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関心領域

関心領域

私が映画館で、映画を観終わる前に途中退出したのは、3歳の頃家族に連れられて観た『千と千尋の神隠し』だ。
お父さんとお母さんが豚になってしまうシーンで泣き出して、映画館を後にしたらしい。
その当時の記憶はなく、(記憶があったらトラウマで、今頃映画が嫌いだったかもしれない笑)今では何度も観るほど、とても大好きな作品になっている。

関心領域を観た時、その時と同じように、今すぐ映画館を飛び出したいという

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『悪は存在しない』in横浜シネマリン

『悪は存在しない』in横浜シネマリン

『悪は存在しない』を観た。面白かった!
映画を観た後、感想を上手く言葉に出来ず、今日もずっとこの映画のことを考えている。

映画を観て気になったのは、対比と視点。

対比
都会と田舎、上と下、建設と破壊。
あらゆるものが対比されている。

視点
車視点、鹿の死骸視点、植物視点。
まるで、画面に映る全てのものに命があり、生きているかのような視点。
長回し、歩いている人を追う視点、上を見上げながら歩い

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全国のミニシアター巡りがしたい

全国のミニシアター巡りがしたい

『死ぬまでにしたい10のこと』という映画を観たことがある。観たのはもう7年も前だった、びっくり。

その映画を観て、
私も、死ぬまでにしたいリストを作った。

北欧に行きたいとか、オーロラを見たい、全国の餃子を巡りたいとか、様々書き出している中、
今年いくつか行きたいと思っているのが、
「全国のミニシアター巡り」だ。

動画配信サービスの普及やコロナの影響などで、映画館の閉館や、本屋、TSUTAY

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月曜の朝、モヤモヤ気分と落下の解剖学

月曜の朝、モヤモヤ気分と落下の解剖学

月曜日の朝、トム・ウェイツを聴き、穏やかな気持ちでいたいのに、モヤモヤ気分。
昨日の夜に観た『落下の解剖学』のことをずっと考えている。

久しぶりに150分以上の作品を映画館で観た。
乾燥で目がカラカラになった。

思っていた結末とは違う。と思ったけど、
重要な部分は始めから、私の思っていた”それ”ではなかったのだろうなと思う。

この映画を観て、普段、いかに表面上のものしか見ていないということを

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満月の夜、夜明けのすべて

満月の夜、夜明けのすべて

久しぶりに再開した音楽を聴き、
久しぶりの景色を眺めながら、
久しぶりに行く街の映画館へ向かう。

向かう途中、高校生の頃によく行った運動場のことを思い出した。
今でもまだあるのだろうか。向かう道を覚えているだろうか。用事はないけど久々に行ってみたい。
そんなことを考えながら、電車に揺られた。

久しぶりの街の映画館で『夜明けのすべて』を観た。
PMSとパニック障害の2人。

理解できないからと距

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体調不良とお弁当

体調不良とお弁当

プルーン飲むヨーグルトを飲みたいのに、ストローが上手くささらない。頭が回らない。
まだ2月というのに、外は20度近くになっているらしい。
少し風を浴びたいけれど、外に出る気力がない。
そんな体調不良の日に、映画 ちひろさんを観た。

正直食欲もなかったはずなのに、
お弁当食べたい、食べなきゃって気持ちになった。
なにより、絶不調な私に元気をくれてありがとう。

「どこか遠くに行こうかなって思ってる

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PERFECT DAYS

PERFECT DAYS

PERFECT DAYSを観た。
気がつくと役所さんの虜になっていた。

映画を観て、
最近自分自身が忘れていた、なにかについて思い返すことができた。本当に観ることができてよかった。

笑顔で玄関を出る朝の始まり、細かな日々の変化に気がつくこと。

こんな生活を私は送れているのだろうか。
猫のいない街に引っ越して、
慣れない日常に、気がつくと笑顔を忘れて、眉間に皺ばかり寄せていたような気がする。

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2023映画ベスト5

2023映画ベスト5

12月中にもう少し映画を観れたらいいなと思っているので、今のところのランキング

5.アンダーカレント
映画館で観て色んなことを考えすぎたのか、家に着く頃にはクタクタで、
そんな中、食べたご飯が本当に美味しかったし、涙出た。
原作を読んだけれど、答えは見つからず、
わからないままでいいのかもってなった。

4.82年生まれ、キム・ジヨン
観終わった後、かなり引きずった。
生き方を考えさせられたし、

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あったものがなくなる悲しさと感情の変化について

あったものがなくなる悲しさと感情の変化について

久しぶりにTSUTAYAに行った。
閉店が近いので規模が縮小し、レンタルスペースはすでに狭くなっていた。
狭くなったレンタルスペースを見ていたら悲しくなり、借りるのを躊躇った。
借りずにそのまま帰ろうとしていたら、偶然、パロアルト・ストーリーを見つけた。
ゴーストストーリーを観た後、不意にこの作品のことを思い出し、久々に見返したくなっていたので、見つけた時は運命を感じた。

パロアルト・ストーリー

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ここじゃないどこかに行きたい感覚がずっとある

ここじゃないどこかに行きたい感覚がずっとある

インサイド・ルーウィン・デイヴィスを観た。
コーエン兄弟のずっと観たかった作品。

ここじゃないどこかに行きたい感覚がずっとある。
ある場所を離れても、また別の場所に行きたいし、またそこにいても、ずっとはいられないと思う感覚。
ここがどこかもわからないし、どこにいきたいかもわからない。
ただ、ここではないどこかへいきたいし、人生を変えるなにかと出会える、と思いたい。
多くの人が聞いてなくても、誰か

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ゴーストワールド

ゴーストワールド

大学時代の友達と一緒に、ゴーストワールドを観た。

友達と映画館に行くのは、久しぶりだった。
映画はいつも、1人で観ることが多い。
自分の観たい映画が、相手の好みではなく、観たくない映画だったら申し訳ないし、悲しいから。映画に限らず、舞台も、ライブもそうだ。
誘われたり話に上がらない限り、1人で行く。

ゴーストワールドを観るのは2回目だった。
ずっと前から観たいと思っていて、DVDを買い、4ヶ月

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映画smoke

映画smoke

日々を重ねることの美しさと、優しい嘘について。
毎日同じ時刻、同じ場所で写真を撮ること。
同じ場所だけど、行き交う人々や季節は違う、愛おしい日々。
毎朝会う、すれ違う人のことを考える時間。

人を傷つけない優しい嘘。
その嘘で救われる人もいるということ。

本当に大切なものは、いつも気にもとめない煙のようなもの、儚いもの。

5年ぶりに観たリリイ・シュシュのすべて

5年ぶりに観たリリイ・シュシュのすべて

5年ぶりに観た。沖縄のシーンとか全然忘れていた。
身体から一気にありとあらゆるものが抜け落ちた感覚。
観てる間も、観終わってしばらく経っても、呼吸を忘れそうになるくらい苦しかった。
けれど、リリイシュシュの音楽を聴いたり、俳優さん達が20年ぶりに再会している動画を見て、救われた気持ちになった。

飽和。回復する傷が好き。

人をわかるってどういうことですか?

人をわかるってどういうことですか?

後ろ姿が印象的な映画だった。

帰り道に原作の漫画を買い、
「人をわかるってどういうことですか?」「変わること、変わらずにいること」を考えながら、音楽も聴かずただ歩いた。(正確には、歩いてこのモヤモヤを解消したかった。)

答えが出ることはなく、モヤモヤが解消されることもなく家に着くと、結構疲れきっていた。
何もせずに眠ろうと思ったけど、お腹が空いていたので夜ご飯を食べ始めた。
その時、映画館で観

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