言い返す勇気

同年代の子供達に取り囲まれ、その中の一人が息子を睨み付ける。

睨み付けながら息子に何かを言っているようだが、外から覗いている父ちゃんには聞こえない。かすかに聞こえるのは「なんだよお前」とゆう言葉だけ。

怯えた表情で、顔を真っ赤にし、涙を浮かべる息子を見ながらヘラヘラ笑う道場生。見て見ぬふりの先生と指導員。

稽古を一通り見ていたが、息子に問題は無さそうだ。

「ふん!武道を隠れ蓑にした暴力道場か・・・空手も落ちたもんだな。」

そう思い、道場を退会させようとして動き出した直後だった。

「なに?俺が何かした?」

震える声で、小さな息子は数人の糞連中に抵抗したのです。

足を止める父ちゃん、涙を浮かべながらも、糞連中のリーダーの顔を睨む息子。

この瞬間から、父ちゃんは確信し始めたのです。

「息子よ・・・お前は強くなれる!!」

小さな、本当に小さな抵抗。

誰も気にしない、誰も誉めてなんてくれない、誰も覚えてない。

でもね、父ちゃんは絶対に忘れないし、こんなに感動を覚えた瞬間はない!

泣き虫坊主・・・

涙を浮かべながら訴える息子に怯む、糞連中のリーダー。

この瞬間、息子は屈する事なく意思を伝えたんだと。そして、自宅での練習が更に熱を帯びる。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?