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熱海みやげに名乗りを上げた商品を有名にしたい

今年の春に制作したコピーのお話です。

おみやげ屋に置いていないおみやげ

熱海駅から徒歩5分。東海道新幹線が走る線路沿いを進むと、「MIZUTANI」と書かれた黄色い看板を掲げるお店が見えてきます。

ここは水谷寝具店。爽やかなイラストが目を引くタペストリーが飾られています。

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店内をのぞいてみましょう。

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机の上に何やら見慣れない商品たちが並んでいます。顔のついた白いハンカチ、沈んだように見えるランチョンマット、また顔のついたボードには大量のクリップ・・・

実は、弊社のグラフィックデザイナーが考案したオリジナルプロダクトなのです(!)

例えば、こちらのランチョンマット。

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食器とカトラリーを置くと、重みで柄が沈んだ様に見えるというもの。だまし絵の手法で、食卓を明るくユニークに演出してくれます。

ADBRAINでは、A.P.WORKS というプロジェクトチームが毎年このような遊び心を感じられるプロダクトを開発しており、一部のプロダクトはミュージアムショップやオンラインショップで販売されています。

ご縁があって昨年より熱海の地でもデビューすることになり、熱海市咲見町にある水谷寝具店さんにて取り扱いが始まりました。

「熱海プロジェクト」タペストリーの制作

A.P.WORKS × 水谷寝具店の試みは「熱海プロジェクト」という名前が付けられました。

そしてプロジェクトが始動する前、A.P.WORKSのメンバーより「宣伝用のタペストリーを作るから、キャッチコピーを考えてほしい」と依頼を受けたのです。

タペストリー看板は、窓や壁面、天井を活用した広告で、商品の写真やイメージを鮮明に伝えることができます。熱海プロジェクトでは、ガラスファサードに飾るものを制作。

1回作って終わりではなく、季節ごとにイメージを変えて作っており、歴代のものがこちら(嬉しいことに、昨年の秋冬もコピーを採用していただきました!)。

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●2020年秋バージョン
「この秋、ふわりとデビュー。」
「FUWARI」という名前の、かわいい顔がモチーフのハンカチをPR。

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●2020年冬バージョン
「遊び心の贈り物。」
冬のギフト・プレゼントにプロダクトをPR。

そして、今年の春に作ったタペストリーがこちら。

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コピーは私が、デザインは新人デザイナーが考えたもの。春から夏を迎える熱海のワクワクした雰囲気が伝わってくる素敵なデザインです。

ちなみに、冒頭で私があたかも熱海に行ったような文章を書きましたが、県をまたぎにくいご時世ということもあり、実物のタペストリーはまだ見られていないのです(無念)。落ち着いたら見に行きたいと思っています。

「熱海で見かけたことあるよ〜」という方、ぜひコメントお待ちしてます!

「ちょっぴり変わった、熱海みやげ。」のコピーができるまで

春にA.P.WORKSのメンバーから受けたオーダーは以下のような感じでした。

テーマ:熱海のおみやげ
ターゲット:熱海に訪れる20代の若者

ん〜ざっくり!!(笑)

本来は「春」を感じさせる表現もオーダーに入れるはずだったそうですが、熱海に行ってタペストリーを定期的に交換することが難しくなり、「季節に寄らず、常設して置けるものにしたい」というオーダーになりました。

テーマである「熱海」「おみやげ」は意識しつつ、コピーの表現を探ります。毎度頭を悩ませるのは、”とにかく短いコピーが良い”こと。

みなさんも街中でポスターを見かけると思いますが、立ち止まってじっくり見ることってあまりないのではないでしょうか?

お店に飾られたタペストリーも同じで、通行人が目の前を通り過ぎる時間はほんの数秒。長いメッセージだとうまく伝えられないまま、ターゲットが通り過ぎてしまうかもしれません。そのため、できるだけ短い表現を考えました。

提案するときにこんなコピーがあったよ、というのをこっそりチラ見せ。

熱海で一番、日持ちします。
熱海っぽくない!と評判です。
ただの雑貨、じゃありません。
プリンの次は、これだ。
あそび心を持って帰ろう。
アイデアをお土産に。
え!がおのプレゼント。
このお土産は、使うたびワクワクする。
遊び心が利いたお土産はいかが?
おみやげ話が増えるおみやげ。

全部で40案ほど提案して、A.P.WORKSのコンセプトでもある「遊び心」というワードがA.P.WORKSのメンバー陣に刺さり、その方向性をもっと深堀して再提案しました。

その結果、「ちょっぴり変わった、熱海みやげ。」というコピーが採用されました!選ばれた理由は、「おしゃれさと身近さのバランスが良い」とのことでした。

たしかにA.P.WORKSのプロダクトは、プロの広告デザイナーが考えたこともあって洗練されているのですが、どこかほっこりするような親近感も感じられます。そういったコンセプトのトーンにうまくハマったのが今回のコピーだったのだと思います。

もっと多くの人に知ってもらえる熱海みやげを目指して

熱海プロジェクトが始まって4回目のタペストリー制作。まだまだ熱海プリンや温泉まんじゅうの足元には及びませんが、いずれ熱海でひそかにブームなおみやげになれたら・・・!

なかなか普通のおみやげ屋には並ばないユニークな商品たちなので、自信を持ってオススメします。

私自身、雑貨屋に入るのが好きで、ヴィレッジヴァンガードのPOPを書くことに憧れます!(わかってくれる人いそう)熱海プロジェクトの活動がもっと広がって、店内のPOPとかチラシのコピーなんかも今後書けたら楽しいなと思っています。


文:ハギ
@よりみちコピーライター

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