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新書執筆日記

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現在執筆中の新書にまつわる日記です。
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2024年1月の記事一覧

ゴフマン『行為と演技』についてのメモ

ゴフマン『行為と演技』についてのメモ

現在近くにあるのが誠信書房版のゴフマン『行為と演技』(石黒毅訳)なのだが、最初に読んでいた頃から気になっていたのは、ゴフマンは相互行為の記述において「アメリカの中流階層」というように範囲を限定して分析していることである。これはゴフマンの博士研究が、シェットランド島のフィールドワークだったのと関係があるだろう。つまり地域の集団を分析単位としていて、その特徴の範囲と説明の限界も織り込まれているというこ

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鶴見俊輔とレイモンド・ウィリアムズ

鶴見俊輔とレイモンド・ウィリアムズ

ノート
鶴見俊輔とレイモンド・ウィリアムズ コミュニケーションとコミュニティーについて
著書『限界芸術論からの文化研究』第1章 限界芸術論の文化社会学 3節 鶴見と文化研究 4大衆文化と日常を考えるために より

鶴見のコミュニケーション論は、例えば市井三郎によれば記号や言語とまとめられるものであり、ウィリアムズのような「コミュニティ」とのつながりは強調されていない。しかし鶴見はロバート

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新書執筆日記20240129

新書執筆日記20240129

現在執筆中の新書で、その中の一章となる「鶴見俊輔と音楽文化論」では、『限界芸術論』に収録の「流行歌の歴史」が「ルソーのコミュニケイション論」につながることを改めて取り上げています。これは、2016年の博士論文とその書籍化である『限界芸術論と現代文化研究』(ハーベスト社)で書いていたことです。

フォークソング運動関係のインタビューを聞く。資料では書かれていないこともわかるのがインタビューの良さの一

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新書執筆日記20240126その2

新書執筆日記20240126その2

今日はインタビューの録音を聞きながら文章にしていく。これまで書かれていない新しい証言がいくつも聞かれた。楽しみだ。博士論文で、社会的世界が生まれるいくつかの領域について記していたが、今回の新書でもその重要性が浮かび上がる。その時は社会関係資本として書いた。 #新書

新書執筆日記20240125

新書執筆日記20240125

戦後日本文化の研究をしていると、フォークソング運動に関しては<68年>というより69年から70年が重要な転換点であったことがわかる。これは博論構想では考えていたがテーマではなかったので(つまり歴史の評価をする論文ではなかった)、明確には書いていなかったと思う。

メモ
一般論ではないかもしれないが、機会はいきなりやってくるのではなく、兆候があって準備が必要だということ。兆候をsymptomとしてア

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新書執筆日記20240124

新書執筆日記20240124

たしかに歴史の中に消えてしまった資料はある。自分の場合は、博士論文を書くためにどうしても必要で資料をいろんなところで探した。フォークソングを運動として捉えた『フォーク・リポート』とミニコミの「かわら版」。これは現在書いている新書に書きます。 #新書

新書執筆日記20240123その2

新書執筆日記20240123その2

『思想の科学』における、mass,common men,ordinary peopleについて英語圏で研究されている。
『思想の科学』では「大衆」というワードを避けていたという記述がある。言わんとすることはわからないでもないが、字義通り受け取ってしまうと間違う可能性があるだろう。つまり集団は否定されていない。鶴見俊輔は大衆をポジティブに捉えているところがある。これは博士論文から研究しているところで

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新書執筆日記20240123

新書執筆日記20240123

今日の朝の研究。
これまでの原稿をまとめる。

新書執筆日記20240122その2

新書執筆日記20240122その2

今日はいろいろと事務的な連絡など行って近くの神社まで出かけた。
『清水幾太郎の覇権と忘却』を読む。 #新書

新書執筆日記20240122

新書執筆日記20240122

昨日は竹内洋『清水幾太郎の覇権と忘却』中公文庫、2018年と、小熊英二「戦後日本の「リベラル」と平和主義──その所与条件と歴史的経緯」『世界』2024年2月号を読む。
2020年の『世界』に載っていた加藤周一論(「沈黙する羊、歌う羊 : 戦後思想における加藤周一」)も良かった。 #新書

新書執筆日記20240121

新書執筆日記20240121

これまで書いたものを読みながら少しずつ書き足していく。
夕方、自転車で出かけて古本屋などへ行く。書いたものをまとめる前に見出しで分けていく。 #新書

新書執筆日記:20240118

新書執筆日記:20240118

現在執筆中の新書のために、2月の資料調査の打ち合わせ。これまで言及されていない議論になると思います。グローバルに引用されたらうれしいな。
あとは図書館で調べもののために問い合わせ。

昨日は芥川賞と直木賞の受賞インタビューをYouTubeで見た。
#新書

新書執筆日記:20240117

新書執筆日記:20240117

現在執筆中の新書の日記を始めます。

新書を出版している友人に紹介していただいた編集担当の方に2023年末に目次とはじめにを書いて送り、2023年1月に企画が通りました。

2023年前半は、資料調査やインタビューを行いつつ、並行して丸善出版の『カナダ文化事典』の原稿執筆と、2024年刊行の編著の編集、新曜社から9月に出版した『表現の文化研究』の校正をやっていました。

これから日記を書いていこう

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