【第32話】ポスト虫恐怖症としての高所恐怖症
来年のことを言うと鬼が笑うらしいが、切実な問題だコレは。
その問題とは、「高所恐怖症」の克服である。皆さんはどーすか、高いところどこまで平気? 展望台でガラス張りになってる床とか覗ける? いつかバンジーやってみたいとか?
わたしは…公園のジャングルジムのてっぺんで割とギリギリですわ。大三島が誇る絶景「多々羅大橋」も、端を歩けば足がすくむ。さっきネットで見た奈良県の「宮ノ平の吊橋」なんて、写真見てるだけで股間にないはずの玉がキュキューッと上にあがりましたよ。
なのに神様ったら、本当にドSなんですね。
田舎に移住してもうすぐ2年、超アウトドアな取材が増えた。崩れそうな山の斜面を駆け上ってイノシシの足跡追うとか、巨岩の絶壁にかけられたハシゴ登るとか。干潮時に港から船に飛び乗るとか。
いやいや、見た目じゃわからないと思うけど、急斜面なんですって! 感覚で60度はあったよ、三角定規の直角のほうのヤツ!
四国遍路の取材で、緊張しすぎて転んだ。急坂と険しいアトラクションで名高い45番札所「岩屋寺」――の手前。まったくなんでもない平坦な舗装道路でのことだ。カメラをかばって手が使えず、膝から崩れ落ちてこのザマだ。
取材先の方に手でひっぱりあげてもらったり、吊り橋怖いからって付き添って歩いてもらったりー―
なんて介護してもらってる場合か!?
あかん、あかーん!! こんなことなら、山ガールとか、釣りガールとか、崖ガールとか、スパイダーマンガールとか(ないか)何かやっておけばよかった。猟師でもある百獣の王・T氏は、「どんくさいの~」とからかいながらも「いつか慣れるから大丈夫」と言ってくれたけど、本当でしょうか……。
ムカデの次は、高所恐怖症の克服が急務みたいです。来年は。
脳内モルヒネ、出てこい出てこーい。
カラス雑誌「CROW'S」の制作費や、虐待サバイバーさんに取材しにいくための交通費として、ありがたく使わせていただきます!!