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「愛してる」って言われたら、黙るのはやめよう、それはやめたい、ホトトギス

前回、あいあい頭の中がうるせいやい、と書いた
この「あい」は、
世間一般的にいう恋愛関係においてのものにちかく、愛のほんのひとかけらのことなんじゃないかなって感じている。

⇒前回記事「あい、あい、頭の中がうるせい、落ち着いて。」
https://note.com/yoshie_moriyama/n/nc015fe876afa


ほんとうのところ、数か月前まで私の中の辞書に「あい」という言葉はなかった。

愛するということが昔からよくわからなくて、
I LOVE TOKYOとかのTシャツくらいしか理解が追い付いていなかったし、
恋人から「愛しているよ」と言われたら、黙った(失礼なやつ)。

数年前に一度、愛したかもしれないという男性がひとりいたが、
結局うまく愛せなかったのかもなという思いから、

ますます「あい」が口をついて出ることは、まったく多分なかった。
(たぶん数か月前まで愛ということばを口に出したこと、数えるくらいしかないんじゃないかな、人生のなかで)


以前、「付き合う」という意味について広辞苑で調べたことがある。

広辞苑には、

付き合う:まじわる、交際する とあり、
交際する:付き合い とあり、
まじわる:交際する と。

無限ループであることが発覚。


わたしにとって、こんな頭があいあい言いはじめて、あらゆるものに対して、チャラ男のように愛してるなと言うようになっても、
頭の中の辞書には「あい」についての記述はなく、

この「付き合う」とおなじようにまったく定義なく直感的に発言していることを、ここで謝罪します、ごめんなさい。



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あい、
それは

いま、この一瞬の流れ行く時間に出会う、草花の生命。

工場のコンベアに乗って組み立てられる車でさえ、
おなじ場所、
おなじ設備、
おなじ人
おなじ一瞬にはつくられはしないという、奇跡。

そして、それぞれがそれぞれの役割をはたしてできあがる世界。

ガソリンスタンドで車を送り出してくれる、あのかわいらしいひとの笑顔。



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あい、
それは

わたしの内側が外に見せた
ただの柄

缶詰の薄汚れたラベル

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あい、
それは

わたしたちの内側が外に見た、
すべてたましいたちへのあふれでる感情

わたしたち、ひとりひとりじしん。

古ぼけた缶詰のラベルが過ごしてきた時に想いを馳せること
通り過ぎた、看板にさえもここの顔があることに気づく感動。




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あい、
それは

ことばにした瞬間
交わらない寂しさで

身体の中のどこか、ほんのすこしだけ滲むもの

そのこわさから、
喉の2センチ下でうずくまっているもの

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あい、
それは

あいした人たちが、あいじょうをかたむける姿をななめ45度から見つめているとき。

あいしている人がじぶんを愛したときにつらくならないように、120パーセントでぶん殴ること。
踏みつけること
ひとつも記憶がなくなるほど。

すがりついて泣きながら抱きしめるゆめをみたとしても、たとえ、

嫌われて忘れ去られてもいい、人生のなかでえいえんに、その、衝動。





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あい、それは

星屑の海で
なんどもなんども触れてきたひと

たっている場所がわからなくて、
じぶんのなかに求めて、
見失って、

いつも抱きしめられなかったひと

そのときを想って、ただよう、このかんじょう

たいせつなひと

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あい、
それは

みちみちたたましいで立つじぶんじしん。

じぶんがじぶんでいなかったことに気付くこと

じぶんを愛してはじめて外側に感じる

すべてのそんざい。


おわり



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