしいから喜ばしいことと

          喫茶去20220124

          曇り空の月曜日。窓際の席で経済の本など読んで勉強したいが集中できない。いつもの音楽が聴こえてくる。コーヒーの味について考える。ふと弟の家族のことが思い浮かぶ。とりとめもない思考回路。この週末はどこにも行かず、家の整理整頓、料理、Netflix、夫との有意義な会話もなく過ぎてしまったことに鬱々としていたところへなぜか突然この音楽と思考回路のコンビネーションがマッチする。あっ、と一筋の光や未来が見える瞬間がある。急にプラスの気持ちがやってきて、それを逃さないように窓の外を見る。曇

          喫茶去 20211206

          12月に入ってここもインテリアやいつもの音楽がクリスマスに変わり、相変わらずのトーストとバターのいい香りとコーヒー豆を挽くときの香ばしい香りが交互に来て、幸福な異空間にいるような気分になる。静かなクリスマスの雰囲気を味わいながら、ダイバーシティが言われる昨今、誰彼にもメリークリスマスと言ってはいけない、なんてそんなことはここではどうでもよくて、子供時代を懐かしみながら古き良き時代を味わわさせてくれる、こんな喫茶店が100年先も続いてほしいと願う。 20211206 喫茶去快

          喫茶去 20211029

          母が人形町に来る時は美味しいランチが目的なことが多い。その後に私はこの喫茶去を紹介したいと幾度も計画したが、新しい抹茶やさんに入りたがったり、コーヒーはいらないと言ったり、ランチのレストランでいただいたり、なかなか連れてくることができない。まぁ、ここの良さをわかってもらいたいから連れてきたいのだけど、そもそも母はこの良さに同じように感動するだろうか。好みも感じ方も違うし、ここからの人生、母がやりたいと思うことや好きだと思うことに私が近づいていくべきなんだとふと気づく。私も大人

          喫茶去 20211016

          友達2人と人形町ハシゴ飲みをした翌朝、うっすら頭が痛いまま喫茶去へ。いつものように本を開いても、携帯見ようにも、目が痛くてすぐ閉じてしまう。ぼーっとする時間もいいな、と思いながらトーストをシェアするかわいいカップルを眺めたり、人が頼んだ新メニューの抹茶プリンをチラ見したり。そしてまた若いカップルが一組入ってきて隣に座ると、水天宮の袋が目に入った。軽い二日酔いでぼーっとしてる頭に昨夜の記憶がズバっと戻る。”さっちゃんが妊娠してるの知ってる?” なんだか胸が痛む。更には昨夜眠れず

          喫茶去 20211013

          ほとんど毎日来ているとパターンがあるようでないことに気づく。私の来る時間もある日は7時台だし、大抵は8時頃だし、水曜日は9時台になることもある。それぞれの時間帯に同じ顔をみるが、全く新しい客も当然来るし、そう言った人でいっぱいな時もあるし、早朝には珍しいサラリーマンの2人組が朝からアイスクリームを頼んだり、そんな観察も楽しみの一つだ。今日はもう10時を過ぎている。地元の常連さんと思われるおじさん4人が1人ずつ入ってきては挨拶し、心地よい会話が聴こえる。 20211013 喫

          喫茶去 20211008

          相変わらず通い続けている快生軒。先日、10年前の大震災と同じくらいの規模と言われた地震があった翌日、マスターの方から昨日大丈夫でしたか、と聞いてくれた。顔馴染みではあっても気安く話したりしない、こちらから詰めない限り一定の距離を保ってくれ、わたしもここを毎朝読書をする神聖な場所のように思いたいので俗な話はしない。そうした中でもまず最初に大丈夫でしたか、と話してくれた心遣いと丁度いい判断が嬉しくもあり、感心し、この土地、街のコミュニティの一部になれている心地よさがあった。しみじ

          喫茶去 20210531

          毎朝常連となった 快生軒でドイツのことを書いた大作を3〜4冊、何ヶ月にもわたって読み続けた。最後の本が終わるとしばらく夢中になれる作品がなく、2週間ほど 快生軒には来ていなかったが、また読みたい本が見つかって今朝来てみた。この2週間で季節はすっかり暖かくなり、ドアを開け放ったまま相変わらずのクラシックが流れている。しかしすっかりこのクラシックたちがドイツの物語とリンクしてしまった。聴くほどにあの衝撃や、ノスタルジーや、登場人物たちのことに思いを馳せてしまって読みたい本が進まな

          喫茶去 20210210

          毎朝喫茶店でカフェオレを飲みながら読書をする。 オーダーして、伸びをして、カフェオレがくると読書を初めて、温度が良くなった頃一口飲み、読書を続け、またカフェオレに手を伸ばす。するとその時に急に控えめなクラシックが聴こえてくる。入った時からずっとかかってたはずの音楽が、なぜかこのタイミングで耳に入る。 席に着いた時、伸びをしたとき、ぼーっとカフェオレを待っている時には聴こえない。 20210210 喫茶去 快生軒にて