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国公立総合大学と医系単科大学で異なる合格のための戦略【医学部AtoZ】2024分割版③医学部入試の物理対策

SAPIX YOZEMI GROUP で毎年刊行している『医学部AtoZ』『東京大学・京都大学AtoZ』『早稲田大学・慶應義塾大学AtoZ』。

AtoZのネーミングの通り、各大学・学部の基礎知識から最新情報まで盛りだくさんの内容です。

本記事では『医学部AtoZ』2024の中から、「③医学部入試の物理対策」をお届けします。

前半の内容は無料で閲覧でき、後半は有料(300円)。
テーマ①~④まとめ版は700円です。

医学部受験生の皆さま・保護者さま・指導担当の先生方に必要な内容をギュッと詰め込みました!ぜひご活用ください。



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※本記事の内容は、2024年6/30時点の情報です。最新情報は各自でご確認ください。


◆医学部入試の物理対策(代々木ゼミナール物理・飯島飛講師インタビュー)
「基本法則の理解と式を立てる」「練習を繰り返し行う勉強が効果的」

医学部に合格するための物理の学び方とはどのようなものなのか。
「医学部だからと特別なことをやる必要はない。基本をおろそかにせず、教科書の内容を100%理解することが大事」
という飯島飛講師に、医学部物理の傾向と対策について聞きました。

物理で身につく探究心は、医師になったときに役立つ

 手から物を離せば必ず下に落ちる。条件が同じであれば、落ちる速度は何度やっても同じ……。私たちが生きる世界にはこのように、変えることのできない決まり事がたくさんあります。その決まり事がどのような法則で成り立っているのかを探るのが物理という学問です。

 先人たちは身の回りのさまざまな現象に疑問を持ち、その理由を突き止めるために実験・検証を繰り返し、法則を導き出してきました。医師になると、治療に難渋する患者さんにも直面することでしょう。そのようなとき、物理を学ぶことで得られるこうした探究のプロセスが、役に立つと思います。

 「物理は難しい」という人が多いですが、基本法則を理解し、問いに対する適切な式を立てる練習を繰り返すことで、必ずできるようになります。センスは必要ありません。苦手な人は練習が足りないだけで、諦めずに何度も繰り返すことが大切です。

国公立総合大学と医系単科大学では合格のための戦略が異なる

 医学部物理の個別学力試験には、国公立の総合大学に多く見られるように他の理系学部との共通問題を出題するところと、福島県立医科大学や名古屋市立大学、京都府立医科大学といった医系単科大学や私立大学医学部のように、医学部独自の問題を出題するところがあります。

 前者の場合は東京大や大阪大といった難問を出す一部の大学を除き、標準的な問題が多いので、高得点勝負になります。したがって、試験時間内にミスなく確実に点を重ねていくことが求められます。

 後者の大学は難しい問題が多いので、それに対応できる力をつける必要がありますが、一方で全問を解くことに固執すると時間が足りなくなるため、スルーしたほうが良い問題を見極める能力も必要です。

 また、物理の「力学」「電磁気」「波動」「熱力学」「原子」の5分野のうち、「力学」と「電磁気」はどの大学でも必ず出題されますが、一方で

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