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【短編小説】バーマリモ
※縦読みはコチラ
「マリモには男女とかないの。暗い湖の底でも、太陽の光を受けて成長する不思議な生き物なんだって。」とマリモちゃんは言った。
マリモちゃんの本名を私は知らないが、昔からの常連さんが「とおる」と話しかけているのを見たことがある。
古ぼけた黒い錆色の街頭が並ぶ商店街。
ふわふわと大きな粒の雪が地面に落ちては消えていく跡をなんとなく追いながら、ポツンポツンとひとつ飛ばしくらいに、シャ
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「マリモには男女とかないの。暗い湖の底でも、太陽の光を受けて成長する不思議な生き物なんだって。」とマリモちゃんは言った。
マリモちゃんの本名を私は知らないが、昔からの常連さんが「とおる」と話しかけているのを見たことがある。
古ぼけた黒い錆色の街頭が並ぶ商店街。
ふわふわと大きな粒の雪が地面に落ちては消えていく跡をなんとなく追いながら、ポツンポツンとひとつ飛ばしくらいに、シャ