[1]『2000 MULES』徹底解説:2020年大統領選の不正をハイテク&データで追跡するドキュメンタリー(そしてトランプは勝ったのか?)
『2000 MULES(2000人の運び屋)』
2020年の大統領選で騒がれた数々の不正疑惑。
投票日当日の夜に各激戦州でストップした開票作業、党派を問わず指摘されていた集計マシンの脆弱性、死人投票や複数投票、大量に破棄された郵送投票用紙に杜撰な有権者登録の管理、段ボールで覆われた開票風景、監視を許されなかった監視員、追い出された共和党選挙立会人、深夜に人払いをしてからスキャンされた謎のスーツケース票、早朝に運び込まれた票箱、バイデンジャンプの謎、統計上のアウトライアー、そして数えきれない映像や証言。
ネット上の突飛な陰謀論から監視団体や地元有志が足で稼いだ統計データまで、これまであらゆる角度から不正を暴こうとする試みが見られた。しかし2022年5月現在、トランプ陣営は法廷の場で大規模な不正行為があったと立証できておらず、これまでに立件された小規模の不正においても、大統領選の結果を左右するほどのものは確認されていない。
米国民は拭いきれない疑念と11月に迫る中間選挙に対する不安を胸に抱えたまま、日々をやり過ごしてきた。
そんな中、これまでとは全く異なるアングルから2020年大統領選における大規模不正を調査したドキュメンタリー、『2000 Mules』が全米の注目を集めた。
公式トレイラーに字幕をつけたものがこちら;
2022年5月2日の公開と同時に政治ドキュメンタリーとしては空前絶後の大ヒットを記録。プレミアから12時間足らずで100万ドル超を売り上げ、2週間で100万回の再生数と1000万ドルの収益を突破。1ヶ月以上が経った現在、既に2000万人が視聴し実に77%が「不正疑惑に対する考えが補強された」と世論調査に回答、その反響は海外にまで渡り、DVD版もAmazonの映画&TV部門でベストセラー第1位を維持している。
制作はドキュメンタリー映画監督、作家、政治評論家など多才な顔を持つ保守言論人のディネシュ・ダスーザ(Dinesh D’Souza)。レーガン大統領の政権下で政策アドバイザーを務めた経験もあり、ドナルド・トランプも信頼を寄せる保守派の重鎮である。
『2000 MULES』の内容は非常に斬新で興味深い。
選挙公正調査団体True the Voteの代表キャサリン・エンゲルブレキト(Catherine Engelbrecht)と、選挙インテリジェンスとして国内外で長い実績を持つグレッグ・フィリップス(Gregg Phillips)率いるOPSECサイバーアナリストチームが、膨大なジオトラッキングデータ(携帯位置情報)と屋外投票箱の監視カメラ映像を元に、地域の非営利左派団体と投票箱を何度も行き来する人物、通称「運び屋(mule=ミュール)」を特定し、組織的な大規模投票売買を炙り出すというものだ。
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