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留学先、ニュージーランドでマオリ文化から学んだこと

こんにちは、ニュージーランド留学中のLuuです🐑


先日、大学寮の遠足に行ってきました!

その際にマオリの方のお話を聞く中で、たくさんの気づきと学びがありました。

マオリ文化には7つ以上のSOGIが存在すること、マオリと日本の思想の共通点などなど。みなさんに紹介できればと思います。


はじめに:それぞれの部族、いとこでさえも文化の捉え方違うとマオリの方が仰っていました。これは1つの捉え方だと思って読んでください🌟


マオリが植民される前、SOGI(*1)は7つ以上あったそう。

植民されてから男/女に分類され、性役割に分けられたと仰っていました。


地域や部族によって異なるため一概に全てを説明することはできませんが、マオリのSOGIを表す言葉をいくつか紹介します。

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1)tāne(*2):男性を表す言葉。

2)tīnēi wāhine(*3):女性を表す言葉。

3)Irawhiti(*4):トランスジェンダー

4)Tāhine(*4):Tāneとwahineの混合。またはノンバイナリー。

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現代のマオリ社会でも、LGBTQ+コミュニティは存在しています。

マオリのLGBTQ+コミュニティが主体となって設立された団体(*5)が数多く存在し、LGBTQ+コミュニティの権利を守る活動やサポートをおこなっています。マオリの文化や伝統を尊重しながら、LGBTQ+コミュニティへのヘルスケアサービスやカウンセリングなどが提供されています。

SOGIを表す言葉はマオリの文化や精神と深い関わりがあるそうです。

例えば、マオリの歌のなかで異性間以外の性的関係に関する言及がされていたり、Papahou・Wakahuiaという宝箱を彫刻したものには、蓋の部分に男女が親密に絡み合っている姿を描くのが一般的ですが、同性のものもいくつか発見されたりしています(*6)。

マオリの方によると、マオリの伝統的な踊りであるハカは男女によって踊り方が変わることで知られていますが、本当は性別による違いはなく、踊る目的によって変化するそう。


これに関連して興味深いなと感じたことが1つあります。

マオリ語で人間はhuman beingではなく「being human」と言うそうです。

これは、ただなり方を知らないだけで、岩にも木にでも姿を変えられるという考えからきているそう。

この「何にでも姿を変えられる」という考え方が多様なジェンダーの捉え方にも繋がっているのかなと思いました。

私の印象に残っているマオリの方の言葉に「stay humble(謙虚でいる)」があります。

この言葉の背景には、マオリの思想がありました。

彼が言うには、「宇宙や地球に比べたら人間はちっぽけで、自然がなきゃ生きてけない。ただの山、ただの川じゃない、山や川があるから生きていける。山や川が自分たちをつくっている。どれだけテクノロジーが発展しても、自然からはisolateできない。」「神様が人間を作った。酷いことをしたらもっと酷いことが返ってくる。」とのこと。

自然への畏敬の念や因果応報の考えなど、日本の思想ととても近いものを感じました。

自然環境や地震や津波、噴火といった自然災害などで日本と似てるところが多いから同じような考えになったのかなと思ったり。

また、活動の中でマオリの伝統的なゲーム「Pūkana」を行いました。

気になる方はリンクの動画を見てみてください!

この動画を見てもらえばわかる通り、身振り手振り、声の大きさから「ガチ」で参加せねばならないのです^^

大学生、院生の私たちはこの年齢になって...と恥じらいからガチで参加できず。

それを見兼ねたマオリの方の言葉にハッとしたことが1つ。

彼は「自信を持ってやろう」という言葉の後に「自信がないと足を引っ張り合ってしまう」「周りもencourageしよう」と言葉を続けました。

よく聞くのは前者の言葉ですよね。確かに後者も大切だな、というか後者の方が大切なんじゃないかと思いました。

「頑張っている人を笑わない」という言葉を私はよく聞きます。その1歩先の相手を応援する姿勢、何かアクションをすることも、その人が自分らしく過ごせる1つの要因になるのではないかと気付かされました。


遠足に参加した学生の質問の1つに「どのように外国人がマオリ文化に貢献できるか」と言うものがありました。

彼の回答は「言語を知ることで、文化を知ることができる。そうすれば、マオリの思想も知ることができる。」と仰っていました。

この「言語」の背後には、彼が話の中でも取り上げていた、50年前にマオリ語を話すことは違法だったことがあるように思います。

ニュージーランドに来てから何人かのマオリの方とお話することがありましたが、その度に必ず「colonized」という言葉を耳にしました。まだ植民地化されたことが人々の記憶に新しいように感じています。

以前note記事で紹介したように、メールやオリエンテーションなどの冒頭挨拶でマオリ語が用いられていたり、看板にマオリ語が記載されていたりするのをよく目にしますが、不当な扱いを受けたこと、未だに社会的ディスアドバンテージを抱える人が多くいることが根強くマオリの人々に残っているのだと思います。

((記事はこちらからご覧ください))


彼は話の中で「狭い範囲のことだけど、自分ができることは語り継いでいくことだ」と仰っていました。

他にもたくさんの選択肢はあるけど、自分にできることは、父親として子供を育てること、学校でマオリ文化を伝えるボランティアをすること、両親や祖父母が自分にしたように語り継いでいくことだと。

物事の大小に囚われず、私ができることはなんだろうなと思っている今日この頃です。

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用語の意味・参考文献

*1 SOGI: Sexual Orientation(性的指向)、Gender Identity(性自認)を表した言葉

*2 www.dynamo6.com. tāne - Te Aka Māori Dictionary [Internet]. tāne - Te Aka Māori Dictionary. [cited 2023 May 5]. Available from: https://maoridictionary.co.nz/word/7378

*3 www.dynamo6.com. wahine - Te Aka Māori Dictionary [Internet]. wahine - Te Aka Māori Dictionary. [cited 2023 May 5]. Available from: https://maoridictionary.co.nz/search?&keywords=wahine

*4 Gender Minorities Aotearoa. Takatāpui: Over the Rainbow [Internet]. Gender Minorities Aotearoa. 2017. Available from: https://genderminorities.com/2017/09/11/takataapui-over-the-rainbow/

*5 Te Ngākau Kahukura. Rainbow Organisations [Internet]. Te Ngākau Kahukura. [cited 2023 May 5]. Available from: https://www.google.com/url?q=https://www.tengakaukahukura.nz/rainbow-organisations&sa=D&source=docs&ust=1683291696473295&usg=AOvVaw2gjsS0kATGqtM9X6ugu9z3

*6 Thomas M. Early Māori view on sexual fluidity far more liberal than previously believed [Internet]. Stuff. 2018. Available from: https://www.stuff.co.nz/life-style/love-sex/105284489/early-mori-view-on-sexual-fluidity-far-more-liberal-than-previously-believed


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