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デジタル音声広告の可能性|新しい市場の登場を考察する

デジタル音声広告によって拡大する市場

デジタル音声広告(オーディオアド)はその名の通り「音声のみで構成されたコ広告」です。デジタル音声広告市場規模は年々増加し続けており、多くの企業が音声メディアへの広告出稿が増えています。

出稿する音声メディアは「音声コンテンツサービス(radiko、ラジオクラウド等)」「音楽配信(Apple Music、Spotify等)」「オーディオブック(Audible、kikubon等)」のような『リスナーが聴いて楽しむメディア』と、「ポッドキャスト」「音声配信プラットフォーム(stand.fm、voicy等)」「音声SNS(Clubhouse、Spoon等)」のような『誰でも音声コンテンツを配信できるサービス』の2種類に分類されます。

デジタル音声広告はこれらのサービスの利用者に向けて配信をする広告となるため、従来の広告とはターゲット層やクリエイティブの構成等が大きく異なる特徴があります。

また、ラジオ広告と異なり視聴者の属性に合わせて配信する広告内容をコントロールでき、効果をデータで取得することができる点が最大の強みです。

マス広告のようにユーザーとの接点を何度も取れるだけでなく、Web広告の代名詞でもある「ターゲティング設定」を行うことができるため、興味関心を惹きやすく、高い成果を出すことができます。

音声コンテンツ市場が急激に成長している中、音声広告も同じく成長を見せており、現在最も注目されているチャネルの一つとなっています。


デジタル音声広告の可能性

音声コンテンツ市場の成長は著しい状態にあります。音楽配信サービスであるSpotifyやApple Musicの普及は海外のみならず日本でも広く浸透しはじめました。radikoやラジオクラウドも人気アプリとしてダウンロード数が伸びており、ラジオブームの立役者として大きな影響を与えました。

彗星の如く登場した音声SNS「Clubhouse」は音声コンテンツのポテンシャルの高さと可能性を大いに感じさせるものです。音声配信プラットフォームの成長も著しく、利用者は右肩上がりで上昇している傾向にあります。

こうした背景からもデジタル音声広告は既存の広告を超えるポテンシャルがあると想定されており、現在多くの広告代理店が音声広告のサポートを開始しています。

また、動画広告やディスプレイ広告、リスティング広告、SNS広告とはターゲット層も異なるため住み分けがきちんとしており現時点では得意不得意がある状態ですが、将来的には幅広い業界が参戦することは間違いないでしょう。

昨今ではアニメブームの波で声優人気が起きていることもあり、クリエイティブによっては動画広告よりも興味関心を惹ける可能性があります。

動画広告と違い「画面を見ていなくともイメージできる」ため聞き流しは動画よりもストレスを感じさせにくいことも音声広告が注目されている点の一つです。


デジタル音声広告の抱える問題点

デジタル音声広告は近年台頭してきた新しいチャネルです。そのため仕組みに関しては他のWeb広告と近いため操作はできますが、成果に繋がるクリエイティブやターゲティング設定はノウハウが溜まっていないため試行錯誤を繰り返すフェーズです。

そのため「新しい広告だ!」と飛びついても必ずしも成果につながるかは定かではありません

また、動画広告と同じく万人受けするクリエイティブを作ることは不可能です。そのためターゲティング設定がシビアになります。

特に音声コンテンツは「聴くこと」を前提としているためイメージしてもらえなければ意味がありません。

音声コンテンツを利用しているターゲットも偏りがあると段階のため、全ての業種に最適な広告媒体ではありません。


音声だからこそクリエイティブが重要

デジタル音声広告はクリエイティブが命です。これは広告全般に言えることですが、まだノウハウが一般化していない音声コンテンツだからこそクリエイティブには力を入れるべき領域です。

消費者の体験を邪魔せずブランド価値向上やサービス訴求を行うためには不快感を与えないクリエイティブが求められます。音だけで展開するため、よりプロフェッショナルな仕事でなければ不信感を抱かせるだけで逆効果に終わることも珍しくないでしょう。

音声広告はターゲットに合わせて配信設定が可能なため、年齢や性別といった属性を振り分けるだけでも「その属性が反応する音」は異なります。

例えばユース世代であれば学校のチャイム音やトレンドに関連する音など日常生活の中で聞いている音を利用することで興味を惹けます。

また、会話劇がメインとなる構成の場合は「音のバランス」「会話の速さ」「滑舌」「抑揚」などが注目されます。素人のアフレコでは不快感を感じさせてしまう可能性があるためプロに依頼することでクオリティの向上が見込めます。

人気声優や俳優を起用すれば関心を抱きやすく、最後まで視聴してくれる可能性が上がるため予算に合わせてキャスティングしましょう。


音声マーケティングの展望

音声マーケティングは今後さらに重要度が高くなると予想されます。

マーケターは「テキスト」「画像」「動画」「音声」といった媒体を屈指して、それぞれ適切な場面でターゲットに訴求するプランニング力が重視されることは間違いありません。音声コンテンツを活用した施策も増え、SEO対策も音声検索も対応範囲になることでしょう。

動画と音声はターゲット像が異なるため、別々のポジションからマーケティングを行う必要性も出てくるため、今後ますます複雑になることは十分に予想できます。

音声配信プラットフォームが成長すれば広告も合わせて変化するため常に動向をチェックすることが重要です。

【パーソナル】
名前:Uto
職業:Webマーケティングコンサルタント
   Webライター、Webマーケスクール講師
趣味:サウナ、アート鑑賞、一人旅、音楽
   ラジオ、伝統・民俗芸能について調べること
特技:和太鼓、フットワークが軽い

【連絡先】
メールアドレス:yy.edih.xx@gmail.com
Twitter:@hd2OimM

Web制作会社のマーケティング支援部門でWebマーケティングコンサルタントとしてSEO、広告、コンテンツ制作、LPO、EFOなどの手法を元にお客様のWeb戦略のサポートを担当。提案・分析・企画・施策の実施・効果測定まで全て一気通貫で対応できることが強み。その後、Web接客ツールのベンダー企業にカスタマーサクセスを提供するコンサルタントを経て、現在フリーランスとして活動中。

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