認知症の治療薬には今どんなものがあるのか?これからの展望は?
将来罹ったら怖い病気の1つに、認知症がありますよね。
自分も罹りたくないし、家族や友人にも罹ってほしくありません。
認知症患者は年々増加傾向にあり、内閣府の発表によると、2025年における65歳以上の認知症患者は約700万人に達する見込みだそうです。だいたい5人に1人の割合です。
万が一、自分や家族が罹ってしまったら?と思うと、今から情報を集めておくに越したことはありませんよね。
そんなこんなで認知症について調べていたので、現状のポイントを皆さんにもシェアしたいと思います。
2023年12月、アルツハイマー病治療薬として「レカネマブ」が保険適用に
新しい治療薬「レカネマブ」
レカネマブとは、アルツハイマー病の原因に働きかける世界ではじめての治療薬として注目されている薬です。
アルツハイマー病とは認知症の一種で、認知症の60-80%を占めるそうです。
2022年時点で、アルツハイマー病患者は日本に79万4000人いたそうです。
レカネマブは、早期アルツハイマー病患者の病気の進行を約7.5ヶ月遅らせる効果があるとされています。
早期アルツハイマー病患者1,795人を対象とした臨床試験(Clarity AD)の結果によると、レカネマブを投与された患者群では、プラセボ(偽薬)を投与された患者群と比較して、以下のような効果が認められました:
認知機能の低下が27%遅くなった
日常生活動作の低下が37%遅くなった
病気の進行が約7.5ヶ月遅くなった
そんなレカネマブが、 2023年12月に保険適用となりました。
(どうやって新薬が保険適用となるのかについてはこちらの資料がわかりやすかったです。興味のある人は見てみてください。)
従来の治療薬との違いは?
レカネマブ以前に承認されていたアルツハイマー病治療薬には以下のようなものがあります。
ドネペジル(商品名:アリセプト)
ガランタミン(商品名:レミニール)
リバスチグミン(商品名:イクセロン)
メマンチン(商品名:メマリー)
これらの薬剤は、主に症状を改善することを目的としています。例えば、ドネペジル、ガランタミン、リバスチグミンは脳内のアセチルコリン量を増やすことで記憶力や認知機能の改善を図り、メマンチンは過剰な興奮から脳を守ることで症状の進行を遅らせます。しかし、これらの薬は病気の根本的な原因に作用するわけではありません。
一方、レカネマブは、アルツハイマー病の発症メカニズムに直接作用する疾患修飾薬と呼ばれる種類の薬剤です。つまり、より根本治療に近づいた薬といえるでしょうか。具体的には、脳内に蓄積する異常なアミロイドβたんぱく質を標的とし、その除去を促進することで病気の進行そのものを遅らせることを目指しています。
詳しく知りたい方はぜひこちらを参照してください。
新薬「ドナネマブ」の発売に遅れ
ドナネマブは、レカネマブと似たような働きをもち、ある指標への効果についてはレカネマブよりも投与量と期間を抑えられることが知られていました。ですが、副作用の危険性があるという理由で米食品医薬品局(FDA)が承認可否の判断を延期しました。
今後、外部の専門家からなる諮問委員会を開いて安全性と有効性を検討するという段階のようです。
日本にも2023年9月に厚生労働省へ承認申請が出されているようです。
安全なことが証明されてから処方されてほしいですね。
今後、武田薬品からも同種の薬が販売される?
によると、レカネマブと同じ働きをもつ新薬が臨床試験段階であるとのこと。公式声明はこちら。
これからの展望
レカネマブを皮切りにアルツハイマー治療薬がどんどん登場してきて頼もしい限りですね。これらの薬はアルツハイマー病の進行を遅らせる画期的な治療薬ですが、まだ根本的に治療ができる薬ではありません。認知機能の低下を完全に止めたり、回復させたりする薬の登場についてはさらなる研究を待ちましょう。
によると、現在以下のような研究が進められているようです。
レカネマブのような抗アミロイド抗体医薬の改良
タウやαシヌクレインなど、他の原因タンパク質を標的とする治療法の開発
傷ついた神経細胞を保護し、修復を促進する治療薬の開発
食事や運動などの生活習慣が治療効果に与える影響の検証
僕たちにできるのは食事や運動を気をつけることでしょうか。
それらについてはまた違う記事で取り上げます。
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