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運命の甘い毒
2022年5月18日 18:15
木が揺れている遠くに見える樹が 揺れているザワザワギシギシ聴こえるはずの無い音が聴こえるその揺れを見ると思い出すあの女(ひと)強きひと そして 弱きひと人は多くの自分を持つあの時は剣を持つ武人雄叫びが 森に響くと 木々が揺れる草木に風が這う 風が鳴く守り人剣には多くの血が流れた時がある彼は その時を思う時 心に風が吹
2022年5月18日 17:56
師匠!師匠!これ見てくださいよ!その少年は家に飛び込んでくると嬉しそうに私に話しかける彼と出会って何年になるだろう道端で眠る彼に食べ歩きの残りを渡してから彼との縁は始まったいやどこか遠くでも、、その時は少女だった少女は、いつも私の仕事を見ていた幼い顔はいずれ整った細身の面影を有し「師匠」と呼ぶ何度出会っているのだろう我が苦悩も我が喜びも
2022年5月18日 17:43
わたしは 水色の世界にいる眠りについた わたしは遠き時 その場所にいたその水色は 風のようであり ゼリーのようでもあり甘い香りがしたわたしは、いつも満足げわたしは、いつも幸せそこにいるある時赤い一滴それは、少しずつ世界に広がるまた、一滴それは、わたしに集まり新たな肉体と言うものを作り始めたそれが出来上がるころわたしは、水色の世
2022年5月18日 17:04
一言紡ぐ、言葉(ことのは)の 甘き夢見る、このうつつ多くの時巡りて、ここに立つ冬が終わり春がはじまりの日赤き花その花はこれから咲き誇る 愛の日々をささやくように この部屋で咲いていたいつものように 圧縮された 時の言葉を話していたその部屋に 馴染みの一人が女性を連れてきたその声は 風に舞う花びらのように 部屋に広がる彼女と話した瞬間 脳に響き
2021年5月7日 21:01
島に女がいた波がくれば海に遊び空が呼べば風と歌う女にはこだわりがあった人として女として食の作り手としてある日旅人が訪れるこの島では珍しくはない彼女のつくるパンを求めて本土から訪れた彼は、パンの味に感嘆しそれ以上に彼女の心が紡ぐ言葉を味わうその心に自らを歌を感じその心に自らの人生を重ねた旅人は三日の後にまた旅に出ると言う女は、こ
2021年5月4日 23:33
優しき娘がいた人を癒やし心に寄り添う 多くの薬草や石、動物、水癒やしの為に知らぬものはなかった 人々は娘の微笑みと歌声も好きであった 祭りがあると男達は彼女と踊るために花を送る 彼女は誰の花も受け取ることをしない 人々は彼女が神に身を捧げていると噂する 人々は彼女が己の運命を嘆く過去を持つと噂する 誰もその心を知ることはなかった ある夜村に聞き慣
恋に身を捧げた女王がいた 風が強い夜はその風を友に 漆黒の星空にあまたの願いを込め 我が恋に身を捧げ炎に身を焼く その冠は煌く星 美しきベールに星屑が光る その優しき横顔に人々はため息をもらす その潤んだ瞳に男達は心を奪われる 風を友とし実りを呼ぶ 人を愛し森に遊び空に舞う ある日旅人が訪れる 彼は若くはないその面影に人生の時を映し