見出し画像

時間が歪むサウナ室

サウナにいる時、私は時折妄想に耽ることがある。

妄想といっても熱さに耐えながらできる妄想など最長でも2分、早い時は30秒も保たない。

12分計を見て「え!?まだ30秒しか経ってないの!?」と時間感覚が狂う感覚はサウナに入り始めた時から今日この瞬間まで一向に変化していない。

外気浴の30秒とサウナ室での30秒が本当に同じ30秒なのだろうか?

あの瞬間、体感的には30秒が2分や3分ぐらいに感じることもある。何度も何度も12分計を見ても5秒ずつしか経っていないことなんてザラである。

正直、その状態に入ってしまったらもう抜け出せない。

1分が5分ほどに感じてしまうあの感覚。

あまりの長さに集中力が消え、早くサウナ室から逃げ出したくなるソワソワ感はカップラーメンが出来上がるのを待つ3分に少し似ていると思った。


時間が歪むのはなぜなのか?

サウナ室にいる時、私は1秒が5秒に感じる時がある。

私の所感ではあるが、サウナ室で時間の進みに違和感を感じたことがる人は私だけでなく、おそらくほとんどのサウナ愛好家が一度は感じたことがあるのでは無いだろうか?

この時間の歪みはなぜ起きてしまうのかを考察した時、私は時間が早く感じる時にはある共通の行動をしていることに気づいた。

それは「12分計を見る」という行為の有無である。

============

サウナ室で誰かと会話を楽しんでいる時、サウナ室に設置されたテレビや音楽が自分好みだった時、サウナ室内でも深く考え込んでしまうような事柄がある時、身体が冷え切っていて熱で体を芯から温めている時を想像してみてほしい。

どうだろう、この時に感じる1分は一瞬では無いだろうか?

サウナ室に入ってから最初の3分間は特段早く過ぎる感覚を体験した覚えがある方はその時を思い出してほしい。

あの瞬間の1分は一瞬に感じたと思う。


では、もう一つ想像してほしい。

サウナ室に入り途中で「熱い」と思って12分計を見た。ちょうど入室してから4分が経過したところだ。

10分程度は入りたいと考えているあなたは「残り6分」を意識する。

しばらくして12分計をもう一度見た時、針は5分経過したところだった。

長く入っていたと思ったが、まだ1分しか経っていなかった。


このような経験をしたことが無いだろうか?

サウナ室で「熱い」と意識をして「時計」を見ると思わずサウナ室から出る「終わりの時間」を連想してしまう。終わりの時間を意識した瞬間、サウナ室から外に出たいという気持ちが思考をジャックし、早く外へ出たい気持ちから何度も時計を確認してしまう。

集中の時間は一気に短くなり、集中が切れる度に時計を確認してしまう。

この「時間を意識する」ことによる思考のジャックががサウナ室において時間が早く感じる正体であると私は考えている。


歪みから逃れる方法

歪んだ時間から抜け出すのは至難の業だ。

時間が遅く感じた時、体感的には長い時間サウナ室にいる感覚があるが、実際には滞在時間そのものは短いので、対して温冷交代よくの「温」ができていなかったりする。

これは私の所感であるが「熱い」と感じた時はプラス2〜3分は長居した方が入浴後の気持ち良さの質が上がる傾向にある。

私もよく「歪み」に負けて、サウナ入浴後の物足りなさを感じることがある。

もちろん我慢は体に毒だが、無理をしない程度には熱で体を追い込みたいのも事実だろう。

そこで私は「時間の歪み」から逃れる方法をいくつか探すことにした。

効果は人それぞれだが、何かヒントになればと思う。

①12分計を見ない

時間を意識することで時間に囚われてしまう。

なので、時間を意識しないことが重要だ。

当たり前なことではあるが、この時間を無視するという意識が非常に重要で、結局のところ「時間」から逃れるには「時間」を無視するのが最も最善の手段である。

その逃げる手段として「12分計を見ない」ことは非常に効果的である。

一番最初に見るタイミングが自身の退出しようと考えてる時間帯に近ければ近いほど、サウナ室での時間経過は早く感じる筈だ。

感情論にも近いのだが、結構この意識を持つだけでも歪みから抜け出せるのでオススメだ。


②テレビに集中する

集中力の持続時間が伸びれば時間の歪みは解消される。

ならばテレビを利用するのも手である。

私はサウナ室ではテレビは無い方が好みではあるのだが、集中力を戻すという面においてはテレビほど役に立つものはないと思っている。

テレビに集中することで時間を忘れることができれば、時間の歪みから抜け出せることだろう。


③サウナ室内の構造やデザイン、造りを観察する

私はよくサウナ室内を観察する。

観察をすると自然と時間を忘れることができる。

物思いに何かに耽ることはサウナ室内では難しい。熱さは集中力を削るからであり、深く考え込むには適した環境ではないからだ。

しかし、観察はできる。もちろん深く考えるには適してないが、眺めるという行為自体は労力をあまり使わない。

時間が歪む中でも観察することは案外できるもので、歪みから抜け出すこともできる。

④脳内で好きな歌を歌う

脳内であれば何をしても良い。

歌でもいいし、映画を再生したり、漫画を読んだり…しても良い。

脳内であれば何をしても迷惑にならない。

結局なところ、私がオススメする時間を意識しない方法の中で、最も最善なのは妄想である。

ただし、妄想は注意力が些細なことで切れてしまう。

そして、一度切れると戻ってこれない。

入室後に妄想に耽り、そのままし続けることで時間から逃げ切るのも一つの手である。


まとめ:再度集中する手段を見つける

時間の歪みから抜け出す方法は「再集中」すること。

時間が遅く感じる感覚は何かを「待つ」時と同じで、時間の経過を意識するから起こる現象である。そのため、抜け出すには「意識しない」以外にない。

また、この感覚そのものを楽しむというのも一興だろう。

私も最近は時間の歪みも受け入れて、赴くままにサウナに入るようにしている。

歪みそのものも楽しめるようになった時、新しいサウナ体験が見えるのかもしれません。


この記事が参加している募集

習慣にしていること

最後まで読んでいただき、ありがとうございました! もしよろしければスキやシェアをしてくださると嬉しいです! また、サポートしていただけましたら、より良い記事を書くために活用させていただきます。