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なぜその顔が好きなのかを、そろそろ科学で解明しておきたい。

あの人の顔が好き。

というのは厄介なもので、好きだという前向きな気持ちであるにも関わらず、後ろ向きな言葉として使われることが多い。

まるでその人の内側を見ず、上辺だけを見ているかのような意味合いに捉えられる。

確かに、そうである場合もあるのかもしれない。

ただ、内側を好きだと言ったところで、その人の良い部分、自分にとって都合の良い部分だけを見ていて、そうでない部分は見ていなかったり見えていなかったりすることもある。

だとしたら、それもこれもあまり変わらないのではないかと思ったりする。

外側が取り繕えるのと同じように、内側だって見えていないのだからいくらでも取り繕える。

内側が本当のその人で、外側は飾りのように扱われがちだけれど、外側も内側も、取り繕ったその姿や考え方も、全部その人から出てきたものであればその人ということで良いのではなかろうか。

と、考えてしまうのは、自分の中にある「この人の顔が好き」を正当化したいからなのかもしれない。



昔からずっと、顔がめちゃくちゃ好きな人がいる。笑った顔は特に。

最初にそれを思った時と比べると、その人はすっかりおじさんになってしまったけれど、笑った時は相変わらず5歳児みたいな可愛らしい顔になる。

MAXで笑ってこんなに可愛いおじさんはなかなかいない。奇跡の顔面なのかもしれない。

この20年くらいを思い返してみても、彼を上回る笑顔に出会っていない。初恋のあの人よりも、始めての彼氏のあの人よりも、入れ代わり立ち代わり私の心に入ってくるイケメン俳優の誰よりも素敵な笑顔だと感じる。

20年間、不動の1位。20年もずっと1位ならそろそろ殿堂入りさせてあげても良いのに、これからもずっと現役で1位争いをさせるつもりでいる。

しかしこのへんで、なんでこんなにその顔に惹かれるのかを真剣に考えてみようと思う。



まず、笑顔というものについて調べた。

理想的な笑顔というのは、アスペクト比が1.618なんだとか。

アスペクト比というのは、長方形における縦と横の比率のこと。

縦:横=1:1.618という比率は黄金比と言われていて、安定した美観を与えるらしい。

黄金比は歴史的建造物や美術品に取り入れられることも多く、それ以外にも、私達の身の回りにもたくさん用いられている。

名刺、クレジットカード、煙草の箱などなど…

AppleやGoogleのロゴにも用いられているんだとか。

笑顔におけるアスペクト比は、両目尻と口の端を長方形で繋げた時の縦横比のことで、これが黄金比に近づくほど魅力的な笑顔になるらしい。

そこで、ある瞬間の彼の笑顔を切り取って分析してみた。

縦:横=1:1.630

めちゃくちゃ黄金比に近かった。

ひとつだけでは信憑性が無いので、私が好きな笑顔を10ほど集めて同じように分析してみた。

誤差はあれど、だいたい同じになる。1.630~1.711くらい。

ただ、それは同じ人の笑顔を、しかも私が好きな笑顔を集めているのだから、当たり前と言えば当たり前な気がする。

ある論文では、成人男女20人で無表情の場合と笑顔の場合の画像を用いて実験していた。

結果、無表情のアスペクト比は最小値1.26、最大値1.54。これに対して笑顔のアスペクト比は無表情よりもばらつきが少なく、最小値1.57、最大値1.73。さらに、試料の70%はアスペクト比1.60~1.65の間だったらしい。

ということは、造形美的な意味で彼の笑顔が特別どうということではなく、そもそもその値に近づいた状態のことを笑顔というのかもしれない。

つまり、彼の笑顔の全てが黄金比であるけれど、黄金比の全てが彼の笑顔というわけではない。的な。

それなのに、私は黄金比に近い笑顔の全てを好きになるわけではなく、彼の笑顔が特別ものすごく好き。

何がそうさせているのだろう。

最初に述べたように、私の好きな彼はすっかりおじさんになってしまった。現在42歳。

昔からずっと丸顔で、目も大きくて、42歳にしてはとても可愛らしい顔をしていると思う。

童顔というやつか。そう。童顔。


と、いうわけで、童顔について調べた。


童顔というのは、つまり幼い顔のこと。

幼い顔というのは、広い額、大きな目、小さな鼻、小さな口、小さな顎、目と目 の間隔が広いなどの特徴がある顔のことで、そもそも人は皆その特徴を持って生まれて、年齢と共にその特徴は変化していく。

その変化は主に顔の下半分が大きく(長く)なっていくという方向性を持っていて、大人の顔というのは、額(生え際)から眉下、眉下 から鼻下、鼻下から顎先までが同じ長さで等分(黄金分割)されているのが理想であるらしい。

それが子供の場合には顔下部が小さく、目が中央に位置する。だから顔における目のサイズは大きく見え、額も広く見えるんだとか。

そこで、また彼の顔を分析してみた。

額(生え際)から眉下:眉下 から鼻下:鼻下=1.333:1:1

額が大きめで、顔下部が比較的小さいということが分かった。やはり彼は幼い顔をしているらしい。

童顔のことを考えていてふと思い出した。

そういえば私は昔からずっと、年上の童顔が好きだ。狂おしいほどに。

だからだよ。

と、言われたらそれはもう全くその通りで、それ以上でも以下でもない。

でも、年上の童顔なんてこの世に溢れているし、私の好きな顔ランキングにの中だけでも大量にランクインしている。

なぜその中で彼が不動の1位なのか。なぜずっと好きな顔なのか。

そもそも何かを好きだと思う瞬間というのは、どんなだろう。

一匹狼で、愛想も悪く、いつも反抗ばかりしているヤンキーが、道端の捨て猫に優しい笑顔を見せる瞬間。

普段はナヨナヨしていて頼りないヤツが、ピンチの時に男らしく助けてくれる瞬間。

何事も完璧に熟す完璧人間が、そんなことが⁉︎というような事を苦手としていると知った瞬間。

ギャップというやつか。そう。私たちはいつも、ギャップにやられる。


と、いうわけで、ギャップについて調べてみた。


ギャップに関する心理現象のひとつに「ゲインロス効果」というものがある。

ゲインロス効果というのは、人の心理状況において、プラスとマイナスの変化量が大きいほど、人の心に影響を与える度合いが大きくなる効果のことだそう。

ある実験で、最初から最後までずっと褒められた時よりも、最初は否定的なことを言われて、徐々に肯定的になって、最終的に褒められた時の方が、言われた側はより高くその相手に好意を持つことが分かったらしい。

ずっと一定のプラスよりも、マイナスからプラスになった方がより惹かれる。

プラスやマイナスという概念は取っ払って、変化量によって心に影響が与えられるという部分だけを参考にさせていただくと

42歳のおじさんが、笑うと5歳児になる。このギャップもそれと似ているのだろうか。

5歳児のように笑っているかと思うと、急に鳥肌が立つほど力強い声で歌をうたう。このギャップも。

力強い声でうたっているかと思うと、すごく優しい大人の顔で、心にぽんと手を添えてくれるような柔らかい言葉を話す。このギャップも。

すごく優しい大人の顔で話しているかと思うと、急に変なことを言って5歳児のような顔で笑う。このギャップも。

プラスやマイナスという概念を取っ払った時点で、それはもうゲインロス効果ではなくなってるけれど、ギャップが私の心に影響を与えているというのは間違いではない気がする。

ただ、確かではない。


結局、答えは出ない。

無理矢理に推測するならば

アスペクト比が黄金比にとてつもなく近い、理想的な笑顔だということ。

私が狂おしいほどに年上の童顔が好きで、数値的にも童顔だと証明されたこと。

沢山のギャップが存在しているということ。

今回調べたこれら全てのことが、絶妙なバランスで組み合わさっているから、私の好きな顔ランキング不動の1位なのではないだろうか。


すっきりはしていない。

だから、これからもまだまだたくさんの可能性を推測して、答えに近付いていきたいと思う。

答えに近付いたところで何にもならない。

それもまた、科学の面白いところなのかもしれない。



今回、顔の数値を分析するにあたって、主に使わせて頂いた動画はこちら↓




もちろん顔だけでなく、音楽も素晴らしいのでぜひ。



※嘘は言っておりませんが、素人調べの素人解釈です。ヘラヘラと見守ってください。

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