人生初の「お前が犯人か〜!」をくれた映画『ユージュアル・サスペクツ』
大げさな触れ込みの映画ってあるじゃないですか。全米No.1大ヒットを筆頭に、ラスト10分、あなたは必ず騙される、とか。
今では「話半分で聞いとこか」と斜に構えている僕ですが、のび太がドラえもんを呼ぶような勢いで「お前が犯人か〜〜〜〜!!!」と叫んでしまった映画が『ユージュアル・サスペクツ』です。
麻薬を取引する密輸船が爆破し、積み荷と大金が消えてしまう。遺体の中には銃殺体もあり捜査は難航する。唯一の生存者から事情を聞くうちに、徐々に犯人像が明らかになっていく…。
この映画に騙されないのは犯人だけと言い切っていいでしょう。見た人みんなが騙されて、ちょっと待ってくれと思い、もう一回最初から見たらわかるからと、負け惜しみを言うしかなくなる。
人によっては演出に悪意があるとか、ミスリードを誘うのはズルいと思うかもしれません。でもよくよく見ると、ミスリードではなくて、「あ、自分が勝手に信じただけだ…」と気付かされる。
完敗とはこれです。
くやしいですしか言えない。
でもそれでは気がおさまらないから、自分はユージュアル・サスペクツを見た側の人間です、と強がってマウンティングするのが精一杯。僕は見ているのでみんなより強いです、1ランク上の映画好きです、と鼻の穴をふくらませることしかできない…。
鑑賞後の楽しみ方といえば、友人知人に「ユージュアル・サスペクツ見た?」と聞き、見ていないなら「えっ!?見てないの?絶対に見るべきだよ〜」と上から目線で紹介すること。たとえ相手が見ていたとしても「カイザー・ソゼ!」と言って笑い合うのです。
本作を見てサスペンス映画が大好きになった人には『特捜部Q』シリーズをおすすめしますが、それはまた別の話。
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