見出し画像

今村昌平監督「復讐するは我にあり」を鑑賞。

1979年、キネマ旬報ベストワンは「太陽を盗んだ男」だと信じていたが、なんとゴジ(長谷川和彦監督)の師匠である今村昌平監督の「復讐するは我にあり」がナンバーワンに輝いてしまった。ちょっと、悔しかったが、いま、観返してみると、「なるほどなぁ」と、感心したりする。年齢を重ねて、やっと理解できることがあるんだなぁ、と感じた次第である。

画像1

いやあ、冒頭、パトカーで連行される犯人役の緒方拳が「放送禁止ワード」をしゃべるのでドキドキしました。けっこう「濡れ場」も多いですね。

画像4

・・・

【この映画の特徴をまとめてみた】


■深みのある俳優陣
三國連太郎や緒方拳のような俳優が今いるかな?
この何とも言えない物語の奥行きは間違いなくこの俳優陣によるもの
見ている側にいくらでも想像をさせる余裕を与えてくれる演技
鑑賞していくにつれ私たちは榎津親子にどっぷり惹かれてしまう。

画像4

画像4

■大きく変わってしまった日本の風土
具体的に細かく言えばどこでもタバコが吸えた、携帯電話がない
生活感あふれる住居、立ち小便で血を洗う(これは関係ないかな・・・)
殺し方から濡れ場までスタイリッシュさの欠片もなく
必死で滑稽で人間臭いんですよね、臭いまで感じさせるリアルさ。

画像5

画像6

■鬼才今村昌平
カット割りや構図は今見ても斬新、色の使い方も上手いんです。
小川真由美がキムチを漬けている時、榎津に締め殺されるシーン。
それを天井から固定で撮ってるんですけど「唐辛子」「襦袢」「絞殺された顔」。この統一された「赤色」によってそのシーンが鮮烈に残るんです。
そしてラストに三國があるものを投げるんですが
この映画に相応しいラストシーンでした、一生忘れないシーンです。
現在の邦画界を牽引してる園子温が憧れるのも頷けますなあ。

画像7

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

園子温監督の「冷たい熱帯魚」は、きっと、この映画の影響をうけているんだろうなと感じました。

画像8

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

佐木隆三の原作(ドキュメンタリー)もおすすめです。

画像9


この記事が参加している募集

読書感想文

映画感想文

最後までお読みいただき誠にありがとうございます。私の記事はすべてが「無料」です。売り物になるような文章はまだまだ書けません。できれば「スキ」をポチッとしていただければ、うれしゅうございます。あなたの明日に幸せあれ。