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ゆうせいのエッセイ

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映画以外で何か言いたいことがあるときはここに。むずかしいことだけは言わないように気をつけて書きます。
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2020年6月の記事一覧

どの道から行きますか?と質問しないプロのタクシー運転手

どの道から行きますか?と質問しないプロのタクシー運転手

タクシー運転手の態度が悪いとか、女性には上から目線でタメ口を聞くとか、良くない噂ばかり聞く。

でも、先日利用したタクシーの運転手はプロだった。タクシー運転手という仕事をハックして、常にスキルを研鑽し、顧客満足にひたすら貪欲な姿勢を見せてくれた。

「どの道から行きますか?」と困る質問をしない。個人的にこの質問をされて嬉しくなる人がいるとは思えない。早くて安い道で行ってくれに決まっているからだ。ど

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ジャッキー・チェンと比べてごめんなさい『燃えよドラゴン』

ジャッキー・チェンと比べてごめんなさい『燃えよドラゴン』

僕にとって永遠のアクションスターと言えば「ジャッキー・チェン」です。小学生のころからテレビで放映されるジャッキー映画に魅了され、2歳下の弟とカンフーごっごをするのが日課でした。

ジャッキーのコミカルな演技と愛くるしい表情。悪には強いが女性には弱い。少し強くなるとすぐに調子にのり、師匠の教えに背いてピンチを招く。それでも締めるときはきっちり締めるジャッキーが大好きで、憧れを超越して神だと思っていま

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年に一度は強制的にでも見せてほしい『耳をすませば』

年に一度は強制的にでも見せてほしい『耳をすませば』

僕は中学生、高校生のころは何も考えずに生きていた「うつけ者」だったので、『耳をすませば』を見ると心が苦しくなります。胸の真ん中がギュッと。いや、キュッと。どっちでもいいけど、とにかく掴まれるのです。

作中で展開される、将来に向かってひたむきな二人、そしてそこに絡んでくる甘酸っぱい恋愛に、陳腐な言い方だけど、心のぜんぶが持っていかれるのです。どこかに。

大きな声で叫びたくなるし、瞬足を履いて飛び

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そりゃねぇべよ…と思ってしまった映画が『ラ・ラ・ランド』です

そりゃねぇべよ…と思ってしまった映画が『ラ・ラ・ランド』です

アカデミー賞にて史上最多14ノミネート(13部門)、6部門で受賞した『ラ・ラ・ランド』は素晴らしい作品ですが、見終わった僕の最初の感想は「そりゃねぇべよ…」でした。

女優を目指すカフェ店員・ミアと売れない(売れたい)ピアニスト・セブの恋愛を描いたミュージカル映画である本作。全編通して流れる音楽は最高だし、歌も踊りも言うことなしで、二人の恋愛も夢に向かってもがく様もたまらない最高傑作です。それは否

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人生初の「お前が犯人か〜!」をくれた映画『ユージュアル・サスペクツ』

人生初の「お前が犯人か〜!」をくれた映画『ユージュアル・サスペクツ』

大げさな触れ込みの映画ってあるじゃないですか。全米No.1大ヒットを筆頭に、ラスト10分、あなたは必ず騙される、とか。

今では「話半分で聞いとこか」と斜に構えている僕ですが、のび太がドラえもんを呼ぶような勢いで「お前が犯人か〜〜〜〜!!!」と叫んでしまった映画が『ユージュアル・サスペクツ』です。

麻薬を取引する密輸船が爆破し、積み荷と大金が消えてしまう。遺体の中には銃殺体もあり捜査は難航する。

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本当の話だと思ってしまうほど手ざわりのあるSF映画『インセプション』

本当の話だと思ってしまうほど手ざわりのあるSF映画『インセプション』

個人的な好みの話になりますが、僕はとにかく「手ざわり」のある作品が好きです。別の言葉で言うならば、生々しさ、リアリティになりますが、現実に起こりうると思える温度感が大好きなのです。

もちろん超人パワーを発揮するアベンジャーズのような映画も好きですし、未来の世界を描いたエイリアンなどのSF作品も大好きです。

でも、何よりも夢中になれるのは、いま、自分がいるこの世界とシンクロするような、もしかした

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オープニングで絶対に傑作だと確信した映画『ドラゴン・タトゥーの女』

オープニングで絶対に傑作だと確信した映画『ドラゴン・タトゥーの女』

出張で地方に行き、早めに仕事が終わったので映画でも見るかと、なにひとつ事前情報を仕入れずに見た『ドラゴン・タトゥーの女』は、オープニングで傑作だと確信できるものでした。

レッド・ツェッペリンの「Immigrant Song」のカバー曲が流れたオープニングは映像と完璧にシンクロ。ただ「刮目せよ」と言われた気がした僕は、この先できるだけ瞬きしないようにしようと思ったものです。

確信するあまり興奮を

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バック・トゥ・ザ・フューチャーを2作目から見てしまった僕

バック・トゥ・ザ・フューチャーを2作目から見てしまった僕

『バック・トゥ・ザ・フューチャー』シリーズって誰に聞いても大好きって言いますし、嫌いな人に会ったことないですよね。

そんな名作であり傑作シリーズを、事もあろうに僕は2作目(PART2)から見てしまいました。父がゴールデン洋画劇場(テレビ放送)を録画したものが最初になります。

正確に言えば、ゴールデン洋画劇場で放送されたのが1990年の4月7日ですから、僕が11歳と10ヶ月の小学6年生のときです

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バットマンが見たかったのにゴーストバスターズを見た僕

バットマンが見たかったのにゴーストバスターズを見た僕

今から30年くらい前の話。当時小学生だった僕は、マイケル・キートン主演の映画、バットマンが見たかったんです。

当時はアメコミとか知りませんし、バットマンがどんな話なのかもまったく知りません。ただ、全身真っ黒のヒーローがかっこいい車に乗って駆け回り、空から降りてきて悪を倒すってところに、小学生の僕はビンビンに惹かれていたのです。

でも、僕が住んでいた町には映画館がなくて、両親と隣町へ出かけたとき

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