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人材育成の過渡期(前編)ヒントはアグレッシブな公私混同? 

みなさんこんにちは。年明けから数週間経ち、お休みモードから働くモードへうまく切り替えられましたでしょうか。私は夜型から朝型にシフトするのに苦戦しました(苦笑)
シフトしたといえば、近年は働き方が大きく変わりました。きっかけとなったのは、新型コロナであることは言うまでもありません。しかしその数年前から国内では働き方改革法が施行されるなど、“これまでの働き方観”からの脱却が問われ続けていました。
特にZ世代が社会に出始めた頃から風向きは少しずつ変わって来ていて、ハードワークによって成長し続けてきた自負のある私自身も、働き方観をシフトしないと古い人間になってしまうという危機感が芽生えていました。おそらく私の常識を超えたところで、生産性高く働くニュータイプが出てくるはずだと思っていたら、いたんです。自分のすぐそばに。それも二人も。

今回はその二人を紹介しつつ、従業員の成長やマネジメント、人事の関わり方を考えていければと思います。

ペットフードの商品開発×獣医×サーファー

ひとりは25Holdingsで、商品開発を担当するメンバーです。子どもの頃に直面したペットとの別れを機に獣医学部に進学し、動物医療に携わるものの「病気やけがを治すより前に、ペットが健康に過ごせるようにするほうが、多くの動物の命を救えるのでは」と当社にジョインした経歴の持ち主です。
湘南に暮らす彼は平日はオフィスに通い、週末は獣医師の資格を活かし、動物病院でペットの診療にあたっています。そして趣味のサーフィンも満喫。海のコンディションがよければ、波に乗ってからの出勤も珍しくありません。それだけでもすごいのに、ドッグサーフィン(愛犬と一緒にサーフィンをすること)のイベントスタッフをしたり、動物病院で商品開発のヒントを得たり、開発中商品の意見を聞いたりと、社外の縁をうまく仕事につなげているのです。そもそも獣医だけに、商品を紹介するときも説得力が違います。自分の趣味や興味を満喫しているにもかかわらず、25Holdingsの認知度向上と売上にも確実に貢献しているのです。

お気に入りの地に移住し、積極的に公私混同

そしてもうひとりは、ジョブウェブ時代の先輩である福井信英さんが立ち上げた「プロジェクトデザイン」という公教育や企業研修で活用されるビジネスゲームの企画開発会社に勤める女性です。
一人旅が好きな彼女は各地を旅する中で、山梨の甲府に魅了されるように。縁もゆかりもない場所でしたが、市内のシェアハウスで暮らすようになります。以降、普段の業務はリモートワークでこなし、取引先との打ち合わせや納品のときに東京に出てくる生活です。甲府は山梨の中心地ですが、人口18万人とそれほど大きい都市ではありません。東京のど真ん中とは違い、山に囲まれた自然豊かな地域です。そこでプロジェクトデザインが開発したのが、「moritomirai(森と未来)」という森林の現状や持続的な活用について楽しみながら学ぶことのできるカードゲームでした。
山梨の新聞社様からの問い合わせがきっかけとなり、県内の企業が合同で取り組むSDGsプロジェクトの一環で制作されたmoritomirai。そこには当然彼女もプロジェクトメンバーとして関わります。積極的に甲府暮らしを楽しみ、地元との人とかかわりを持つなど地域に溶け込めんでいた彼女の存在はプロジェクトの円滑な進行に多いに貢献していました。そしてmoritomiraiは開発段階から他の地域の関心も高く、森林率が高く山の荒廃を課題とする、長野や和歌山、高知など全国で既に体験会を開催しています。彼女の話を聞いていると、今後も地域と関わりある新たなプロジェクトが始まりそうな気がします。

仕事以外にも没頭することで仕事が広がる時代

いかがでしょうか。二人とも単に自分本位というわけではなく、関心に従って行動に移しながら仕事で結果を残すのが絶妙にうまい。自然体なんだけど人あたりもよく、周りもついつい味方したくなってしまうのだと思います。
両者に共通するのは、働くと暮らすの境界がゆるやかで、プライベートで出会った人脈が、新たな仕事の機会になっている点です。それもゴルフ接待のような余暇を削って営業活動に勤しむものではなく、自分が心地いいと感じる場や人間関係と仕事がうまく噛み合って、プロジェクトにつながっているのが特徴といえるでしょう。先日、ちょうとプロジェクトデザインの彼女と一緒になったとき、「積極的な公私混同」と本人が語っていたのが印象的でした。
以前よりも効率的な働き方ができるようになり、通勤も含めひとつの仕事にかかる時間は短くなっているはずです。そこで生まれた余裕を、どう生かすか。意識的に動くことのできる人には、可能性が広がっていると感じます。
もともと自分はどちらかというと、能力を伸ばすにはワークハードは不可欠だと考えていた人でした。特に若く経験の浅いうちは、困難な仕事量と時間を乗り越える時期がなければ、成長は難しいという価値観のもと、働き続けてきました。
私が社会人になった当時はベンチャーブームで、ライブドアの堀江貴文さんや、サイバーエージェントの藤田晋さんらが注目された時期に重なります。大きい組織に頼らずに自力でのし上がり、球団買収など大手の専売特許でもあった事業に乗り出す姿は、まさに下剋上。泊まり込みも意に介さず、何かを成すにはそれくらいしなければと思っていました。そもそも残業や休日出社も学生の頃の部活やゼミ活動の延長のようで、大変ではあるけれども打ち込むこと自体が楽しくて、何とも言えない爽快感がありました。
しかし時代は変わりました。先に挙げた2人のような仕事の起こり方は、昼夜を問わず会社の中に籠り修行僧のように過ごす、かつての私が望んだ働き方では起こりえないことでしょう。仕事至上主義的な生き方では、人生の豊かさやイノベーションだけでなく、ビジネスそのもののチャンスさえも奪ってしまうのです。
私が若かりし頃とは、働くことに対する捉え方も異なる若い人たち。彼らのよさを仕事の場でうまく引き出すには、どうマネジメントすればいいのでしょう。続きはまた次回に。

ありがとうございました。

追記:後編をアップしました。よろしければご覧ください。
人材育成の過渡期(後編)〜マネジメントこそ外を知る〜

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25Holdings Japan 合同会社 Country Manager >> https://jp.25holdings.com/
ジェイキャンプ合同会社 代表社員 >> https://jcamp.co.jp/


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