筒井康隆「問題外科」を読む。むかし、ハリウッドで映画化する話があったはずだが…ポール・バーホーベン監督に頼むしかないなぁ。
ふたりの異常性格者の外科医が手違いで健康な看護婦を手術してしまうというあらすじのこの作品。極めて非倫理的で極めて残虐的です。救いもなく、教訓もなく、風刺や皮肉が効いている訳でもなく、ただただ狂気に満ちているだけのエロ・グロ・ナンセンスなコメディ(!)小説なのですが、その狂気が突き抜けすぎていて爆笑と同時に感動を覚えた最高な作品です。
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昔々、私が高校生ぐらいだったころ、「スターログ」か「宇宙船」に、『筒井康隆の狂気の傑作「問題外科」の映画化権をハリウッドが取得!』という小さな記事を見て、「おぉ、これは楽しみだ」と、以来、40年以上待っているのですが、映画化されたという話は聞きません。
非常に残念です。いま、映画化するならスプラッター好きな「ポール・バーホーベン監督」(「ロボコップ」「スターシップ・トゥルーパーズ」など)に依頼するしかないでしょう。
近年のポリコレ的な配慮も大事ですが、このような倫理的に非常によろしくない作品も許容される世の中であってほしいと切に願っています。
今、「問題外科」を読もうと思うのでしたら、上記の2冊の短編集が、比較的、手に入りやすいのではないでしょうか。
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筒井康隆の作品で映画化されたものといえば、「時をかける少女」が一番有名ですね。
でも、私は、ひっそりと映画化されて、話題にもならず埋もれている「俺の血は他人の血」をオススメしたいのです。
監督・脚本は桝田利雄。主役は火野正平です。1974年10月公開。91分。
下のポスターは、なにげに「太陽を盗んだ男」に似ています。
東宝の作品だと思っていたら、松竹だったのですね。松竹でアクション映画かぁ・・・。
実はこの映画、原作の筒井康隆氏は、出来の悪さに非常に怒っていて、「土康隆、自作を語る」という講演会のなかcで、この作品に触れたときに激高。
筒井「俺の傑作をムチャクチャにしやがって!この映画取った監督、殺す。殺してやる!」
司会「でも、石原裕次郎さんの映画を撮った監督さんですよ」
筒井「そんなの関係ない。殺す、絶対に殺す!」
と絶叫しておられました。いったい、何があったのか?
「エスクレメントオー!」
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