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タブーからリアルへ。生理の広告が変わってきた。

生理の話って、おおっぴらにできない。そんなふうに思う。

身体はプライベートなもので、センシティブな話題だ。少なくともわたしは「今日、コンビニで新しいマリトッツォ見つけたよ」みたいには話せない。

じゃあなぜ、noteで記事を書くのか。もうちょっとだけ、気軽に話せるといいんじゃないかな?と思うから。

「生理痛」を「体調不良」と言い換えがち

わたしはほぼ、言い換えている。というか、生理痛がしんどい時でも黙っていることが多い。

生理の言いづらさ、尋常じゃない。

職場でも、女性だけのチームなら「今日ちょっと生理痛がしんどくて…」と話せるかもしれないが、男性の同僚や上司にはなかなか難しくて、代わりに「今日ちょっと体調が…」と濁したりする。

もちろん生理痛じゃない不調の時もある。だから全部「体調不良」で通せばいい、とも思う。でも、定期的にやってくる生理とその不調をどこかで”ないもの”のように自分で扱うことに、モヤモヤすることがある。

アイドルにも生理がくる

そんな時だ。わたしは『アイドル保健体育』という名著と出会った。

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この本は「生理や摂食障害、身体づくりや性教育など、これまで“見えないもの”にされてきた女性アイドルの健康課題に大胆に切り込んだ書籍」。

コレオグラファー(振付師)として10年以上にわたり女性アイドルたちに接してきた竹中夏海さんの、アイドルへの愛と危機感から生まれたものだという。

女性アイドルにも、生理がくる。彼女たちは綺麗で可愛くてキラキラしていて、人前で完璧にパフォーマンスし、誰もがそれを「仕事だからできて当たり前」だと受け止めている。でも、彼女たちだってさまざまな女性特有の健康課題を抱えているかもしれないのだ。

これ何かに似ている…あ、職場だ! 

そう、職場ではたくさんの女性たちが一生懸命に仕事をしている。だけど働きながら“見えないもの”“ないこと”にしてきた健康課題が、やっぱりあるんじゃないか?

生理は小中学校の時に「保健体育」で習う。本にも書かれていたけど、わたしの時代も男女に分けられて、なんかコソコソ教えられた。男子の前では、女子の身体の機能について話すことはおろか、生理用品を出すことだって恥ずかしいと刷り込まれてきた。

でも、そろそろ、生理の話を堂々とできてもいいよね? 今、令和なんだし。

婦人科や生理用品メーカーのサイトには豊富に情報が載っているけど、なんか気が進まない…と思う人は、ぜひこの本を読んでほしい。女性アイドルを通して、自分の身体にも向き合うことができる。

男性が読めば、生理をはじめとした女性の健康課題について正しい知識や理解を深めるきっかけになるはず。調子が悪そうな女性に「今日もしかしてアレ?生理?」なんてセクハラ発言をしなくて済む(…今時いないことを祈るが)。

日本のCMだと、生理の血は青い

ずっと不思議だったことがある。

生理中に使う、生理用ナプキンのCM。一瞬出てくる、「生理の血」の演出に注目してほしい。

青い液体なのである。これはCM上そうなっているだけで、実際の生理では(経血と言う)当然、血は赤い。

青い液体は清涼感すらあるけど、実態は清涼感などない。なぜ、「色変え」するのだろう?

おそらく、CMがその商品のターゲットではない不特定多数の人の目に触れるからだ。リアルな赤い色の液体をテレビで流すのは“あり得ない”んだろう。

ただ、ソフィはYouTubeに自社の生理用品を紹介する動画も上げていて、そこでは赤い液体を使用していた。

日本でも少しずつ、普通のこととして生理や生理用品について話せるように企業も取り組んでいる。変化を感じられて嬉しい。

海外の広告だと、生理はこんなに自由!

海外はもっと進んでいた。わたしがイケてる〜!と思った最近の事例を2つ紹介したい。

まず、イギリスの生理用品メーカー「Bodyform」の短編作品「#Wombstories」(子宮の物語)。

毎年6月にフランスで開かれる世界最大級の広告の祭典「カンヌライオンズ」において、2020年に4部門でグランプリを取った動画だ。

海外ではここまで表現するのか!と驚いたし、自分の実体験にも近い、生理に対する複雑な感情が描かれていた。

まず、子宮どーん!から始まる。インパクト大。

生理痛を暴れ回るモンスターで表現しているシーン、秀逸だなと思う。生理の血は赤い液体どころか、かなりリアルな「血」だし。

子どもを望む女性のカップルが出てくるのもいい。そして生理と言っても「今の自分にとって」喜びなのか、悲しみなのか、痛みなのかは一人ひとり異なり、生理それ自体が多様なのだと伝えている。

次は、2020年にTwitterでバズったツイートから。イギリスの生理用品ブランド「natracare(ナトラケア)」が2018年に韓国で発表したCMだという。

国を超えて生理の表現が共感され、支持される現象はSNSならでは。15.2万いいね、驚異的な数字である。

「何もしたくない。それが生理」に首がもげるほど頷いた(笑)。

生理はタブーじゃなく、リアル

期せずしてどちらもイギリスの生理用品メーカーだったが、2つの事例とも生理をタブーにせずリアルに表現している。わたしが惹かれたのはそこだ。

企業の商品をアピールするのだから、美しいもの、憧れるようなもの、“不快感”を与えないものであるべき、という通常のセオリーではつくられていない。

むしろ女性たちが生理の時に感じるネガティブな気持ちや痛みなど、リアルな負の側面にフォーカスしている。だから「わかる…」と深く納得できるのだ。

わたしはソフィの #NoBagForMe というプロジェクトを知ってから、「たしかに生理用品って隠さなくてもいいな」と思えた。ドラッグストアで紙袋をもらわなくなり、エコバッグに直接入れたり、むき出しのまま持って帰ったりしている。

生理も生理用品も当たり前のことじゃん、と自分の気持ちが変化し、行動に現れたのだ。

つらさを我慢せず、口に出せる社会がいい

さあ、みんな今日から生理についてどんどんオープンに話そう!と言うつもりはない。話すも話さないも、個人の自由だから。それは常に自分自身で気軽に選べばいいこと。

ただ、けっしてタブーではない。タブーにしている慣習のほうを変えていくべきだ。

学校でも職場でも、身体や心が感じる苦しみ、つらさを一人で抱え込んでしまうことがあるのではないだろうか。「自分が我慢すればいい」と考えてしまうのだ。だから、もっと周りに相談できたり、口に出せる環境をつくることが、学校や職場に現実的に求められていると思う。そこはみんなにとって生きやすい、息がしやすい場所になるはずだ。

文:シノ

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