ゆうじ

息子と歩いた7年間の空手日記です 気の弱い泣き虫坊主が、弱さを克服して行く実話です。 …

ゆうじ

息子と歩いた7年間の空手日記です 気の弱い泣き虫坊主が、弱さを克服して行く実話です。 虐められっこから脱却し、強さと道を模索する子供を見て下さい。

最近の記事

アイツ以外は恐くない

始まった一回戦。 まずは自分から手を出す事、絶対に下がらない事を言い聞かせ、コートに送り出す。 始めの合図が主審からコールされ、間合いを詰めるのか詰めないのかを迷う両者。 「待つな!自分から行く!」 親父の声に反応し、前進しながら右の中段蹴りから、正拳突きの連打、手数で押すも数秒でピタッと動きが止まる(笑) ん??なんで止める?? そう思った瞬間、相手が前に出ようとする。 「止めろ!」と叫んだ瞬間、またも声に反応し、前蹴りで相手の前進を止めて、間合いを保つ。 その後も何度

    • とにかく全力で

      オープントーナメント(ある一定の条件を満たせば、誰でもエントリーが出来る)であるフルコンタクト空手の県大会へエントリーした息子。 小学1年生の部 出場者数は以外に多く、40人近いエントリー。そして1回戦の相手は昨年の幼年の部で三位入賞の子であった。 しかしながら技術などは、この年齢では比較する対象にはならない。全ては「恐がらずに前に出る事」とゆう他に勝敗を分ける基準は無い。 試合前、あと2試合で出番とゆうのに、パイプ椅子に座り、足をブラブラする息子。「まぁー、リラック

      • 羽が生え換わる時

        道場稽古は週に2度。 他の子は週に4度通っているらしいが、我が家は共稼ぎで核家族。 行政が運営する「ファミリーサポート」とゆう制度を駆使しても、週に2度が限界。しかしながら、道場の稽古スケジュールには合わせられなくても、父ちゃんのスケジュールに合わせれば自宅での練習は出来る!深夜の2時から出勤し、夕方の4時まで働き、その足で息子を学童保育に迎えに行き、帰宅した後に米を研ぎタイマーを。 焼く、煮る、揚げるだけの状態にして晩御飯の仕込みをして、時計を見ると5時を回っている。 まず

        • 奴をぶっ倒せ!

          道場の稽古の終わり時間に合わせ、駐車場に車を停め、少し早めに着いたので外から覗く。 ラストのスパーリングの最中だったが・・・やはり特定の子にボディーブローを浴び、お腹を押さえながら泣く息子。 しかし執拗に、笑いながら腹を殴り続けるR少年。 先生は止めない。見ない。注意しない。遂に膝から崩れ落ち号泣する息子。「コイツ病気だよ(笑)病気!病気!」 そう笑いながら息子を見下ろすR少年。 奇しくも息子と同い年。 兄弟3人で通う、道場にとっては上客で、しかも才能溢れる子供だから、先生は

        アイツ以外は恐くない

          勝ってから辞めよう

          勇気を見せた息子。 この頃はまだ、道場の黒幕的な存在や、所属道場の闇も知らなかった。 だからこそ、ひたすらに「強くなる」「強くなって欲しい」と純粋に考えていた。 道場での虐めは相変わらず続いていたが、あからさまなリンチは流石に道場側が許すはずもなく、毎回「スパーリング」とゆう名の「弱い者虐め」くらいで納まっていた。 キックボクシングやボクシングとは違い。、頭部にはパンチが許されないフルコンタクト空手だから安心して見て居られた部分は大きい。 しかしながら、毎回嫌と言う

          勝ってから辞めよう

          言い返す勇気

          同年代の子供達に取り囲まれ、その中の一人が息子を睨み付ける。 睨み付けながら息子に何かを言っているようだが、外から覗いている父ちゃんには聞こえない。かすかに聞こえるのは「なんだよお前」とゆう言葉だけ。 怯えた表情で、顔を真っ赤にし、涙を浮かべる息子を見ながらヘラヘラ笑う道場生。見て見ぬふりの先生と指導員。 稽古を一通り見ていたが、息子に問題は無さそうだ。 「ふん!武道を隠れ蓑にした暴力道場か・・・空手も落ちたもんだな。」 そう思い、道場を退会させようとして動き出した

          言い返す勇気

          息子・・・囲まれる

          保育園での虐めは何とか克服し、やや手探りで決めた道場入門。 しかしながら、現代では有り得ない先制パンチが息子を襲う。 自宅から程近い空手道場に入門を決め、初稽古の日。あろうことか、息子と同世代の子供たちが息子を取り囲む。 壁に追いやられ、多勢に無勢の息子を窓の外から見つめる。 どうやら先生も見て見ぬふりで、その子供達は、先生に誉められる息子が気に入らないらしい。 さて・・・息子はどうするのか。 窓の外から見つめる親父は臨戦態勢で身構えるが・・・

          息子・・・囲まれる

          拳を握れ!!

          何も出来ない、何も知らない、更には言葉さえも理解出来てるか解らない我が子。この世に5年しか生存してない、ほぼ動物と言って良い我が子。 恐ければ怯え、恐くなければ勇ましく、本能を揺さぶる事柄には全身で反応する。 毎日、手探りで、1つずつ、少しずつ・・・「今日の正拳突きは良かったぞ!明日はもう少し上手に出来ると良いね!」、そして時には「ヤル気有るのかコラ!誰の為の練習だ!!お前が弱っちぃから練習してんだろうが!!」 何度もこんな事を繰り返し、保育園では虐められなくなった。目

          拳を握れ!!

          辛さを乗り越えて自信を手にする

          ほぼ毎日続く自宅稽古。 空手の基本稽古に始まり、移動稽古、ミット打ち、さらには追い込む為に走り込む。 誰でもやってる事を実行しても、後ろを走る奴が追い付く事は出来ない。 なぜなら、虐められるとゆうのは、他人より自分に自信が無くて、自分を誇れないから。 ならば、ならば、過酷な状況に自ら踏み入り、自分に自信を持てるようになるしかない。 寺の坊主になる必要はない!悟り?そんな曖昧なモノなど糞喰らえ! 君に必要なのは、自信と激情、大切なモノを傷付ける奴を返り討ちにする勇気。 自

          辛さを乗り越えて自信を手にする

          受け継いだモノ

          お手製の小屋(丹下ジム)で、手探りで稽古をする毎日。 時には趣向を変え、技術ではなく「身体作り」を実践してみる。 試合に勝つとか負けるじゃなく、強くなる為の稽古じゃなければ意味が無い。 試合で勝ちたいから稽古するんじゃなくて、強くなりたいから稽古する。 そう、つまりは試合だって稽古の一環でなければいけない。 黙って父ちゃんの話しに耳を傾ける息子だが・・・みるみる内に目が虚ろになる。そして遂には、カクン・・・カクン。 どうやら親父の説教は眠くなるらしい。やれやれ、人

          受け継いだモノ

          自宅で稽古~始まり~

          嘘をついて親を安心させようとした。嘘で自分を飾ろうとした。 そんな息子と、手作りの小屋で「稽古」を始めたのは、すでに肌寒くなった11月の中旬。 どんなに才能のある子も、どんな天才でも、基本的な技は凄く大事。 ひたすらに正拳突きや前蹴りの練習を繰り返す。 顔を真っ赤にしながら、「父ちゃんに誉められたい」とゆう気持ちが簡単に解ってしまう息子君。 辛くても、苦しくも、今やってる練習が、君の人生を大きく左右する。 そう思いながら、一緒に突き、一緒に蹴る。ビックリする位にフ

          自宅で稽古~始まり~

          大丈夫!やり返してやった!

          保育園の年長組で息子を虐めていた、イラン人とのハーフの子。 気に入らないと周囲に当たり散らし、弱そうな奴に標的を絞り、「怒られない程度に」虐めて満足する。 ビビる息子に言い聞かせたのは・・・

          ¥100

          大丈夫!やり返してやった!

          ¥100

          父ちゃんと息子の空手日記~始まりの合図~

          仕事と家事、育児の合間を縫いながら一人で作業し、庭に小屋が完成したのは夏も終わり、秋刀魚が旨い朝晩は冷える時期でした。 親父に似て声はデカイけど、活発な割には気が弱く、大きな声で威嚇されると萎縮するタイプ。 生来の虐められっこ気質ではあるが、こと「感」とゆう部分は意外なほど・・・ 完成したばかりの小屋で「回し蹴り」を教えてみる。 あれ・・・やっぱりコイツ。 もう一度蹴らせてみる。 なかなかのセンスの持ち主ではあるが、蹴りのセンスが良い人は意外に多く、突きのセンスの方が重要

          父ちゃんと息子の空手日記~始まりの合図~

          なぜ今になって・・・

          今は中3になり、キックボクサーとなった息子との過去の「空手日記」を、なぜ今再び書くのか。 息子との思い出が詰まったボロ小屋、通称「丹下ジム」が、先週の台風15号で大破してしまったから。 今一度、あの苦しくも楽しかった7年間を書きたくなったんです。 大破した小屋を呆然と見つめながら、息子と二人で・・・早く再建しなきゃねって。 この空間は絶対に無くさない!

          なぜ今になって・・・

          泣き虫坊主空手を始める

          深夜の2時から就労し、ようやく開放されたのは午後の4時。 共稼ぎの我が家は親父も家事と育児をするのは当然の事で・・・ 真っ直ぐ帰宅せず、息子を保育園へ迎えに行く。 到着し、園庭で遊ぶ子供の中から息子を探すと。あ~・・・まただ。 今日も泣かされてる。 気の強い子、意地悪な子、男女を問わずいつも泣かされてる息子。 いい加減、見過ごす訳にはいかないな~。 と、思いながら自宅に小屋を建て始めたのは息子が年少組の終わり位からだった。少しだけ噛った事がある空手を、息子にも伝

          泣き虫坊主空手を始める

          父ちゃんと息子の空手日記~復刻版~

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