出目昌伸監督「沖田総司」を鑑賞。いやぁ、ニューシネマしてますねぇ。
あらすじ「モデル出身の草刈正雄が沖田総司に扮し、青春もののニュアンスを投入した異色時代劇。監督は「俺たちの荒野」などの青春映画で注目されていた、当時新進の出目昌伸。
結核のため、余命2年を医師に言い渡された沖田が、新撰組の仲間たちと共に、激動の時代を駆け抜ける。
物語の中心となるのは、沖田(草刈)、土方歳三(高橋幸治)、近藤勇(米倉斉加年)の3人。出目監督の演出は、70年代初頭に流行したアメリカン・ニューシネマのタッチを取り入れ、沖田と土方のふたりは、さしずめ「明日に向って撃て!」(ジョージ・ロイ・ヒル監督)のブッチとサンダンスといった趣。草刈が演じる沖田総司は、あまりにスマートすぎ、土着感に欠けるきらいはあるものの、西田敏行ら新撰組の面々とのバランスの妙がなかなか楽しめる」
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これまでの青白い美剣士というイメージを払拭して、ハーフの草刈正雄を沖田総司役に抜擢した異色作。沖田総司(草刈正雄)が雄叫びを上げながら屋外を疾走する冒頭シーンに圧倒される。脇を固める土方歳三(高橋幸治)、近藤勇(米倉斉加年)がしっかり支えているため、草刈が浮いていない。
この映画はほとんど時代背景の説明がない。テロップ付きで人物が次々に登場して、「芹沢鴨の暗殺」「池田屋襲撃事件」「山南敬助の脱走」など、新撰組にまつわる有名なエピソードが駆け足で続く。
沖田を慕うヒロインを演じるのは真野響子。沖田とはプラトニックな関係でやや物足りない。髪を洗う場面が美しい。と、思ったのもつかの間、次のシーンでは長州浪人に理不尽にも惨殺されれる。復讐に燃える沖田が長州浪人を見つけて斬りまくるシーンが見どころであります。
細かい人間関係を描く暇はなかったのだろうが、沖田の短い生涯にフォーカスしたのは結果として奏功している。異色の青春時代劇として振り返る価値のある作品である。若き日の草刈正雄の魅力が詰まっている。
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