粘土
ゴミ袋の底が破れた。道に散らばったゴミを見て、泣きそうになる。僕はこれから大丈夫なのか。また泥のように生活する日々に戻ってしまわないか。戻りたくない。
通勤時、駅に向かう途中、高架下で足を止めそうになったことが何度もある。倦怠感のコートを着て、駅までの道、電車でずっと項垂れていた。小さい空間で上司と二人きりで、詰められるのが怖かった。週末はずっとベッドの上で動けなかった。
夜に窓の外を見て、町中の部屋の明かりを見つめた。あまり友人がいなかったから、「こんなにも生活、労働している人がいるんだ」「しんどい思いをしている人も沢山いるんだろう」と不思議な気持ちになった。
今の僕は、泥というよりは、粘土のようなのかもしれない。少しだけ地に足がついたような、すぐには崩れ落ちそうもないような、そんな気がする。別に誰かの基準に大きく惑わされることもなく、でも弱い部分はまだまだあって、弾性があって。
どうなるのかはよく分からないけど、言葉や音楽を味方につかていれば、どうにかなるだろう。自分の感性と芯を磨いて固くし、誰かに勝とうとはせず、でも柔らかく何度も立ち上がっていれば、どうにかなるだろう。
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