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三年目

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2021年の詩まとめ
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2021年2月の記事一覧

そら

そら

忘れている誰かを永遠に待つ駅前の噴水広場
高くあがる水たちは空になれなくて
キラキラと
一瞬で死んでいく
その瞬間に目が合ったわたしたちは永遠を感じて恋に落ちる

無言の住宅街を歩けば世界にひとりぼっちになれるような気がして

真夜中の交差点で白い息吐きながら見上げた月はすこしぼやけて
月が綺麗ですね、と言える相手はもういなくて
死んでもいいのはわたし

天国ってなんとなく青空の雲の上にあるイメー

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2/14

2/14

ドラッグストアで安売りしていた板チョコを
心地よい音を響かせてたべる君がすきです
アルミ箔を丁寧にまるめながら最後のひと欠片までたべ終えた君は
いまがいちばん幸せって顔してる
糖分はひとを幸せにするのか鈍くするのかわからないけれど
まろやかな心になれる瞬間は嫌いじゃないよ
ホワイトチョコレートをたくさんたべると舌がすこしざらざらします
君をすきな気持ちは純度何パーセントかな
かたちあるそれを丁寧に

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十代の共感度1位!が宣伝文句のやすっぽいラブソングをうたうバンドのなまえは初見じゃ読めなくて、でもなぜか心に響いてしまうのはわたしはわたしを捨てて君の続きになりたいから、ともだち100人できたSNSで得るものはクラスメートの恋愛事情と有名YouTuberの明日には忘れてる動画のURL、四六時中情報の波にのっているはずなのに君に届けたい手紙の宛先の書き方がわかりません、天国にもWi-Fiがとんでいた

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