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精神障碍者より身体障碍者が得していると言うのはやめよう

精神障碍者より身体障碍者が得している根拠1:月給の差

  精神障碍者より身体障碍者が得しているとか言うの一番の理由は先ず月給の差です。

 身体障害者・知的障害者・精神障害者・発達障害者それぞれが得ている1カ月あたりの平均賃金は、以下の通りです。

  • 知的障害者:11万7,000円

  • 精神障害者:12万5,000円

  • 発達障害者:12万7,000円

  • 身体障害者:21万5,000円

【出所】厚生労働省「平成30年度障害者雇用実態調査結果 」P.9 P.13 P.18 P.23

精神障碍者より身体障碍者が得している根拠2:雇用形態の差

給料の額はさまざまな要因をもとに決まり、雇用形態にも左右されます。「平成30年度障害者雇用実態調査」から、障害の種類ごとに正社員(有期契約を含む)の割合を確認すると以下の通りです。

  • 身体障害者:52.5%

  • 知的障害者:19.8%

  • 精神障害者:25.5%

  • 発達障害者:22.7%

 正社員の割合が低い点は、障害者雇用の給料が低くなる理由の1つです。契約社員や派遣社員といった非正規雇用では基本給以外の手当や賞与・昇給がない場合も多く、正社員と比べて賃金が低くなる傾向にあります。

【出所】厚生労働省「平成30年度障害者雇用実態調査結果 」P.8 P.12 P.17 P.22 

精神障碍者より身体障碍者が得している根拠3:障碍年金の審査の基準

 2022年9月より精神疾患(うつ病、双極性障害、統合失調症、発達障害等)における、障害年金の審査が等級判定ガイドラインにより大きく変わりました。
 
精神疾患で障害年金を申請した場合、身体疾患に比べて難しい場合が多くなります。
 精神疾患は数値で表すことができないからです。

【参考】東京社労士箕輪オフィス「精神の障害に係る等級判定ガイドライン。審査は厳しくなったのか」

精神障碍者より身体障碍者が得している根拠4:身体障碍者手帳の方が福祉サービスが手厚い

障害者向けの3種類の手帳

この3種類の手帳が、障害者のための手帳です。
障害の種類によって、手帳の種類が違います。

【出所】療育手帳がやってきた!「3種類の手帳の違い、療育手帳と身体障害者手帳、精神障害者手帳」https://ryouikutecho.com/seido-3shurui/

身体障害者手帳は、充実の福祉サービス

 法律で決められていて、伝統のある身体障害者手帳が、一番サービスが充実しています。
 勿論、療育手帳も、ほぼ同じレベルのサービスが受けられます。
 精神障害者保健福祉手帳は、受けられるサービスに制限があります。
 例えば、下記のサービスは精神障害者保健福祉手帳は受けられません。

  • 航空会社の飛行機の割引

  • 高速道路、有料道路の割引

  • JRや私鉄などの鉄道関係の割引

精神障害者の雇用数が大きく伸びる傾向がある

 2022年における民間企業の障害者雇用数は、全体で61万3,958.0人、実雇用率は2.25%で、いずれも過去最高を更新しました。
 しかし、法定雇用率が2.3%に引き上げられた前年に引き続き、民間企業全体での法定雇用率達成には至りませんでした。

民間企業の雇用障害者数は精神・知的が増加、身体は減少

 では、民間企業の雇用障害者数を障害種別で見てみましょう。
 最も多いのは身体障害者で、35万7,767.5人が雇用されています。
  次が知的障害者の14万6,426人。精神障害者は、10万9,764.5人でした。

【出所】障碍者としごとマガジン「【令和4年障害者雇用状況】民間企業・市町村は法定雇用率達成まであと一歩!教育委員会は都道府県ごとに大差」

 前年と比較すると、知的障害者は5,000人以上、精神障害者は1万人以上増えた一方で、身体障害者は1,300人減少。
 近年の傾向のように、精神障害者の雇用数が大きく伸びています。

精神障害者の雇用数が大きく伸びている

 日本全体の障害者数は、身体障害者366.3万人(人口千人当たり29人)、知的障害者54.7万人(同4人)、精神障害者320.1万人(同25人)であり、
約国民の6%が何らかの障害を有していることになります。
 精神障碍者の数が身体障碍者の数に近づいているので、今後より精神障碍者の雇用が増える可能性を有しています。

【参考】内閣府「第1編 障害者の状況等(基礎的調査等より)」
https://www8.cao.go.jp/shougai/whitepaper/h25hakusho/gaiyou/h1_01.html

身体障碍者の方でも障碍年金不支給のケースがある

 こちらの方は家事をお母様にやって頂き、殆ど動けないそうですが、現在も心臓の不整脈が止まらないそうです。
 しかし、障碍年金は不支給だったそうです。

こちらの身体障碍者の方は障害者手帳1級なのに障害年金が不支給となったそうです。

 正直この動画の「大手企業にフルタイムで働きながらさらに障害年金をもらおうとするのは国に頼りすぎですね。(中略)大手企業の安定した高収入に満足されればいかがですか?」のコメントに一番いいねがあったのが非常に障碍者同士の無駄な諍いを感じます。

障碍者雇用ですし、お子様2人いらっしゃるからこの方でも生活は厳しい

 正社員とは言え、障碍者雇用ですし、お子様2人がいらっしゃるからこの方でも生活は厳しいと思います。
 3級でも月5万支給だからせめて3級があったら生活が違うと思います
 1級は無理だとは思いますが、3級は該当すべきかと存じます。
 いずれにしても身体障碍者でも障碍年金で落ちる方もいらっしゃいます。

給与の殆どがヘルパーさん代に持って行かれる身体障碍者の方もいらっしゃる

 あとは年収600万以上の身体障碍者(常時車椅子で足が動けない)の方がいらっしゃいますが、週5日でヘルパーさんに来て頂かないとまともに仕事が出来ないので、給与のほとんどがヘルパーさん代に持って行かれるそうです。

結論 皆将来のことは不安だし、困っているのだから「精神障碍者より身体障碍者が得している」と言うのはやめよう


 結論としては、一般の方や私も含めて、皆様将来のことは不安ですし、困っていることも多いのですから、「精神障碍者より身体障碍者が得している」と言うのはやめようという提言でした。

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