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4年間学校に行かなかった子が最初の教え子だった

 この本を書く上で、最も活かされた経験は「6年間の塾講師・家庭教師」の経験でした。

 小学生・中学生は5教科教えていて、高校生・浪人生は現代文と国語を教えていました。30人以上教えて全員が「第一志望」に受かりました。教えた方で最も多かったのが、中3の方でした。

 家庭教師の中で「中3の数学と英語」が最も需要があるので、数学は大学の時学び直しました。

「教える用のノート」を作っていて本当に助かった

 その時自分なりに「教える用のノート」を作っていて、そのノートを元に5教科の記事は書きました。

 そうでないと、5教科に携わっていたのが、もう20年以上前になるので、「覚えていない」で済まされず、本当に良かったです。

 ちなみにふるやさまと自分は「家庭教師のトライ」で家庭教師を行っておりました。

 自分とふるやさまの「人間である」以外の共通項があって嬉しかったです。

4年間学校に行かなかった子が最初の教え子だった

 何で自分はこういうドラマチックなことが割と発生するのか全く分からないのですが、中学1年生の女の子が最初の教え子で、ちなみに4年間学校に行っていないそうでした。

家に姿を現さなく、まともに授業が出来ない日々が1年続く

 ここからほぼ1年、家庭教師をしようにも、家に姿を現さなく、彼女はおばあ様宅に避難しておりました。

 「自分が不登校であること」を徹底しているなって素直に感動しておりました。一貫性がある方が作者は好きです。

 まともに授業が出来ない日々が1年続きます。はい、1年通いました。駅からバスで遠いのに。

 でも正直教えてもいないのにお金を頂けるのはラッキーでした。お母様ありがとうございます...。

アニメ・漫画を勉強し直す

 そこで「意思疎通を図る共通の何かがないか」、と思って、お母様に伺ったところ、「アニメが好き」だそうで、当時は「らき☆すた」とか「涼宮ハルヒの憂鬱」が流行っていたので、頑張って勉強しました。

 そうすると、中2の春ぐらいから彼女は徐々に授業を受けるようになります。

 あと、自分の長所に「絵が多少描ける」というのがあり、本当にこの長所があって良かったなと思っております。

 正直、授業をせずに一緒に1時間絵を描くか、「らき☆すた」の話をするか、小野大輔さんや杉田智和さんの話をして終わるというのはしばらくありましたが、一緒によく遊んでおりました。

美術部の「彼」がキーポイント

 彼女は美術部だけたまに行っていて、美術部と言っても、アニメ寄りの美術部で、1人、眼鏡で長身、勉強が出来、運動神経も良く、眼鏡を外すとイケメン、という方が副部長で、よく面倒見てくださったそうです。

 大学の文化祭も彼女と一緒に来てくださいました。

 眼鏡でも大変イケメンでした。「優しくて、気遣いも出来る、若いのに良く出来た方だな」、と思いました。

 よくその方の話をしていたから『ずっと好きだったんぜ』じゃないかな、ってずっと思っているんですけど、今でも関係が続いていると良いなあ。

学校に行かないと通知表がオール「1」

 学校に行かないと、通知表がオール「1」となります。そりゃそうです。人生であれ以来、見ることはないでしょうね。

「馬のマスクを被ったまま通知表を持つから写真を撮ってほしい」

 結構根が明るい方で、「『オール1』の通知表は貴重だから、馬のマスクを被ったまま通知表を持ち、指は「1」にするから写真を撮ってほしい」という謎の要望を頂き、「かしこまりました」と言って、ガラケーで撮りました。

 一緒に吉祥寺のアニメイトまで行って、吉祥寺の公園で馬のマスクを被って再び写真を撮ったこともあります。

 「この時から第一線の小野大輔さんや杉田智和さんってマジすげえな」という話を今だったらすると思います。

学校から「そろそろアウト」と言われる

 彼女が学校に行きだしたのは、学校から「そろそろアウト」と言われたのがきっかけです。本当にすぐ行きました。

 しかもそんなに通ってから、美術部の面々がいらっしゃったから、より楽しそうになったし。何だったんだよ、空白の4年間。

モラトリアムって「終わりですよ」と言わないと終わらない

 モラトリアムって「終わりですよ」と言わないと、終わらないんですよね。

 以前「子供が不登校ですが、どうしたら良いですか」と相談をされたのですが、「『引きこもりや不登校が我が家では受け入れることはできない』という姿勢を徹することですね。

 『やるべきことをやってから、好きなことをやってください。』と言ってみてください。私も行きましたので。」と答えたことがあります。

通知表がオール「2」になる

 小3からまともに授業を受けていないので、色々と必要な概念は抜けている気はしていましたが、「まあ人生でそんなに大切なことってないから大丈夫だよ」と度々伝えていた気がします。

 でも1年人は学校に通うと、通知表がオール「2」になるんですね。

「馬のマスクを被ったまま通知表を持ち、ダブルピースするから写真を撮ってほしい」

 「馬のマスクを被ったまま通知表を持ち、「オール2」なのでダブルピースするから写真を撮ってほしい」という謎の要望を再び頂き、「かしこまりました」と言って、ガラケーで撮りました。

大学3年次に留学するからどうしようと思った

 大学3年次にフィリピンに1年留学するから、「受験期だし、この子どうしよう」と思ったのですが、留学中はまた別の変な先生に当たったようで、公立高校に合格し、中3の時に送ってくれた馬のマスクの写真。手元の通知表は「オール3」だったんですよね。

 今書いてても泣きそうになる。

高校の生徒会副会長になる

 私が修士1年の5月くらいに、彼女から「高校の生徒会副会長になった! 学園祭来てね!」というメールが来て、「ええええええええ」と思いました。

 漫画かよ。

 こうちゃんと一緒に高校の文化祭に行きました。そうすると、沢山の友達と一緒に楽しそうにしている彼女を見ました。

 ご両親にも美術部の方々にも勿論感謝ですけど、元からそんな馬のマスクを被って写真を撮るくらいだから、元々暗い方ではないのが功を奏したんじゃないかなと思っております。

専門学校に通い、イラストレーターになる

 彼女は専門学校に通い、イラストレーターになりました。漫画みたいですね。

30人以上教えて全員が「第一志望」に受かった

 「6年間の塾・家庭教師」の経験を経て、30人以上教えて全員が「第一志望」に受かることが出来た、というのが自分の実績ですが、「わあい、たまたま頭の良い子に当たった」のかと思ったのですが、どうやらそれだけではないことに最近気が付きました。

 優秀な方は勿論いらっしゃいましたけど例えば、小2で医者の息子で大変優秀でしたが、既に親からのプレッシャー凄かったな思いました。

 逆に勘違いされやすい子で「オール3」だけど、英語がバリバリ出来て、開成や海城高校の入試試験が9割取れてしまう子(彼は英語のセンスが物凄かったな、何かしら英語に絡む仕事に就いてほしい)とか、中3で「入試まであと2か月ですけど、何もしてこなかったけど、高校には行かないとやばいのでどうしかしてください!」みたいな方を沢山引き受けました。

 そういう方は「数学は大問1(25点)満点を取る努力をしろ、大問2-5は解かなくて良い」とか最低限やれることをやるしかない指導をしていました。

作者は人に影響力を多少与えるのではないか

 栗和田さんに2022年3月くらいに、「ストレングスファインダーの強みで、『影響力』というのがあるのですが、それが強いのではないか」と言われて、残念ながら第14位くらいだったのですがw、確かに1年足らずで20人以上に「講演会呼び掛けて出させる人間」は確かに自分以外思いつかない。

 人の進路に携わる仕事ってすごいですね。

 私は今でも何かしら、人様に影響を与えてしまうようで、色々と気を付けなきゃいけない気もするのですが、私は完璧ではないので色々と求められても無理なので、そんなに気を付けていないです。すみません。

 でもたまにそういう風に人にポジティブな影響を与えつつ、作品を残していきたいですね。

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