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喫茶去あらためドイツ

2022年7月、元の家から10分離れたところへ引っ越すと快生軒からの距離が離れてしまった。最初は自転車で通っていたが1ヶ月もするとだんだんと遠のき、近所にある全く逆と言っていい雰囲気のカフェに行き始めた。ソファでなく丸いスツール。クラシックでなく今風の音楽。見守り系でなく距離を詰める系の接客。でもそれも心地よくなって、朝少しの会話を交わしながらも読書に没頭できる不思議な居心地の良さを発見した。
こちらのカフェに通うようになって一年が経って、兼ねてからチャンスを伺っていたドイツ移住が叶った。
カフェの皆さんにも、以前通っていた喫茶去快生軒にもお礼とご挨拶をした。
家族や友人と離れるのが寂しいのはもちろんのこと。でも親しんだ地域の親しんだお店や店員さんと離れることは、懐かしく思っても連絡がとれない不安が伴う。ずっと願ってきたように、快生軒がこのまま100年続いてくれて、私より若い店員さん兄弟が変わらずいてくれることをただ願うしかない。そして私はドイツでまた新たな居心地をみつけるしかない。

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