①男子！ちゃんと歌ってよ！！

あなたは忙しい毎日で、周りの声が聞こえなくなってはいないだろうか。
耳をすましてみれば、意外に遠くの音も聞こえるものである。
静かに目を閉じて聴いてみてほしい。

ほら、今日もどこかで、、、、

「・・・・・・ﾃﾖｫ」

ほら、聞こえてきた

「・シィ・・ﾄｳﾀ・・テヨォ」

ほら、すぐ近くだ。

「dﾝシィ・・・ﾝﾄ・・・ｳﾀ・・・テヨォ！」

鮮明に聞こえ始めたぞ。

「ダンシィ！チャントウタッテヨォ！」

はっきり聞こえたな。
この鳴き声はガッショウ目コンクール科のダンシニキレルジョシだな。

「ウッセーヨ！ウッセーヨ！」

お、この声は同じくガッショウ目コンクール科のハンコウキヤンキーだ。

この二匹の近くにはゼッタイニクチアケナイヤツ

とトナリトジャレアウヤツもいるはずだ。

耳を澄ますだけで、愉快な鳴き声が聞こえてきただろう。
そんな声を聞きながら、あなたも合唱コンクールのことを思い出してほしい。

僕は３年間優勝という華々しい結果を残した。
２、３年は指揮者賞までとって学年合唱も卒業式の指揮もやった。
目立ちたがり屋にもほどがある。
少しはひっこめマジで。

合唱コンクールは楽しい。
まず合唱自体が楽しい。大人になってから合唱なんてする機会ない。
それに学校特有の「性質も目的も異なる複数の人間が無造作に詰め込まれ生活を共にする」ことによって様々な事件が起こる。
指揮者は全体が見えるので、異なる人間模様が観察できてとても楽しい。

3列に並び歌う姿はさながら電線に並ぶ小鳥のようだ。