吉穂堂で会いましょう #2
2024年に入ってから、多くの方が吉穂堂を訪れてくださっています。
「吉穂堂」は、神田神保町にあるPASSAGEという共同書店の中にある、小さな棚です。
そんな小さな棚を目ざして、遠くから足を運んでくださる方がいる、ということが、いまだに現実のことなのかと思ってしまうことがあります。「まるで夢のよう」という表現がありますが、本当にその通りです。
1年前にも、3年前にも、およそ想像もしなかった素晴らしい出会いが、そこに生まれています。
noteのコメント欄で交流した方と、実際にお会いし、お話する喜びはこの上ないものです。それになにしろ、身近な話から本の話、文学の話、書店の話、創作の話、noteの話と、お話が尽きることが無いのです。
実際には、すれ違いでお会いできなかった方もいらっしゃいますが、心からの感謝を込めて、1月から2月までの間に来てくださったかたのことを、ここに記しておきたいと思います。
1月某日 都内某所より青豆ノノさん
青豆さんが訪れてくれたのは、1月の土曜日です。
「『駐妻記』が購入されました」という案内メールがピロリンと届き、「あ。どなたか買ってくださったのね!ラス1のあの子を!」と感動に打ち震えていたのですが(購入メールが届くときは毎回です)、どなたか、というのはその時点では不明でした。
その後、DMで「実は私です」とおっしゃってくださって、初めて青豆さんがご来店くださったことを知りました。
え。うそ、やば。青豆さんが!あの!青豆さんが!クラクラ・・・
——感動しすぎて固まる自分。
その後、来店の時の様子を記事にもしてくださいました。
青豆さん。
改めまして、本当に本当にありがとうございます。
ちょっとストーカー気味に青豆ラブ、青豆推しを公言しているので、私の青豆好きはすでに知れ渡っていることと思います。ほんと失礼ですみません。
さてこの時、青豆さんは棚にお手紙をそっと置いていってくださいました(お店の人に確認の上。私にもDMをくださいました)。
青豆さんは棚にお手紙を置いていったことをだいぶ気にしてらっしゃいましたが、結構あることみたいです。というか、私は嬉しかったです!
こうした書店の場合、棚は棚主と読者との交流の場でもあると思うので、私としては「アリ」だなと思っています。
青豆さんの私の「推し」作品は、こちら。
推し作品は他にもいろいろあるのですが、最もガツンと衝撃を受けたのが「AYA」です。
青豆さんは最近、サイトマップを作られたので、万が一、未読の方がいらしたら、ぜひ。
青豆さん、また来てくださいね。
次回はぜひ、お会いしたいです。
もちろん、コッソリでも大歓迎です。
2月某日 湘南よりコニシ木の子さん
常にチャレンジし続け心の底から文学と女性を愛するコニシさんから「〇日に東京に行く用事があり、吉穂堂に行きたいのですが会えますか?」とメッセージをいただいて、「吉穂堂」併設のカフェでお会いすることになりました。
いえ、併設・・・は言い過ぎました。吉穂堂がカフェに併設です。すみません。笑
実はコニシさん、以前にも立ち寄って『ナユタ』をお買い求めくださっています。その本に、なんとサインをとおっしゃってくださいました。
以前、成り行きから「サイン会」をしたことがあります。あの時から紆余曲折を経て、サインを変えました。前のサインは「さらさら」書けなかったのです。「さらさら」を目指して精進しているうちに、別の形の方が「さらさら」できることがわかりました。
大変僭越ながら、今回お買い上げいただいた『白熊と光』とともに『ナユタ』にサインさせていただきました。
——鼻血が出そうでした。
コニシさんは、吉穂本、2冊目です。サトちゃん、タイ在住カナさんに続いて、今、最も吉穂本を所有している、世界で3本の指に入る方です。しかもなんですか?「『ナユタ』は本棚の開高健の隣に並べてます」とな??
——僭越すぎて鼻血吹き出しますがな。
たくさんお話をさせていただき、時の経つのを忘れるほどでしたが、コニシさんに「これまでどんな本を読んでこられたんですか」と聞かれ、しどろもどろで答えられなかったことを今でも深く反省しています。その反省から、「映画で自己紹介」というテルテルてる子さんの企画にチャレンジすることになったのは、記事に書いた通りです。そして、「リアル『なんの話ですか。』」を聞きそびれたことを、それ以上に深く深く悔やんでいます。(マティさんに「リアル何の話ですか、聞けたんですね!」と言われて、ハッ!!と。笑)
コニシさん。
改めまして、ありがとうございます。
お話したことのすべてが、私の宝物です。
爬虫類の記事だけはどうしても苦手なのですが、そんな自分を情けなく思いますが、でもそれ以外の記事を、私は追い続けます。笑
常に「リアル」と「物語」をせめぎ合わせ、リアルを物語に落とし込みたいと願い、「いただいたものは返したいのです」というコニシさんのコニシキノコイズムに、深く感銘を受けました。
また、来てくださいね。
2月某日 大阪よりRyoko先生
風邪をひいて横になっていたある日の朝、ピロリンとLINEが届きました。
あ、私のスマホに届くお知らせは基本、ピロリン。笑
そのLINEにはなんと、
「みらいさん!今東京です。今から吉穂堂に行こうと思ってます!」
と、あるではないですか。
えええええ!!!まじぃぃ?どうしようう???
大阪在住、フランス語講師のRyoko先生とは、リアルでお友だちなのですが、本当に長いこと、会えていません。Ryoko先生もお仕事で忙しく、私もなかなか単独で家を離れられないということもあり、いつかいつか、と言いながらなかなか会えなかったのです。
こんな千載一遇のチャンス、逃すことはできない!と思ったのですが、どうにも身体の具合が悪く、こんな状態で行ったらRyoko先生にも申し訳ない、と泣く泣く、その日は行くのを断念しました。
というかRyoko先生、動物占いがペガサスなので、ひらめき型なんですよね。笑
そうだ、京都行こう!みたいに、ちょっとスキマ時間が空いたので「そうだ、吉穂堂行こう!」と思ったみたいです。でもそのノリ、大好きです。元気な時なら飛んでいくところでした。今回は本当に残念。
とりあえず「カフェの『トマールの星』が美味しいので、食べて行ってね」と伝えました。カフェもそうですが、本屋さんそのものが「フランスっぽくて気に入りました」とおっしゃってくれてよかったです。
Ryoko先生からサブタイトルの相談に乗ってもらった『The one Les âmes jumelles』をお買い上げいただきました。「Les âmes jumelles」はフランス語で「魂の双子」という意味です。
Ryoko先生、また近々、必ず、吉穂堂で会いましょうね!
2月某日 秘密の庭よりRyéさん
Ryéさんが吉穂堂に行きたいです、と言ってくださった日から、ワクワクが止まりませんでした。それを目標に生きていたと言っても過言ではありません。
noteで珠玉のエッセイをお書きになっているRyéさん。
読んだらきっとその国、その街に行きたくなる――まるで「機内誌」のような魅力的な旅のエッセイが特にお勧めです。
語学に対する真摯な姿勢、興味のあることに対するアンテナの感度の良さ、センスの良さ。憧れの方です。
初めてお会いするのでそれはもうドキドキしていましたが、ひと目会った瞬間からまるで昔から知っていた方のような気がしました。noteって、ちょっと「文通」しているみたいな感覚なのかもしれません。話が滑り出して止まらず「dekoさんとお会いした時もそうだったんですよ!」とRyéさん。dekoさんもそうおっしゃっていたな、と感慨ひとしおです。
まずは「秘密の庭」(お住まいの場所は内緒です)のお土産と共に先日の「広島文フリ」で出店していらしたぼんらじさんの「ウミネコブース」から買ってきていただいた「ウミネコmini文庫」と「ウミネコ雑誌 ウミネコno.1」を受け取りました(ほかの作品は5月の東京文フリで買おうと思っています)。
穂音さん、ジェーンさん。その節はお世話になりました。
ひとしきり、その話題に花が咲きました。
そしてですね!
ここは太字で記しておきたいのですが、なんと。
スクラップブックをいただきました!
ちょっと、チラ見せしちゃいますね。
吉穂堂に行きたいといってくださっただけで嬉しいのに、こんな素晴らしいものを、私のために時間を割いて作ってくださったんだ、と思ったらもう泣きそうでした。
本日は『駐妻記』ご所望とのことだったので、「あ、しまった。ラス1は青豆さんのもとに。家に残っていたかな」と焦ったのですが、念のために取っていたものが1冊、本棚にありました。いちおう、オタクの心得として自分の「読む用」と「保存用」はキープしてあって、「保存用」が残っていたのです。良かった。
『駐妻記』は、追加発注をかけました。
無事『駐妻記』をお渡しできましたが、私が搬入作業をしている間に、なんとRyéさん、ササっと店内を見回って「吉穂堂の宣伝によさそうなツール」を見てくださっており、「これなんか吉穂堂にぴったりだと思います!」と棚からパンフレットを持ってきてくださいました。
先日「吉穂堂のポップ強化を図らなければ」という記事を覚えていてくださったのです。
なるほど、パンフレット。
これはまた新鮮なアイディアでした。
文フリのときにもいいですよ、という経験談をお聞きし、「しかしどうやって印刷を・・・」と戸惑っていたら「キンコーズ」というのがありますよ、と教えてくださいました。
もう、何から何まで色々と教えていただき、感謝しかありません。
ちょうど印刷屋さんからチラシに関してはお断りのメールをいただいたばかりだったので、本当に有難かったです。
じっくり(といっても急いで)検討したいと思います。
さて、宴もたけなわ、私達の話は止まりません。羽田発の飛行機に乗るには14時30分には出ないと、と言っていたのに、あれこれいろんな話をしていたら、とっくに30分を過ぎていました。
慌ててPASSAGEを飛び出し、話をしつつ(こんな状況でもまだ止まらない)、最短経路を確認しつつ、なんとか山手線に乗りました。
その前日、モノレールが強風で運休だったそうなので、品川から京急の経路しか考えていませんでしたが、浜松町にさしかかったらRyéさんが「やっぱりここで降りてモノレールに賭けます!」とおっしゃったので、「えっ!」と驚きつつ、漫画や映画のようにふたりで電車のドアから飛び出しました。
映画ならスローモーションかかるとこです、ここ。
浜松町で別れ、どうなることかとハラハラしましたが、なんとか出発に間に合った、と連絡が来たときはホッとしました。後から考えたら、品川からだったらやっぱり間に合わなかったんじゃないかと思います。冷や汗をかきました。
でも、なんだか、一緒に旅をして、そこで思わぬハプニングに遭い、一緒にクリアしたような気持ちになりました。
これもまた、生涯の大切な思い出です。
「人生、なんとかなりますよ。こういうときは、焦っちゃダメなんです。焦ると怪我したりして、それが後々大変になりますからね。ドイツに行った時には――」
という、Ryéさんの旅行トラブルの貴重なお話を聞けたのも、実はちょっと得した、と思いました。走らせてしまったのにすみません、Ryéさん。
Ryéさん。
来てくださって、心から、感謝申し上げます。
ありがとうございます!
今度お会いするときは、ええ、時間に余裕を持って、お話しましょう。
たぶん難しいけど・・・笑
でも「note発の楽しい計画」についても話し合えたので、いつかそれが実行できたらいいな、と思っています。いえ、きっと実現させましょう!
きっとまた、来てくださいね。
2023年末 オンラインにてももまろさん
今回は、吉穂堂に直接訪ねてくださった方のことを記事にしましたが、実は昨年には、ももまろさんがオンラインを利用してご購入くださっています。お会いしたりお話したりはできませんでしたが、温かく有難いDMをくださいました。吉穂堂に来てくださったのと同じ、と思っています。
ももまろさん、その節はありがとうございます!
吉穂堂で熱く語ったおススメのnote本
今回吉穂堂でお会いした方々に、「最近読んだnoterさんの本」として、ローローさんのご本をご紹介しました。
今私の中でアツい、『エジプトの輪舞』と『エジプトの狂想』。
世界史の肝心かなめに迫る大作だと、私は思っております。
どちらも即買いしちゃいました。
現在『エジプトの狂想』を読んでいる真っ最中です(なかなか読む時間が取れなくてもどかしいのですが)。
この機会にぜひnoteを覗いてみてくださいね。
今、リアタイ記事で熱いのはこれです。
さて、2か月の間に、こんなにたくさんの方が吉穂堂にいらしてくださいました。
たまたま用事があって東京に来たときに「あ、吉穂堂、行ってみたいな」と思ってくださること、さらには「吉穂堂に行きたい」と思って遠くから来てくださること――心から感謝するとともに「これは当たり前のことじゃないな」と思います。
「行ってみようかな」と思う存在になれたら、と願っていましたが、そんな風に感じることと、本当に行くこと、は別の話です。
皆さんが、足を向けてくださった。
時間とお金を使って、来てくださった。
それ以上に有難いことなんて、この世にあるでしょうか。
吉穂堂はなにしろ「カフェ併設」が魅力の本棚です(虎の威を借りまくり)。ちょっとお茶しながら、本の話をして時間をすごすのも、また楽しいものです。
次はぜひあなたさまが、いらしてくださいね。
ふと思い出して吉穂堂に足を向けて下さったら、望外の喜びでございます。お会いできること、お話しできること、楽しみにお待ちしております。
吉穂堂で会いましょう。
「吉穂堂で会いましょう」の「#1」です。