見出し画像

【教育ニュース最前線vol.09-2】①東大の学費値上げ論争が引き起こした波紋②学校からの個人情報流出を止める

【教育ニュース最前線vol.09-2】
日々報じられる教育関連情報から、教育業界への影響が大きいと思われる内容を、代ゼミ教育総研 研究員が厳選してピックアップ。
それぞれの分析・私見を述べます。
教育・学校・入試について関心がある方々の、考えるヒントとなりましたら幸いです。

\\ ✨Vol.09は3日連続投稿 ✨//
09-1は映画特集!話題の映画を 2 本ご紹介🎥
09-2の今回は、2024年上半期に物議を醸した教育ニュースを振り返ります📰



①東大の学費値上げ論争が引き起こした波紋

先日の教育ニュース最前線でも触れた「東大の学費値上げ論争」。
7月12日に東大の記者会見がありました。まだ値上げを決定したわけではなく、引き続き検討を続けるとしています。

▼東大の学費引き上げ、11月までに可否決定 反発受け慎重に検討か(毎日新聞・7/12)


各メディアでも様々に議論がかわされています。動向を注意深く見守る必要がありそうです。

▼“学費値上げ”にラップで抗議する現役東大生DJ「東大の内部にいるからこそ」(exciteニュース・7/19)

▼国立大授業料上げ「選択肢」2割 東大に続き和歌山大など(日本経済新聞・7/21・有料記事)


(上記記事を受けて、和歌山大学も学長名でコメントを発信しています)

▼2024(令和6)年7月22日 日本経済新聞における授業料引き上げの検討に関する報道について(和歌山大学・7/23)


▼(耕論)東大学費値上げ案を考える 布施川天馬さん、益一哉さん、本田由紀さん(朝日新聞デジタル・7/24・有料記事)


💡研究員はこう考える

代ゼミ教育総研 奥村研究員の分析・私見についてはこちらの記事をご参照ください。

とかく、東大(あるいは国公立大)の学費が取り上げられがちですが、慶應義塾・伊藤塾長が提起した私立大学との学費格差、地方との教育格差についても意識を向けていきたいところです。

▼山形大学長が国立大学の学費値上げ論争に一石(代ゼミ教育総研note・7/15)



②学校からの個人情報流出を止める

学校からの個人情報流出事故のニュースが続いてます。

情報の内容とSNS拡散回数の点で大きな問題となったのは、札幌市の中学校です。

▼札幌の中学生の個人情報SNSで拡散、市教委が謝罪 2千万回閲覧(朝日新聞デジタル・6/20)

4月10日、該当教員が生徒267人分の個人情報を含む資料をまとめたファイルを体育館のステージ上に置き忘れました。ファイルはその後見つかりましたが、十数人の生徒が資料を閲覧し、撮影して他校の生徒に送信した生徒もいました。

SNSの投稿は削除されたとのことですが、ネット上で拡散し2千万回閲覧されたことがわかりました。

その後も全国各地で、書類または電子データでの個人情報流出事故が起きています。

都立中等教育学校における個人情報の漏えいについて(東京都教育委員会・4/17)

また札幌の中学校…生徒の個人情報流出-ずさんな管理が明らかに 生徒個人に関する不適切な情報記載した『座席表』 教卓上のクリアファイルに放置 北海道札幌市(Yahoo/UHB・7/8)

道立高校でも不適切管理 個人情報記載の資料、トイレ前で発見 ネット流出は確認できず(産経・7/8)


💡研究員はこう考える

今回は、書類の内容には触れず、流出したことにフォーカスします。

7月17日、札幌市では校長対象の研修会が実施され、山根直樹教育長が再発防止を徹底するよう訓示しています。

札幌 生徒個人情報不適切扱い相次ぎ 市教育長が再発防止指示(NHK・7/17)

個人情報の厳重な管理について、何も言われていない学校はありません。様々な事故を「他山の石」として、校長が口を酸っぱくして、継続的に、繰り返し注意を喚起していると思います。

今回の中学校の事故について、本当は詳細を知りたいところです。なぜなら、大切なのは、日常だからです。

個人情報を含む危機管理について、どのような指導がされていたのか。「ヒヤリ・ハット」するような現実がなかったのか。「ヒヤリ・ハット」があったならば、未然防止のために、全体で共有し、改善したか。

ハッキリしていることは、危機管理は、理念ではなく具体だということです。

お題目を唱えるだけでは、決して事故は防止できません。事故が起きるということは、必ず、現実に課題があるということです。

冒頭のニュースでは、「(女性教員は)持ち出してはいけない資料との認識がかなり低かった」と説明されています。

おそらく管理職は「個人情報については、しっかりと管理し、外に持ち出さないように」と言ってきたはずです。

しかし、当該教員の「認識がかなり低かった」
ここが恐ろしいところです。

私も、生徒に対し、教員に対し「あんなに繰り返し、強調して言ったのに」と思ったことが何度もあります。

教員に「大丈夫ですか?」と尋ねると「何度も言ったから大丈夫です」と言われたことも何度もあります。

しかし、「言う」ことと、言われた相手が「行う」ことは別です。従って、確認が必要なのです。

学校現場には「任せてよいもの」と「任せるだけでは済まないもの」があります。言ったとおりかどうかを確かめる、見届けることが大切です。

 未然防止のための具体的な行動については、別途書きましたので、併せてお読みください。

▼【ヒヤリ!ハット!】繰り返される個人情報流出の理由、防止について考えてみましょう(代ゼミ教育総研note・7/21)



いかがでしたか。
少々暗い気持ちになるニュースが続きましたが、vol.09-3 は教員のウェルビーイングについて扱います。お楽しみに📓

ぜひマガジンもフォローしてください👇

#代ゼミ教育総研  #代々木ゼミナール  #教育総研note  #教育  #教員  #高校  #大学 #学費値上げ #情報流出

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


この記事が参加している募集