昼休み、梅雨が近い空はどんよりと雲に覆われていた。僕はのんきにセブンイレブンのそばを啜っていた。 「お前、次テストあるけど大丈夫なの?」 志摩君は、手持ち無…
僕は見覚えのあるような、ないような、曖昧なショッピングモールをうろうろしていた。するとへそのしたあたりがキュッとしだして、「おしっこいきてえ」と思った。しかし…
午後一時過ぎ、四限まで時間のある僕と志摩君は木漏れ日の気持ちよいベンチでのんべんだらりとしていた。 すっかり温かくなり、空には重たそうな雲がちらほらと見えた…
これは、宇根良彦という人間のエッセイである。 聞き覚えがない名前だな、と思った人もいるだろう。なんだか芋臭い名前だなと思った人もいるはずだ。 仕方のな…
宇根良彦
2024年5月23日 17:20
昼休み、梅雨が近い空はどんよりと雲に覆われていた。僕はのんきにセブンイレブンのそばを啜っていた。「お前、次テストあるけど大丈夫なの?」 志摩君は、手持ち無沙汰に言った。彼は今体重を気にしているので、飯を食っていない。「何が?」「だって英語できないでしょ、んなのんびりしてていいわけ?」 彼は、僕の英語力の有様を四年近く間近で見ている。 僕は英語が得意ではない。英単語を覚えることを後
2024年5月15日 17:11
僕は見覚えのあるような、ないような、曖昧なショッピングモールをうろうろしていた。するとへそのしたあたりがキュッとしだして、「おしっこいきてえ」と思った。しかし、探せど探せどトイレは見つからない。歩いていればいつかはtoiletの看板が目に入るかと思ったが、いつまでたっても見つからない。それどころか、イオンの端にすらたどり着かない。自分以外に人もいない。 まさか、あの無限イオンに閉じ込められたの
2024年5月13日 22:53
午後一時過ぎ、四限まで時間のある僕と志摩君は木漏れ日の気持ちよいベンチでのんべんだらりとしていた。 すっかり温かくなり、空には重たそうな雲がちらほらと見えた。夏が近い。しかし夏は嫌いなので、この時期になると憂鬱になる。サザエさんを見ながら、月曜に思いを馳せるような憂鬱だ。 ところで、隣の志摩君はというと、掟上今日子を静かに読んでいた。 僕は、風に揺れる木を見ながら言った。「そういえば
2024年5月9日 18:01
これは、宇根良彦という人間のエッセイである。 聞き覚えがない名前だな、と思った人もいるだろう。なんだか芋臭い名前だなと思った人もいるはずだ。 仕方のないことだ。 僕、宇根良彦は、至って何者でもない、ただの大学生である。世に出たことはないし、金もないし、大志もない。恋人もいない。 さらにもう一つ。 このノートには、今後一切有意義な情報が何一つとして投稿されないことを断言