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大人C
2022年10月30日 18:02
何かが頭をよぎった気がするまだよぎったばかりで後ろ姿がうっすらと見えている薄暗い朝の食卓のテーブルに置き去りにされた塩みたいもしあれがアイデアというものなら紙に書けば捕まえることもできるだろうただの大きな大きな黒い鳥だと言うのなら黙って見送ることにしようもしかすると、おふくろの味それならまたお盆を待てばいい右折をする素振りを見せているあいだにとりあえず日記に書い
2022年10月25日 21:04
もうひとつの方のあらましが聞きたいと言うからもうひとつ目もふたつ目もないけど考えうる別のあらましを話してみるするとやっぱりそこじゃない、と言うながい籤が外れたみたいに あらましを静かに戻して復活するのを待つあくせくしてもしょうがない母親の寝ぐせを見てはいけない日があるそこの部分だと言ったけどどこのあらましだったのかちっともわからない
2022年10月23日 16:15
なんとなく嫌な気持ちだったのはそれを隠していたからだろう生まれてこのかた本音だったことがない目を伏せなくったっていいヒトが笑顔をつくり続けないのはその方が本心だからだろう?楽園があると信じているそれは記憶からくるものなのか幻想からくるものなのかわからない楽園じゃない場所にいるのが今でわたしは私を盲目にする物語の入口を探している何度も出口と入口を間違えて戻れない場所にた
2022年10月19日 21:05
家のなかって歩いてるのかな歩くってのはもっと別の場所から別の場所へ移動することな気がする家のなかは移動してるんじゃなくてすり減らしてるんだよ棚とか壁はそうして古びていくそれは私のせいというところもあって身長も顔の形も大きく変わらないし同じような通り抜けかたをするからなんだろうな糸口はもっと大きくした方がいいよってあなたは言う
2022年10月17日 22:58
夜遅くに家に着く。家の明かりがすべて消えているから少しだけ散歩する。あたりの家の二階の窓から常夜灯の明かりが見える。まだ起きてる人がいることに安心する。人は生まれながらにして人を欲しがる中毒なんだ自覚症状がまるでない見上げると月。息を思いっきり吸い込むと少しだけ月の匂いがする。聞きたいことを上手に聞くにはどうしたらいいのだろう。聞き上手というのではそれは聞けな
2022年10月15日 20:00
初めてみる学校の校庭イベントの後はいつも離れがたく皆なかなか帰ろうとしないけれどその集まり方はよく知らない知らないけれど一人で帰って自分がいなくなったあと何かあったんじゃないかと思うそのことはよく知っているきっとそう思ってる子が校庭から離れられないでいるこんな特別な日がどうして特別な日にならないのだろういつもと同じように夕方になる家に着いてからのうたた寝夢のなかで
2022年10月14日 07:21
わたしは人の言葉に惹き込まれる癖があって、気がつくとよくその人の世界に入り込んでいることがある。それは夢のようでもあるし物語のようでもあるし現実のようでもあるけど、要するに何だっていいのだ。それが、三つのうちのどれかなんてよくわからない。このあいだもある人と話していたら、少しづつ景色が溶けていって、わたしはその人の世界にすっかり入り込んでいた。するとその人のもう一人が私の隣に座って「あ
2022年10月9日 20:50
今日は懐かしい近道を通った。懐かしすぎて、その近道はどこからどこへ着くのかを早くしてくれる道なのかはすっかり忘れてしまっていた。ただ遠くに見える山々との距離感とか道沿いに並んでいる畑の野菜の出来栄えがいつも通る道よりも目的地に近づいてるのを早い気分にさせてくれていた。僕は待ち合わせ場所に向かっている相手にラインをした。「よく覚えてない近道を通ってるから少しだけ早く着くかもしれない」そう言うと「
2022年10月11日 16:00
もともとは誰宛でもない日記だったから真夜中の郵便夫に頼むことにしたんだ彼、きっと朝方までそこらじゅうをふらふらほっつき歩くのだろうね深夜便の切手を貼ったからきっと眠りから起こさないように君の郵便ポストに落としてくれるんだと思うでもその日記は朝陽と君に弱いからな早朝には消えてしまうかもしれないから何を書いたかを教えておくねおはようとだけ鉛筆で書いてあるんだ